CHAPTER 08
AI検索(AIO・LLMO)で分かっていることだけ
この章で分かること
- Googleが「する必要がない」と名指ししたもの(llms.txt・チャンク化・AI向けの書き換え・言及探し・構造化データへの過度な注力)
- Search Console の「検索の生成AI設定」と「生成AIパフォーマンスレポート」で、何が測れて何が測れないか
- ChatGPT・Perplexity などについて、観測できること/できないことの線引き
この章の目次(9)
- 1根拠にする公式ドキュメントは2本
- 2Googleが「する必要がない」と名指ししたこと
- 3では何が要るのか
- 4検索の生成AI設定(見落とされる1項目)
- 5測る――生成AIパフォーマンスレポート
- 6ChatGPT・Perplexity など――観測できること/できないこと
- 7クローラーの許可・拒否
- 8よくある間違い5つ
- 9この章の出口
AI検索に出るための特別な最適化は、要りません。Googleが公式ガイドで、そう明記しています。 要るのは2章の土台と6章の書き方、それに Search Console の設定を1つ確認することだけです。 この章は、Googleが公表していることだけを並べ、観測できることとできないことを分け、10項目の点検リストで合否を出すための章です。
この章で分かること
- Googleが「する必要がない」と名指ししたもの(llms.txt・チャンク化・AI向けの書き換え・言及探し・構造化データへの過度な注力)
- Search Console の「検索の生成AI設定」と「生成AIパフォーマンスレポート」で、何が測れて何が測れないか
- ChatGPT・Perplexity などについて、観測できること/できないことの線引き
この章だけは、書けることが極端に少ない領域です。そのぶん、書いてあることはすべて出典か、自分の手で確かめられる手順です。
根拠にする公式ドキュメントは2本
| ドキュメント | 何が書いてあるか | 日本語版の最終更新 |
|---|---|---|
| AI 機能とウェブサイト | AIによる概要・AIモードの仕組みと、表示されるための技術要件 | 2025-12-31 |
| Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する | ベストプラクティスと、「する必要のないこと」 | 2026-07-14(英語版は2026-07-10) |
1本目の冒頭にこうあります。「AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。」 2本目には、AEO・GEO という言葉について「Google 検索の観点から見ると、生成 AI 検索向けに最適化することは検索エクスペリエンス向けに最適化することであり、SEO の範疇にあります」と書かれています。
Googleが「する必要がない」と名指ししたこと
2本目のガイドに「生成 AI 検索の誤解を解く: する必要のないこと」という節があり、5つが挙げられています。
| する必要がないこと | Googleの記述(要旨) |
|---|---|
| llms.txt などの特別なファイル・マークアップ | 新たに機械可読ファイル、AIテキストファイル、マークアップ、マークダウンを作る必要はない。Google 検索自体がそれらを使用しない。作って維持しても構わないが、Google 検索では無視されるため、表示やランキングに影響しない |
| コンテンツの「チャンク化」 | AIのために細かく分割する必要はない。理想的なページ長というものはない |
| AIシステム向けの書き換え | 生成AI検索向けの書き方をする必要はない。AIは類義語や一般的な意味を理解する |
| 不正確な「言及」探し | ウェブ全体で不正確な言及を探すことは、一見役立ちそうだが実際にはそれほど役に立たない |
| 構造化データへの過度な注力 | 生成AI検索に構造化データは必須ではない。ただしリッチリザルトの対象になるため、SEO戦略の一部としては引き続き推奨 |
当社は llms.txt を置いています。 理由は、llms.txt を読む他のサービスのためと、会社の要点を1ファイルにまとめる作業そのものが社内の整理になるからです。Google検索での効果は主張しません。 Googleが無視すると明記している以上、効果として報告すれば嘘になります。
同じガイドには「ランキングの成功を約束したり、Google の『内部』指標を使用していると主張したりするサードパーティ製のツールには注意してください」とも書かれています。AIO・LLMOを名乗る商品を評価する基準に、そのまま使えます。
では何が要るのか
同じガイドの「重視すべきこと」を、点検できる形に置き換えたものです。
| Googleが挙げていること | 自分で確かめる形 | どの章 |
|---|---|---|
| インデックスされ、スニペットが出せる | 2章の工程2が○/nosnippet・noindex を誤って入れていない |
2章 |
| Search Console の生成AI機能にサイトが含まれている | 設定画面で「含める」を目視した | この章 |
| クロールが robots.txt・CDN・ホスティングで塞がれていない | /robots.txt が200/本番で取得できる |
2章 |
| 独自性のある、コモディティでないコンテンツ | 事例・数字・画面・写真のどれかが1つ以上ある | 6章 |
| 重要な内容がテキストで存在し、内部リンクで見つかる | 画像の中だけの情報が無い/3クリック以内 | 5章・6章 |
| 重複が少なく、構造化データが画面と一致している | canonical が自分自身/不一致0 | 2章 |
| ビジネスプロフィールの情報が最新 | 営業時間・住所・電話が最新 | 9章 |
新しい作業は2行目だけです。 残りはすべて、他の章ですでにやったことです。
検索の生成AI設定(見落とされる1項目)
2026年に Search Console に追加された設定です(検索の生成 AI 設定)。
- 場所:Search Console →「設定」→「検索の生成 AI」
- 既定は「含める」。プロパティは、設定を変更した最も近い親プロパティから値を継承します
- 「除外する」にすると、生成AI機能にリンクもコンテンツも表示されません。Googleは「これらの機能を通じて、インプレッションやトラフィックが発生することはありません」と書いています
- この設定は、Google検索の他の部分のランキングや掲載可否のシグナルには使われない、と明記されています
- AIのトレーニングには影響しません。 トレーニングを制限するのは
Google-Extendedです
合格ライン:設定画面を開き、「含める」になっていることを目視した(日付を控える)。プロパティを分けている場合は、親の設定を継いでいないかも見ます。
測る――生成AIパフォーマンスレポート
生成 AI パフォーマンス レポート(検索)は、2026年8月31日付で世界中のすべてのウェブサイトにリリースされました。含まれるのは「AIによる概要」と「AIモード」です。
| 測れる | 測れない |
|---|---|
| 生成AI機能での表示回数(サイトへのリンクが表示された回数) | どの語で出たか(クエリのディメンションが無い) |
| ページ・国・デバイス・日付での内訳 | 生成AI機能だけのクリック数・CTR・掲載順位 |
| 日別の推移(最新は暫定値で、点線で表示される) | AIの回答に何と書かれたか |
クエリが無いことが、このレポートの限界です。 語を知りたいなら通常の検索パフォーマンスレポートを見ます。Googleは、AIによる概要とAIモードのリンククリックは通常のレポートに1クリックとして計上されると公表しており(レポートのデータ)、このレポートのデータも「パフォーマンス レポート(検索結果)のウェブ検索タイプ」からのものだと説明しています。AI検索の流入は、別枠ではなく通常の数字の中に混ざっています。
レポートが出ない理由は3つと公表されています。段階的リリースでまだアクセスできない/十分な表示回数がない/生成AI機能から除外している。 3つ目なら、1つ前の節に戻ります。合格ライン:レポートを開いた。出ないなら理由を3つのどれかで説明できる。
ChatGPT・Perplexity など――観測できること/できないこと
Google以外は公式の表示回数レポートを出していません。そのため測るのではなく、観測することになります。
| 観測できること | 方法 | 合格ライン |
|---|---|---|
| どのクローラーが自社サイトに来たか | サーバーのアクセスログをユーザーエージェントで数える | 月1回、UAごとの件数を控える |
| AIサービスからの流入 | GA4の参照元(chatgpt.com・perplexity.ai など) |
0か1以上かが言える |
| 自分で聞いたときの答え | 質問文を固定して実際に聞き、引用元にURLが出るか見る | 月1回・同じ3問・日付つきで記録がある |
| 観測できないこと | 理由 |
|---|---|
| 何回引用されたか | 各社が表示回数のレポートを出していない |
| どの語で引用されたか | 同上 |
| 誰が聞いても同じ答えが返るか | モデルと文脈で変わる。1回聞いた結果を「出る/出ない」の結論にしない |
だから、この領域の合格ラインは順位のような指標にしません。「月1回、決めた3問を同じ文面で聞いて、日付つきで記録を残している」という運用の形にします。記録が3ヶ月分たまって、はじめて傾向の話ができます。
クローラーの許可・拒否
判断の軸は1つだけです。学習に使われたくないのか、回答に出たくないのか。 用途は各社が公表しています。
| robots.txt のトークン | 提供元 | 公表されている用途 |
|---|---|---|
Googlebot |
検索のクロール。AI機能はここに含まれ、AI機能だけの制御は無い | |
Google-Extended |
Geminiのトレーニングとグラウンディング。検索の登録やランキングには影響しない | |
GPTBot |
OpenAI | 生成AI基盤モデルのため |
OAI-SearchBot |
OpenAI | ChatGPTの検索機能で表示させるため。拒否すると検索の回答に出ない |
ChatGPT-User |
OpenAI | ユーザーの操作で取りに来る |
PerplexityBot |
Perplexity | 検索結果に表示させるため。基盤モデルの学習用ではない |
Perplexity-User |
Perplexity | ユーザーの質問に答えるための取得。robots.txt を一般に無視する |
出典:Google のクローラー一覧/OpenAI の bots/Perplexity の bots。Anthropic の ClaudeBot はヘルプ記事にブロック方法が案内されています。
出たいなら、検索用(OAI-SearchBot・PerplexityBot)は許可します。 学習に使われたくないだけなら、拒否するのは GPTBot・Google-Extended です。混同して全部を塞ぐと、出したいのに出ない状態になります。
当社の robots.txt は /admin/ と /api/ だけを Disallow し、AIクローラーを12個、UAごとに明示的に許可しています。明示の許可が無いと保守的に振る舞うクローラーがあるためで、誰でも開いて確認できます。
よくある間違い5つ
1. llms.txt を置いて、対策した気になる Google検索では無視されます。直し方:2章の土台と6章の一次情報に時間を戻す。置くのは自由ですが、効果の報告には書きません。
2. AIO専用の書き方に直そうとする 短い断定文に切り刻む、見出しを質問形にそろえる、といった作業です。Googleは「書き換える必要はない」「理想的なページ長というものはない」と書いています。直し方:読者に向けて書く。結論を先に置くのは6章と同じ理由(人が読むため)です。
3. 1回ChatGPTに聞いて「出た/出ない」を結論にする 答えは毎回変わります。直し方:質問文を固定し、月1回・日付つきで記録する。3ヶ月分たまるまで結論を出しません。
4. AIクローラーを全部拒否したまま「AI検索に出ない」と言う
直し方:/robots.txt を開き、検索用と学習用を分けて決め直します。
5. 生成AIパフォーマンスレポートでクエリを探す ありません。直し方:ページ・国・デバイス・日付の4つで見る。語もクリックも、通常の検索パフォーマンスの側にあります。
この章の出口
手元に残っているべきものは3つです。
- 10項目の○×(日付入り。3番の設定画面を見た日を必ず控える)
- AIクローラーの許可・拒否を、なぜそう決めたかの1行
- 月1回の質問3つと、その記録を書く場所
当社のAIO・LLMO対策は、初回相談と現状調査・診断が無料、戦略設計が30万円から、実装・コンテンツ制作と継続運用が月30万円から(税別)です。ただし、この章の10項目が○の会社に、AIOとして追加でやることはほとんど残りません。 残るのは6章の一次情報を増やす作業で、それはSEOと同じ仕事です。
次は地図枠です。こちらは、サイトを直しても動きません。
この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)
点検リスト:AI検索への備え(10項目)
| # | チェック項目 | 合格ライン |
|---|---|---|
| 1 | 通常の検索でインデックスされている | 2章の工程2が○ |
| 2 | スニペットを禁止する設定を誤って入れていない | nosnippet・data-nosnippet・max-snippet・noindex を意図せず入れていない |
| 3 | Search Console の「検索の生成AI設定」が「含める」 | 設定画面で目視した(日付を控えた) |
| 4 | クロールが塞がれていない(CDN・ホスティング側も) | /robots.txt が200/本番で取得できる |
| 5 | AIクローラーの許可・拒否を意図して決めた | 学習用と検索用を分け、理由を1行で書いた |
| 6 | 構造化データが画面の表示と一致している | エラー0/不一致0 |
| 7 | 会社の実体が1か所で確定している | Organization に社名・所在地・法人番号・代表者 |
| 8 | 会社概要・料金・実績が1ページにまとまっている | ある(人が読んで分かる形) |
| 9 | 生成AIパフォーマンスレポートを開いた | 開いた/出ないなら理由を3つのどれかで説明できる |
| 10 | AI検索での見え方を月1回、同じ質問で記録している | 3問・日付つきの記録がある |
合格ライン=10項目中8つ以上。ただし 1・2・3 は必須です(この3つが×なら、他に何をしても生成AI機能には表示されません)。
更新日 2018年10月20日
