株式会社COTSUBU

CHAPTER 09

MEO対策とGoogleビジネスプロフィール

この章で分かること

  • 地図枠と通常の検索の違い、Googleが公表している3要素と、その中で動かせるもの
  • ビジネスプロフィールを埋める順番と、その場で○×が付く合格ライン
  • 名称・住所でプロフィールが停止される具体例、口コミで禁止されている行為、複数拠点の作り方
この章の目次(8)
  1. 1MEOとSEOは別の作業
  2. 2埋める順番
  3. 3名称と住所――停止されるのはここ
  4. 4NAP(名称・住所・電話)の統一
  5. 5口コミ――やってよいこと・禁止されていること
  6. 6写真・投稿・複数拠点
  7. 7よくある間違い5つ
  8. 8この章の出口

来店のある事業では、検索結果の一番上に地図枠が出ます。ここはサイトを直しても動きません。 動かすのは Googleビジネスプロフィールです。 Googleが公表しているローカル検索の要素は3つだけ、関連性・距離・知名度です。距離は動かせないので、やることは関連性(情報を埋めきる)と知名度(口コミと言及)に絞られます。 この章は、埋める順番を決め、NAPの統一と「やってはいけないこと」を具体で並べ、12項目の点検リストで合否を出すための章です。

この章で分かること

  • 地図枠と通常の検索の違い、Googleが公表している3要素と、その中で動かせるもの
  • ビジネスプロフィールを埋める順番と、その場で○×が付く合格ライン
  • 名称・住所でプロフィールが停止される具体例、口コミで禁止されている行為、複数拠点の作り方

前提が1つあります。 Googleビジネスプロフィールは実店舗、または対面で対応する事業が対象です。訪問型なら「サービス提供地域」として登録できる場合がありますが、店舗も訪問も無い会社は対象外です。その場合、この章は読まなくて構いません。

MEOとSEOは別の作業

この2つを分けて扱う理由は、直す場所も、効くまでの時間も、数える道具も違うからです。同じ「検索対策」という言葉でくくると、サイトを直したのに地図枠が動かない、という当たり前のことが不思議に見えてきます。来店のある事業では、検索した人が最初に目にするのは地図枠のほうです。そこに自社が出ていないなら、サイトをどれだけ整えても、その人の視界には入っていません。

地図枠のほうが先に効くことも、覚えておく価値があります。通常の検索で順位が動くには数ヶ月かかりますが、プロフィールの空欄を埋める作業は、その日のうちに反映されて数週間で表示のされ方が変わることがあります。費用もかかりません。来店型の事業で、SEOに予算を使う前にここを埋めきっていない会社は、いちばん安い手を残したまま高い手に進んでいることになります。

ただし、動きが速いということは、放置したときの劣化も速いということです。営業時間が古いまま、電話番号が旧番号のまま、写真が5年前のまま——こうした状態は、サイトの情報が古いより直接的に来店を減らします。地図枠を見た人は、そのまま電話をかけるか、経路を調べて向かうからです。

ローカル検索(地図枠) 通常の検索
出るもの ビジネスプロフィール サイトのページ
直す場所 Googleビジネスプロフィールの管理画面 サイト
公表されている要素 関連性・距離・知名度 公表されていない(1章)
動き出す速さ 情報を埋めるだけで動くことがある 数ヶ月
数える道具 プロフィールのパフォーマンス(電話・経路検索・サイトクリック) Search Console・GA4
対象 実店舗または対面で対応する事業 制限なし

3要素はGoogleがローカル検索結果のランキングを改善するヒントで公表しています。関連性は検索語句とプロフィールが合致する度合い、距離は検索した人からの距離、知名度はビジネスがどれだけ広く知られているかで、Googleは知名度について「ビジネスにリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数などの情報にも基づいています」と書いています。

距離は動かせません。 だから作業は関連性と知名度に絞られ、そのうち今日できるのは関連性(情報を埋めきる)です。同じページには「Google では、ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません」とも明記されています。順位を保証する提案は、ここでも成立しません。

知名度の一部(サイトからのリンク・言及)はサイト側の仕事と重なります。ただし別の作業なので、片方をやって両方やったつもりにしないでください。

埋める順番

上から順に埋めます。1と2を間違えると、後から全部やり直しになります。

# 工程 合格ライン
1 オーナー確認 状態が「確認済み」
2 名称 看板・請求書と同じ文字列。語を足していない
3 カテゴリ 中心事業を示す最も具体的なメインカテゴリ1つ+必要な分だけ追加
4 住所/サービス提供地域 営業時間中に人がいる実在の住所
5 電話・ウェブサイト 拠点に直接つながる番号/その拠点のページのURL
6 営業時間・特別営業時間 直近3ヶ月の祝日が入っている
7 説明・属性・サービス/商品 空欄が0
8 写真 自分で決めた枚数に達している(後述)

この表は、上から順に潰す作業表です。並び順に意味があります。1のオーナー確認が済んでいないと、そもそも何も編集できません。2の名称を後から直すと、名刺・看板・他の掲載先との突き合わせを全部やり直すことになります。逆に、6以降は後からいくらでも足せるので、先に手を付ける理由がありません。

全部を今日埋める必要もありません。1から5までを1日で終わらせて、6から8は翌週以降に回す、という進め方で構いません。ただし途中で止めるなら、止めた行を記録しておいてください。空欄のまま放置されたプロフィールは、何が埋まっていて何が埋まっていないのかを、次に触る人が最初から調べ直すことになります。

3のカテゴリは、Googleの説明がそのまま判断基準になります。 「事業に何が含まれるか」ではなく「事業が何であるか」で選びます。具体的なカテゴリを1つ選べば、一般的なカテゴリはGoogle側で補われるので、重複しそうなものを自分で足す必要はありません。例として、プール付きのモーテルは「Motel」であって「水泳プール」ではない、宅配と持ち帰りだけのピザ店は「宅配ピザ」「持ち帰り用ピザ」であって「テイクアウト」ではない、とガイドラインに書かれています。

名称と住所――停止されるのはここ

ビジネス情報に関するガイドラインに、ビジネス名に入れられないものが例つきで並んでいます。含めるとプロフィールが停止される場合があると明記されています。

入れられないもの 不可の例 可の例
マーケティングのうたい文句 ABC銀行 日本一便利な銀行 ABC銀行
店舗コード UPS ストア - 2872 UPS ストア
商標・登録商標のマーク バーガーキング® バーガーキング
すべて大文字の単語 SUBWAY Subway
営業時間の情報 ベストピザ 24時間営業 ベストピザ
電話番号・URL エアポート ダイレクト 0120-123-1111 エアポート ダイレクト
サービス・商品の情報 ベライゾン ワイヤレス 4G LTE ベライゾン ワイヤレス
所在地の説明 神田駅前のABCスポーツジム ABCスポーツジム神田
出店先の情報 グーズバー - 銀座三越 グーズバー
2言語表記の繰り返し Kafiex / カフィエクス Kafiex

この表の使い方は単純です。自社のプロフィールに登録してある名称を紙に書き出し、10行の「不可の例」と1行ずつ見比べてください。1つでも当たれば、その場で直します。判断に迷う書き方は、たいてい当たっています。迷うということは、看板そのままではない何かを足している、ということだからです。

「地域名+業種」を名称に足すのは、この表のどれかに当たります。 実際の看板がそうなっているなら使えますが、集客のために足すのは違反です。ここが、MEOで最もよく見る違反です。

たとえば、整骨院のプロフィールの名称に、地域名と施術名が足してあったとします。数年前に頼んだ業者がそう登録していて、院の側は経緯を知らない。ある日プロフィールが停止され、地図枠から完全に消える。来院の大半が地図経由の院なら、予約は目に見えて減ります。

復旧には、名称を看板どおりに戻して再審査を申請し、通るまでの期間がかかります。その間の機会損失は、名称に語を足して得ていた効果を上回りかねません。しかも当人には、何が違反だったのかの心当たりすらない、ということが起こります。他人に登録を任せた場合でも、停止されるのは自社のプロフィールです。この表を一度自分の目で見比べておく価値は、そこにあります。

迷ったときの決め方は、看板を写真に撮って、その文字列と1文字ずつ照らすことです。看板に書いていない語が名称に入っているなら、それは足した語です。「実店舗の看板がこうなっている」と説明できる状態だけが、安全な状態です。

住所側の決まりも具体です。

  • 郵送先住所を借りていて、そこで実際にサービスを提供していない(バーチャルオフィス)は利用できません
  • コワーキングスペースは、分かりやすい看板が常設され、営業時間中に顧客対応できるスタッフが常駐している場合を除き登録できません
  • 住所の行にURLやキーワードを入れません
  • 1つのビジネスにプロフィールは1つ。 同じ拠点に複数のページを作りません(拠点が違えば、拠点ごとに1つ)
  • 非店舗型(顧客の所在地でサービスを提供する)は住所を非表示にし、サービス提供地域を指定します。提供地域は拠点から車で2時間以内が目安と書かれています
  • Googleに住所を掲載するなら、その住所にビジネス名の掲示を常設する必要があります

NAP(名称・住所・電話)の統一

Googleが「NAPを統一せよ」と書いているわけではありません。 書いてあるのは「ビジネス情報の内容が充実していて正確なほど、ローカル検索結果に表示される可能性が高くなります」ということだけです。統一は、その正確さを自分で保つための作業で、合格ラインは自分で作ります。

やり方は、表記の型を1つ決めて、置き場所を全部書き出し、1行ずつ突き合わせるだけです。

突き合わせる場所 見るところ
Googleビジネスプロフィール 名称・住所・電話
サイトのフッター 同上
会社概要・店舗ページ 同上
構造化データ(LocalBusiness / Organization) name・address・telephone。画面の表示と一致していること(2章)
名刺・請求書・看板 名称(ビジネス名ガイドラインの根拠になる)
地図サービス・業界団体・ポータルの掲載 名称・住所・電話

表記の型で決めること:丁目と番地の書き方(1-2-3 か 一丁目2番3号 か)、ビル名と階の有無、電話番号のハイフン、「株式会社」の位置。どれが正しいかではなく、全部同じにすることが目的です。 決めた型を1枚のメモにして、新しい掲載先が増えるたびにそこから写します。

合格ライン:突き合わせ表を作り、×が0になっている。

口コミ――やってよいこと・禁止されていること

マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーに、販売者がやってよいこと・禁止されていることが明記されています。

やってよい 禁止されている
実体験に基づく投稿を募る・促す 金銭・割引・無料の商品やサービスと引き換えに口コミを求める
口コミに返信する 否定的な口コミの修正・削除と引き換えにインセンティブを出す
依頼用のQRコードやリンクを渡す 否定的な口コミを妨げる/肯定的な口コミだけを選んで募る
その場で書くことを要求・強要する/特定の内容を含めるよう依頼する
スタッフに一定数の口コミを集めるよう要求する
利益相反(従業員・家族・取引先など)に基づく投稿
競合の評判を傷つけるコンテンツの投稿

この表は、口コミの施策を始める前に、スタッフ全員で1回読んでください。禁止されている行為の多くは、悪意ではなく善意から起こります。喜んでいたお客さまにその場で書いてもらう、良い反応をくれた人にだけ声をかける、スタッフに目標件数を割り当てる——どれも、集客を頑張ろうとした結果として自然に出てくる発想で、そして全部が右の列に載っています。

左右を分ける線は1本だけです。投稿する人の判断を、こちらが歪めていないか。依頼して思い出してもらうのは歪めていません。対価を渡す、その場で書かせる、内容を指定する、良い評価の人だけに頼む——これらは歪めています。この1本の線を共有しておけば、表に書かれていない新しい場面でも判断できます。

「依頼してよい」と「インセンティブを付けてよい」の間に線があります。 依頼は可、対価は不可です。当社もMEOの支援でこの線を守り、依頼のしかたとQRコードは用意しますが、金銭や割引と引き換える方法は取りません(/services/meo のFAQに同じことを書いています)。

悪い口コミは削除できません。 できるのは、ポリシー違反や事実誤認の報告と、返信での対応です。返信は型を決めておきます。①事実を確認したと書く ②こちらに非がある点は認める ③事実が違う点は感情を入れずに訂正する ④直したこと・これからやることを書く。返信は投稿者にではなく、それを読む次の人に向けて書きます。

写真・投稿・複数拠点

写真の枚数について、Googleは基準を公表していません。 だから合格ラインは自分で決めて数えます。外観1枚・内観3枚・スタッフ1枚・商品やサービス5枚、追加は月2〜3枚、のように決めて、達しているかを○×で見ます。当社のMEOの記事では月2〜3枚の追加を目安にしています。

投稿が順位を上げるという公表もありません。 投稿は「見た人に伝える枠」として使います。判定するのは投稿の本数ではなく、プロフィールのパフォーマンスに出る電話・経路検索・サイトクリックの件数です。

複数拠点は、拠点ごとに1プロフィール・1ページです。 サイト側は5章の構造の話とつながります。

作るもの 合格ライン
拠点ごとのページ 1拠点1URL。名称・住所・電話・営業時間・地図・行き方を載せる
拠点一覧のハブページ 全拠点へ1クリックで行ける
LocalBusiness の構造化データ エラー0/画面の表示と一致
予約・電話の導線 スマホで1タップ

プロフィールの「ウェブサイト」欄は、その拠点のページを指します。 全拠点をトップページに向けると、来た人がどの店の情報か分からず、地図から来た流入を自分で捨てることになります。重複したプロフィールが見つかったら統合します。

よくある間違い5つ

1. 名称に地域名や業種を足す ガイドライン違反で、停止されることがあります。直し方:看板どおりの名称に戻す。地域は住所・サービス提供地域・カテゴリで表します。順位のために名称を触らない、が原則です。

2. 口コミを割引やノベルティと引き換えに集める 禁止されており、削除の対象です。直し方:実体験の投稿を「促す」までにとどめる。QRコードやリンクを渡すのは問題ありません。

3. バーチャルオフィスや無人のレンタルスペースで登録する 利用できません。直し方:常駐できる拠点で登録するか、非店舗型として住所を非表示にし、サービス提供地域を指定します。

4. ウェブサイト欄を全拠点でトップページにする どの拠点の情報か分からないまま着地します。直し方:1拠点1URLにして、そのページに拠点のNAPと地図を載せます。

5. 投稿の本数を目標にする 順位が上がるという公表はありません。直し方:目標を電話件数と経路検索数に変える。3章で決めた「順位ではなく件数」と同じ考え方です。

この章の出口

手元に残っているべきものは3つです。

  1. 12項目の○×(日付入り)
  2. NAPの表記の型を書いた1枚と、突き合わせ先の一覧
  3. 先月の電話・経路検索・サイトクリックの件数

当社のMEO対策は、初回相談・現状の確認・1店舗目の初期整備が無料、運用代行が月10万円から、2店舗目以降が月5万円/店舗からです(税別)。初期整備を無料にしているのは、情報を埋めるところまでは自社でできる作業だからです。続ける手が足りないときだけ、運用を外に出してください。

次は、外部リンクと評判の話です。この章の「知名度」を、サイト側から増やす作業にあたります。

次の章へ:10章 SEOの被リンク|集め方とリンクスパムの境目

この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)

点検リスト:ローカル検索(12項目)

# チェック項目 合格ライン
1 オーナー確認が済んでいる 状態が「確認済み」
2 名称が看板・請求書と一致し、語を足していない ガイドラインの「不可の例」に1つも当たらない
3 メインカテゴリが中心事業を示す最も具体的なものになっている 1つに決まっている
4 住所が実在し、営業時間中に人がいる バーチャルオフィス・無人のレンタルスペースではない
5 電話が拠点に直接つながる 代表番号だけになっていない
6 ウェブサイト欄が拠点ごとのページを指している 拠点ページのURL
7 営業時間と特別営業時間が最新 直近3ヶ月の祝日が入っている
8 説明・属性・サービス/商品に空欄が無い 空欄0
9 写真の枚数と更新頻度を自分で決めて数えている 決めた枚数に達している
10 NAPが全部の置き場所で同じ表記になっている 突き合わせ表で×0
11 直近の口コミに返信している 未返信0/インセンティブを出していない
12 電話・経路検索・サイトクリックを月次で控えている 先月の3つの数字が言える

合格ライン=12項目中10以上。ただし 1・2・4・10 は必須です(1が×なら何も編集できず、2と4が×なら停止される可能性があり、10が×なら情報の正確さが保てません)。

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更新日 2018年10月20日