サイトの問い合わせを増やすとき、直す順番は決まっています。フォーム → 導線 → 文言 → デザインです。
この順番は「効果の大きさ」ではなく、費用と時間が小さい順に、確かめられることから潰すという考え方で決めています。デザインは最後です。いちばん高くて、いちばん時間がかかり、効いたかどうかがいちばん分かりにくいからです。
考え方の元は公開後の改善(サイト制作の教科書 11章)と受け皿で決まる部分(Web広告運用の教科書 10章)にあります。
直す順番と、その理由
| 順番 | 直す場所 | 費用と期間 | 効いたかどうかの確かめ方 |
|---|---|---|---|
| 1 | フォーム | ほぼ0円・当日 | 送信数が変わる |
| 2 | 導線 | 小・数日 | フォームページの閲覧数が変わる |
| 3 | 文言 | 小〜中・1〜2週間 | 着地ページからの離脱が変わる |
| 4 | デザイン | 大・1か月〜 | 上の3つを直した後でないと判定できない |
上から順に、1つずつやってください。 同時に全部変えると、何が効いたか分からなくなります。分からないということは、次に何をすればいいかも分からないということです。
1. フォーム
いちばん安く、いちばん早く効きます。見るのは4つです。
送信が本当に届いているか
自分のスマホから1件送り、自動返信と社内通知の両方が届くかを確かめます。迷惑メールフォルダも見てください。ここが壊れているサイトは実際にあります。詳しい点検手順は問い合わせが来ないときに最初に見る5つに書きました。
必須項目を減らす
| 残す | 外すか任意にする |
|---|---|
| 名前 | 会社の住所 |
| 連絡先(メールか電話のどちらか) | 部署名・役職 |
| 用件(自由記述でよい) | 希望日・予算・従業員数 |
| — | 「どこで当社を知りましたか」 |
後の商談で聞けることは、全部フォームから外します。 「どこで知ったか」は社内の知りたいことであって、問い合わせる人の用事ではありません。計測で分かることは計測で取ってください。
入力のしやすさ
- スマホで、電話番号の欄では数字のキーボードが出るか
- 入力を間違えたとき、どの欄が違うのかがその場で分かるか
- 送信ボタンを押した後、反応がない時間がないか
送信後の画面
送信完了の画面に、次に何が起きるか(いつ誰から返信が来るか)を書きます。ここが空白だと、不安になって別の会社にも同じ問い合わせをします。
2. 導線
フォームは直った。次は、フォームまで人が着くかです。
- サイトのどのページからでも、2タップ以内で問い合わせに行けるか
- スマホで、スクロールせずに見える範囲に連絡手段があるか
- 記事や事例ページの最後に、問い合わせへの案内があるか
- 電話番号が、タップで発信できる形になっているか
注意点として、全ページに大きなボタンを置けばよい、という話ではありません。 置くべきは「その人が読み終わったところ」です。料金ページの最後、事例ページの最後、サービス説明の最後。逆に、会社概要や採用情報のページに営業用のボタンを並べても意味がありません。
どのページを何本持ち、どうつなぐかはサイト構成と導線の設計(5章)にまとめています。
3. 文言
人は着いた。フォームも動く。それでも送信されないなら、書いてあることが合っていません。
見るのは、スクロールせずに見える範囲(ファーストビュー)の3つです。
| 要素 | 合格ライン |
|---|---|
| 見出し | 何を売っているか、誰向けかが1行で分かる |
| 対応範囲 | 地域・業種・規模のどれかが書いてある |
| 次の行動 | 何をすればいいかが1つに絞られている |
広告を出している場合は、検索された語と見出しの語を揃えることが最優先です。「原状回復 費用」で検索した人が「私たちは地域に根ざした企業です」という見出しに着地すれば、そこで終わります。
文言を変えるときは、1か所ずつ、2週間は置いて比べてください。同じ週に見出しとボタンの文言と料金表記を全部変えると、判定できません。
社内の人は答えを知っているため、自社の文言が伝わるかを判定できません。取引のない人に5秒見せて「何の会社?」と聞くのが、いちばん安い検証です。原稿の作り方は原稿と素材(6章)に書いています。
4. デザイン
ここまで直して、それでも足りないときに初めてデザインです。費用も期間もいちばん大きく、効いたかどうかの判定がいちばん難しいので、最後に回します。
デザインで直す価値があるのは、次のような具体的な不具合が見つかったときです。
- 文字が小さくて、スマホで読めない
- 重要な情報が画像の中に入っていて、検索にも読み上げにもかからない
- ページの表示が遅く、読み込みの途中で離脱されている
- 配色のせいでボタンが押せるものに見えていない
「なんとなく古い」は、問い合わせが来ない理由の説明にはなりません。 見た目を新しくしたい理由が採用や取引先への印象であれば、それは別の目的として進めるべきです(→デザインの決め方(7章))。
直す前に、どこで落ちているかを数字で見る
順番どおりにやるとしても、どの段階に一番大きな穴があるかは数字で分かります。見るのは3つだけです。
- サイト全体の訪問数
- 問い合わせページの閲覧数
- 送信された件数
2が1に対して極端に少なければ導線と文言、3が2に対して極端に少なければフォーム、1そのものが少なければ改善ではなく集客の話になります。この3つを数えられる状態にする方法は計測の土台(SEOの教科書 3章)にまとめています。
直した後、効いたかをどう確かめるか
変えたら、必ず変えた日を記録してください。 記録がないと、数字が動いたときに原因を探せません。
| 記録すること | 例 |
|---|---|
| 変えた日 | 2026-10-05 |
| 変えた場所 | 問い合わせフォームの必須項目 |
| 変えた内容 | 住所・部署名を任意に変更(必須8個→4個) |
| 見る数字 | フォームの送信数 |
比べるときの注意が2つあります。
- 前の週ではなく、前年の同じ月と比べる。 業種によっては季節で件数が動くため、前週比では判定を誤ります
- 件数が月に数件しかない場合、1か月では判定しない。 3か月ぶんをまとめて見てください
件数の少ない会社ほど、数字ではなく理屈で判断してよい場面があります。フォームが届いていなかった、必須項目が10個あった、電話番号がタップできなかった。これらは「直したら良くなるか」を検証するまでもなく、直すべきものです。検証が必要なのは、どちらが良いか分からない変更だけです。
作り直すべきかの判断
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 上の4つを直せる構造になっている | 直す(作り直さない) |
| 更新する手段がなく、1行直すのに外注が必要 | 作り直しを検討する |
| スマホで崩れていて、直しても別の場所が崩れる | 作り直しを検討する |
| 見た目が古いだけで、中身は直せる | 直す |
当社では、直せば済むサイトを作り直すと80万円以上が不要にかかるため、先に現状分析(20万円〜)でどちらかを切り分けています。部分的な改修は30万円から、継続的な改善は月5万円からです。全面的に作り直す場合の制作費は80万円からになります。
着地ページ1枚の話であれば、LP制作が40万円から、LPO・CVR改善は計測とヒートマップの設置が10万円から、継続改善が月10万円からです。現状調査は無料で行っています。すべて税別です。
まとめ
- 直す順番はフォーム → 導線 → 文言 → デザイン。費用と時間が小さい順に潰す
- フォームは自分で1件送って確かめる。必須項目は名前・連絡先・用件まで減らす
- 導線のボタンは、全ページではなく「読み終わったところ」に置く
- 文言は、検索された語と見出しを揃える。1か所ずつ2週間置いて比べる
- デザインは最後。「なんとなく古い」は問い合わせが来ない理由の説明にならない
- 訪問数・問い合わせページの閲覧数・送信数の3つで、どこに穴があるかを先に特定する
よくある質問
サイトの改善は、どこから手を付けるのが正しいですか
フォーム、導線、文言、デザインの順です。フォームは費用がほとんどかからず、直せば当日から効きます。デザインを最初にやると、費用と時間をいちばん使ったうえで、効いたかどうかが分からないまま終わります。
フォームの項目はどこまで減らしていいですか
名前・連絡先・用件の3つまで減らせます。住所、希望日、予算、従業員数などは、返信のときや商談で聞けます。必須が多いほど途中でやめる人が増えるので、後で聞けることはすべて任意にするか、外してください。
デザインを新しくすれば問い合わせは増えますか
増えるとは限りません。見た目が古いことと、問い合わせが来ないことは別の原因であることが多いためです。先にどのページで離脱しているかを数字で確かめてください。当社では現状分析を20万円から行っており、その結果として作り直したほうが早いと判断することもあります。


