CLAUDE.md は、Claude Code が作業を始めるときに読み込む Markdown のファイルです。フォルダに置いておくと、そのフォルダで作業するたびに、AIが書かれたルールを前提に動きます。毎回同じ説明をしなくて済むのが一番の効き目です。
この記事では、当社が実際に使っている CLAUDE.md の形を例に、書く項目・置く階層・育て方を手順にします。
→ そもそも決めごとや指示をどこに置くかの決め方は教科書 9章 AI活用を社内に残す
当社の実際の形
当社は開発・記事や教科書の執筆・社内業務の自動化を、Claude Code で日常的に回しています。作業フォルダは1案件=1フォルダで、どの案件も同じ形にしています。
clients/<案件名>/
├── CLAUDE.md 概要・ルール
├── _env.md 接続先(秘密値は書かない)
├── _secrets/ トークン・接続文字列の実値
├── docs/ 成果物・記録(記録は日付で始まるファイル名)
├── inputs/ 受領資料
└── services/ コード
決めごとは3つです。
| 決めごと | 理由 |
|---|---|
| 直下に置くファイルは CLAUDE.md と _env.md だけ | AIも人も、最初に開くものが決まる。直下にファイルが増えると、どれが入口か分からなくなる |
| 接続先は _env.md、実値は _secrets/ | CLAUDE.md は毎回読まれ、共有もされる。秘密値を混ぜない |
| フォルダ名は英小文字+ハイフン | 日本語名にしたところ、AIのメモリがフォルダの場所に紐づかなかった |
会社全体のフォルダの CLAUDE.md は、こう始まっています(抜粋)。
# COTSUBU
> 返答は必ず日本語で書く。途中経過の一言・表の見出し・作業完了の報告まで、
> 英語に切り替えない。コード・コマンド・固有名詞はそのままでよい。
## 構成
company/ 会社の事務
products/ 自社サービス。1サービス=1フォルダ
sales/ 営業・新規販路
clients/ 受託。1社=1フォルダ
## ルール
- どの階層も、直下に置くファイルは CLAUDE.md と _env.md だけ
- フォルダ名は英小文字+ハイフン
書く項目
| 項目 | 書くこと | 書かないこと |
|---|---|---|
| 概要 | 何のフォルダか、誰の仕事か(2〜3行) | 経緯の長い説明 |
| 構成 | どこに何があるか。フォルダの一覧と一言 | ファイル1つ1つの説明 |
| ルール | 守ること・してはいけないこと。理由を1行添える | 一般的な心構え(「丁寧に」など) |
| 作業の入口 | よく使う作業の手順やコマンド(例:公開前にビルドを通す) | 道具の操作説明 |
| 接続先 | → _env.md に分ける。場所と疎通の確かめ方 |
値そのもの |
| 秘密値 | → 書かない。_secrets/ など別の場所にあることだけ書く |
トークン・パスワード・接続文字列 |
「書かないこと」の列も同じくらい大事です。毎回読まれるファイルなので、長くなるほど肝心のルールが埋もれます。 進捗や作業ログのように毎回変わるものは docs/ の記録に置き、CLAUDE.md には載せません。
このサイトの記事と教科書も、書き方ルール(出典のない数字を書かない/製品の画面名・料金・モデル名に依存しない/確認日を書く/「AIで全部できる」と書かない)をファイルに書き、AIが原稿を書く前に読む形にしています。書く人が変わっても、同じルールで原稿が上がってきます。
置く階層
Claude Code は、作業を始めたフォルダとその上の階層にある CLAUDE.md を読み、下の階層のものはそのフォルダで作業するときに読みます。個人の設定用に、ホームディレクトリに置く CLAUDE.md もあります。読み込みの細かい仕様は更新されることがあるので、最新は公式ドキュメントで確認してください(2026年9月確認)。
| 階層 | 当社の置き場所 | 書くこと |
|---|---|---|
| 個人 | ホームディレクトリ | その人だけの好み |
| 会社全体 | 作業フォルダの一番上 | 全案件共通のルール(日本語で返答・フォルダの形) |
| 案件 | clients/<案件名>/ |
案件の概要・接続先の場所・案件固有のルール |
| リポジトリ | services/<リポジトリ名>/ |
コードの書き方・ビルドの手順。git で管理し、共同作業者と共有する |
分け方の原則は1つです。共通のことは上に、固有のことは下に。同じことを2か所に書かない。 2か所に書くと、片方だけが直され、どちらが正しいかAIにも人にも分からなくなります。
育て方の手順
最初から完璧に書こうとしないでください。AIが間違えたときに1行足すのが、いちばん効く中身の作り方です。
| 順 | やること | 当社の例 |
|---|---|---|
| 1 | 概要・構成・ルールを10行程度で書いて始める | 1案件=1フォルダの形だけ書いた |
| 2 | AIが同じ間違いを2回したら、会話で直すのをやめて1行足す | 長い作業のあとのまとめが英語になる事故が繰り返し起きた |
| 3 | 足す行には理由か経緯を添える | 「長い作業の後のまとめで英語になる事故が繰り返し起きた」と日付つきで書いた |
| 4 | 効きが弱ければ、書く場所を先頭に上げ、書き方を具体的にする | 「日本語で」だけでなく「途中経過の一言・表の見出し・完了の報告まで」と範囲を書いた |
| 5 | 月1回読み直し、古い行・重複・秘密値の混入を消す | 構成を変えたときに、フォルダの一覧を書き直した |
2の「会話で直すのをやめる」が分かれ目です。会話の中での注意は、その会話が終われば消えます。 ファイルに1行足せば、次の作業から毎回効きます。
3の理由も省かないでください。理由が書いてあると、半年後に読み直したとき、その行を消してよいかを判断できます。
そのまま使える指示文
最初の下書きを作らせるとき:
このフォルダの中身を見て、CLAUDE.md の下書きを作ってください。
項目は「概要/構成/ルール/作業の入口」の4つにしてください。
トークン・パスワード・接続文字列は、見つけても書かないでください。
フォルダの中身から推測で書いた行には、行末に(推測)と付けてください。
ファイルはまだ保存せず、下書きを表示するところまでにしてください。
作業のあとに、足す行を提案させるとき:
今回の作業で、CLAUDE.md のルールが守られなかった箇所と、
私が会話の中で2回以上同じ指摘をした箇所を挙げてください。
それぞれについて、CLAUDE.md に足す1行と、その理由を1行で提案してください。
CLAUDE.md の書き換えはしないでください。
どちらも書き換えさせず、提案で止めるのがポイントです。CLAUDE.md は毎回の作業すべてに効くので、足す行は人が読んで決めます。
失敗例と、人が確かめる場所
| 失敗例 | 起きること | 人が確かめる場所 |
|---|---|---|
| APIキーを CLAUDE.md に書いた | 共有・公開と同時に鍵が出る | 月1回の読み直しで、値らしい文字列が無いか見る |
| 何でも書き足して長くなった | 肝心のルールが守られなくなる | 同じ趣旨の行が2つ以上ないか |
| 上と下の階層に同じルールを書いた | 片方だけ直り、食い違う | 共通のルールが一番上にだけあるか |
| 進捗を CLAUDE.md に書いた | 古い状態を前提にAIが動く | 日付の入った状態の記述が無いか。あれば docs/ へ |
| ルールに理由が無い | 消してよいか誰も判断できない | 各ルールに理由か経緯が1行あるか |
なお、CLAUDE.md に書いてもAIが必ず守るとは限りません。守られなかった箇所は2の手順で書き方を直し、それでも外れる重要な作業(公開・送信・削除など)は、人が最後に確かめる形を残してください。
まとめ
- CLAUDE.md は、Claude Code が作業のたびに読む決めごとのファイル
- 書くのは「概要・構成・ルール・作業の入口」。接続先は別ファイル、秘密値はどこにも書かない
- 当社はフォルダ直下を CLAUDE.md と _env.md だけにし、実値は _secrets/ に分けている
- 共通のことは上の階層、固有のことは下の階層。同じことを2か所に書かない
- AIが同じ間違いを2回したら、会話で直さずに理由つきで1行足す
- 下書きや追記はAIに提案させ、書き換えは人が決める
CLAUDE.md とフォルダの型づくりは、Claude Code導入支援で行っています(導入と型づくりは無料・利用開始後 月5万円〜・税別)。
→ AI活用支援 → Claude Codeとは?中小企業のための完全入門ガイド → プロンプトエンジニアリング入門|AIを使いこなす技術 → 中小企業のAI導入セキュリティリスクと対策 → 教科書 5章 AIへの指示の書き方 → 教科書 9章 AI活用を社内に残す
よくある質問
CLAUDE.mdには何を書けばいいですか
そのフォルダの概要、どこに何があるか、守るルール、よく使う作業の入口の4つです。接続先の一覧は別のファイル(当社では _env.md)に分け、トークンやパスワードなどの秘密値はどちらにも書きません。最初は10行程度で十分です。
最初から完璧なCLAUDE.mdを作る必要がありますか
ありません。AIが同じ間違いをしたときに1行足していく形のほうが、実際に効く中身になります。当社の「返答は必ず日本語で書く」という1行も、作業のまとめが英語に切り替わる事故が繰り返し起きたあとで足したものです。
CLAUDE.mdにAPIキーを書いてもいいですか
書かないでください。CLAUDE.mdは共有される前提のファイルで、書いた内容はAIとの会話にも毎回載ります。実値は別のフォルダや設定ファイルに置き、CLAUDE.mdには「どこにあるか」だけを書きます。


