AIでSEO記事を書くこと自体は問題ありません。問題になるのは、他のページのまとめで終わっていて、そのページにしか無い中身が無い記事と、確かめていない数字が載った記事です。 やることは3つです。構成と一次情報は人が決める/初稿と表はAIに作らせる/数字・出典・固有名詞は人が開いて確かめる。 この記事では、その工程を順に並べ、当社がこのサイトの記事と教科書をAIで書いている実際の手順と、そこで起きた失敗を載せます。
AIに任せる部分と、人が決める部分
| 工程 | AIに任せてよいこと | 人が決めること |
|---|---|---|
| 狙う語を決める | 関連語・言い換えの候補出し | 狙う語を1つに決める。検索した人の用事を1文で書く |
| 一次情報を決める | —(AIには書けない) | 自社の事例・実際の手順・断った理由・毎回聞かれること |
| 構成案 | 見出しの案、答えるべき問いの洗い出し | 問いの取捨選択。結論を冒頭に置く順番 |
| 初稿 | 見出しごとの本文、表の整理 | — |
| 事実確認 | 「確かめるべき箇所」の洗い出し | 数字と出典を開いて確かめる。料金・製品名・社名 |
| 公開 | タイトル・説明文の案 | 公開してよいかの判断 |
Googleは、コンテンツをAIが作ったかどうかではなく品質で評価すると公表しています。タイトル・説明文・見出しの合格ラインと公開前の12項目は、SEOの教科書 6章 ページの書き方にまとめています。この記事では、そこに至るまでのAIを使った書き方の手順に絞ります。
手順(6工程)
| # | 工程 | やること | できあがるもの |
|---|---|---|---|
| 1 | 書く前に決める | 狙う語・検索した人の用事・このページにしか無いもの、の3つを書く | 3行のメモ |
| 2 | 構成案 | AIに問いの洗い出しと見出し案を出させ、人が削る | 見出しの一覧(目次) |
| 3 | 初稿 | 見出し1つずつ、材料(メモ・記録・社内資料)を渡して書かせる | 初稿 |
| 4 | 事実・数字の確認 | AIに「確かめるべき箇所」を挙げさせ、人が1つずつ開いて確かめる | 確認済みの原稿 |
| 5 | 仕上げ | 冒頭3行を結論に直す。内部リンクを実在するページだけにする | 公開用の原稿 |
| 6 | 公開と判定日 | 公開し、30日後・90日後の判定日をカレンダーに入れる | 判定日の予定 |
1で「このページにしか無いもの」が出てこないなら、書きません。 他社のページをAIにまとめさせた記事は、引用元のほうが評価されます。書く手間だけが残ります。
構成案を出させる指示文の型
「(狙う語)」で検索した人の用事は「(1文で)」です。
この用事に答える記事の見出し案を作ってください。
- 冒頭で結論を言い切る順番にする
- 見出しだけ読んで中身が分かる言葉にする(「メリット」「まとめ」だけの見出しにしない)
- 次の一次情報を入れる見出しを必ず作る:(自社の事例・手順・記録を箇条書き)
- 数字は書かないでください。数字が必要な箇所は【要確認】と書いてください
最後の1行が重要です。書かせると、それらしい割合や時間が埋まります。数字が要る箇所には印だけ付けさせ、埋めるのは人です。
事実確認の観点を出させる指示文の型(人が書いた原稿を点検させる)
以下の原稿のうち、公開前に人が確かめるべき箇所をすべて挙げてください。
対象:数字、割合、日付、製品名・機能名・料金、法令や公式の方針への言及、
他社名・人名、リンク先。
それぞれ「どこに書いてあるか」「何と照らせば確かめられるか」を表にしてください。
直した文案は出さないでください。
「直した文案は出さない」と書くのは、直させると確認の前に新しい誤りが混ざるからです。AIには場所を挙げさせ、確かめるのは人にします。
初稿のときにAIに渡す材料
初稿の質は、指示文より渡す材料で決まります。材料が無いと、AIは一般論で埋めます。
| 渡す材料 | どこにあるか | 記事のどこに効くか |
|---|---|---|
| 実際の作業手順 | 社内の手順書、作業記録 | 手順の表。一般論ではなく自社の順番になる |
| 毎回聞かれる質問 | 問い合わせ・商談のメモ | よくある質問、冒頭の結論 |
| 失敗した記録 | 振り返りのメモ、やり直しの記録 | 失敗例の表 |
| 断った条件 | 失注・辞退の記録 | 「こういう場合は向かない」の節 |
| 自社の料金表 | 料金ページ | 最後の案内(値は人が照らす) |
顧客の社名や個人情報が入った記録は、そのまま渡さず伏せてから渡します。入れてよい情報の線引きはAI活用の教科書 3章 生成AIの社内ルールにまとめています。
当社でのやり方
当社は、このサイトの記事と、教科書9冊(kintone・LINE・広告・Web制作・計測・業務棚卸し・自治体DX・AI活用・SEO)を、Claude Code を使って書いています。記事は Markdown で書き、ビルドを通してから公開します。
| 工程 | 実際にやっていること |
|---|---|
| ルールを先に渡す | 書き方のルール(出典のない数字を書かない/製品の画面名・料金・モデル名に依存しない/確認日を書く/「AIで全部できる」と書かない)をファイルに書き、AIは作業のたびにそれを読んでから動く |
| 構成 | 狙う語と、その記事でしか書けない当社の事実を人が渡し、見出し案を出させて人が削る |
| 初稿 | 見出しごとに書かせる。当社の料金はルールに書いた値だけを使わせる |
| 事実・数字の確認 | 数字・料金・製品名・リンク先を人が確かめる。確かめられない数字は消す |
| ビルド | 記事のファイルを置いてビルドを通す。リンクや書式の崩れはここで止まる |
| 公開の判断 | 人が決める |
全記事の点検もAIで回しています。 サイトの記事をAIに全件読ませ、出典のない効果・統計の数字、すでに廃止した旧サービス名、リンク切れなど、問題のありそうな箇所を洗い出します。直すかどうかは、人が1件ずつ決めています。 数字を消すのか、読者が自社で数える手順に置き換えるのか、記事の役割ごとに答えが違い、その判断はAIに任せられないためです。
この記事自体も、その流れで書き直したものです。SEOの点検で「内容が薄く、検索した人の問いに答え切れていない」と判定された記事を対象にしています。ただし字数そのものは目標にしていません。 答えるべき問いを先に並べ、答え終わったところで止めています。
失敗例と、人が確かめる場所
| 失敗 | 起きること | 人が確かめる場所 |
|---|---|---|
| 数字をAIに埋めさせた | 「◯%向上」のような出典のない数字が載る。読んだ人が出典を探して見つからないと、他の記述まで信用されない | 数字は全部、出典を開いて同じ値か見る。無ければ消す |
| 出典のリンクを確かめなかった | 存在しないページや、別の内容のページにリンクしている | リンクを実際に踏む |
| 製品の料金・画面名をそのまま書いた | 半年で古くなる | 「最新は公式サイトで確認」と確認日の形に直す |
| 競合ページのまとめを書かせた | 引用元より評価されない | 「このページにしか無いもの」が1つ以上あるか |
| 自社の料金をAIに書かせた | 古い値や、存在しないプランが載る | 料金ページと突き合わせる |
| 内部リンクを書かせた | 存在しないURLにリンクする | 実在するページの一覧と照らす |
| 大量に書いて一度に出した | 確認が追いつかず、同じ誤りが全記事に広がる | 1本ずつ確認を通してから次へ |
数字を出したいときは、読者が自社で数えられる形に置き換えます。「作成時間が半分になる」ではなく、「1本あたりの作成時間を、構成・初稿・確認の工程ごとに記録し、3本分の平均を比べる」と書きます。
公開したあと
公開して終わりにすると、効かなかった記事がそのまま残ります。公開当日にインデックス登録をリクエストし、30日後に表示回数、90日後に順位とクリック率を見ます。直す記事の選び方はSEOの教科書 7章 リライト、AI検索への備えは8章にまとめています。
まとめ
- AIで書くこと自体は問題ない。問題は、そのページにしか無い中身が無いことと、確かめていない数字
- 狙う語・検索した人の用事・一次情報は人が決める。AIには書けない
- 構成案の指示に「数字は書かず【要確認】と書く」を入れる
- 事実確認は、AIに箇所を挙げさせ、人が開いて確かめる
- 当社は記事と教科書をこの手順で書き、全記事の点検で出てきた数字や旧サービス名を人が1件ずつ直した
- 字数ではなく、答えるべき問いの数を目標にする
記事の書き方を社内で回せるようにしたい場合は、SEO対策やClaude Code導入支援(導入と型づくりは無料・利用開始後 月5万円〜、税別)でご相談ください。
→ AI活用支援 → SEOの教科書 6章 ページの書き方 → AIで提案書・報告書を自動作成する方法 → プロンプトエンジニアリング入門|AIを使いこなす技術 → CLAUDE.mdとは?AIに仕事を覚えさせる方法
よくある質問
AIで書いた記事は検索で不利になりますか
Googleは、人が作ったかAIが作ったかではなく、中身の品質で評価すると公表しています。不利になるのはAIで書いたことではなく、他のページのまとめで終わっていて、そのページにしか無い中身が無いことです。構成と一次情報は人が決め、数字と出典は人が開いて確かめてから公開してください。
AIにどこまで書かせてよいですか
構成案、初稿、表の整理、事実確認の観点出しまでは任せられます。狙う語と検索した人の用事、自社にしか書けない一次情報、数字と出典の確認、当社の料金や固有名詞、公開してよいかの判断は人が持ちます。
AIが出した数字や出典はそのまま使えますか
使えません。存在しない出典や、それらしい割合を自信のある文体で書くことがあります。出典のリンクを実際に開いて同じ数字が書いてあるかを確かめ、確かめられない数字は消すか、読者が自社で数える手順に置き換えます。


