株式会社COTSUBU

CHAPTER 10

SEOの被リンク|集め方とリンクスパムの境目

この章で分かること

  • Googleが「リンクスパム」と定義している行為の中身と、広告リンクを違反にしない `rel` 属性の書き方
  • 被リンク営業・相互リンク依頼への断り方と、自然に集まる作り方(一次情報・道具・データ)
  • 悪いリンクを受けたときに原則何もしなくてよい理由と、例外的に否認ツールを使う2つの条件
この章の目次(9)
  1. 1前提:リンクは仕組みの1つであって、目標ではない
  2. 2やってはいけないこと(Googleの定義そのまま)
  3. 3広告のリンクは、消さずに `rel` で正しく書く
  4. 4被リンク営業・相互リンク依頼への対処
  5. 5自然に集まる作り方は、3種類しかない
  6. 6口コミ・レビューの扱い(法律も絡む)
  7. 7悪いリンクを受けたとき:原則、何もしない
  8. 8よくある間違い5つ
  9. 9この章の出口

外部リンクは、集めるものではなく、集まるものです。順位を上げる目的で作りにいった瞬間、それはGoogleがスパムポリシーで定義している「リンクスパム」そのものになります。 だからこの章でやることは2つだけです。買わない・交換しない(違反を踏まない)と、引用される材料を置く(勝手に集まる状態にする)。 この章は、リンク営業への断り方、口コミの扱い、そして否認ツールを使うべきでない理由まで含めて、8項目の点検リストで外部リンクまわりの安全を確認するための章です。

この章で分かること

  • Googleが「リンクスパム」と定義している行為の中身と、広告リンクを違反にしない rel 属性の書き方
  • 被リンク営業・相互リンク依頼への断り方と、自然に集まる作り方(一次情報・道具・データ)
  • 悪いリンクを受けたときに原則何もしなくてよい理由と、例外的に否認ツールを使う2つの条件

前提:リンクは仕組みの1つであって、目標ではない

Googleは、ランキングを決めている仕組みの一覧にリンク解析システムとPageRankを挙げています(ランキング システムのガイド。1章と同じ出典です)。使われていること自体は公表されています。

公表されていないのは、どれくらいの重みで使われているかです。 だから「被リンクを100本増やせば◯位上がる」とは誰も言えません。第三者ツールの「ドメインパワー」も推定値で、Googleの指標ではありません(1章)。それを上げること自体を目標にすると、目標がGoogleの外側に行きます。

代わりに目標へ置くのは、次の2つです。どちらも自分で数えられます。

目標にしてよいもの 数え方
リンク元サイトの数 Search Console → リンク → 外部リンク(リンクレポート)
社名・サービス名での指名検索の表示回数 検索パフォーマンス → クエリを社名で「次を含む」に絞る(3章の「指名/非指名」の分け方)

指名検索が増えれば、順位を争う必要がありません。 社名で検索されれば、ほぼ確実に自社が1位に出るうえ、問い合わせに最も近い流入だからです。合格ラインは「前年同月より減っていないこと」。

やってはいけないこと(Googleの定義そのまま)

Googleはスパムポリシーのリンクスパムの項で、リンクスパムを「検索ランキングを操作することを主な目的として、サイトへのリンクやサイトからのリンクを作成する行為」と定義しています。判定の軸は、本数でも相手サイトの質でもなく、主な目的が順位の操作かどうかです。

同じページに例が並んでいます。営業として来やすいものだけ抜き出します。

Googleが挙げている例 現場で来る誘い文句
ランキングを上げることを目的としたリンクの売買(金銭・物品・サービスのやり取りを含む) 「月◯万円で被リンクを◯本」
商品について記載しリンクしてもらうのと引き換えに、その商品を送る 「サンプルを無料で送ります。紹介記事にリンクを1本」
過剰な相互リンク、相互リンクのみを目的としたパートナーページの作成 「相互リンクしませんか」
自動化されたプログラムやサービスを使ってリンクを作る 「独自のネットワークから自動で送ります」
ランキング クレジットをブロックしないテキスト広告・テキストリンク 「純広告のバナーとテキストリンクを掲載」
作為的なアンカーテキストのリンクに支払いが発生する記事広告 「メディア掲載枠。キーワードでリンクを入れられます」
広く配布されるウィジェット・フッター・テンプレートのリンク 「制作会社のフッターから全顧客サイトのリンクを」
リンクとランキング シグナルの操作を主目的とした、価値の低いコンテンツの作成 「被リンク用のサテライトサイトを作ります」

同じページのサイトの評判に関するポリシーも押さえてください。ホストサイトが自力で獲得したランキング シグナルを利用することを主な目的として、そのサイトに第三者のコンテンツを公開する行為が対象です。強いメディアの一区画を借りて自社の商材ページを置く売り方が、これに当たりえます。第三者コンテンツを使うこと自体は違反ではなく、「ホストの評価を使うことが主目的か」が線です。

「独自の被リンクネットワークがあります」と言われたら、上の表の4行目と8行目に当たらないかを聞いてください。

広告のリンクは、消さずに rel で正しく書く

「広告リンクは全部だめ」ではありません。Googleは同じページで、広告やスポンサー活動としてのリンクの売買はウェブ上の通常の経済活動であり、rel="nofollow" または rel="sponsored" を <a> タグに設定している限りポリシー違反にはならないと明記しています。書き方はアウトバウンド リンクの関係性を伝えるにあります。

値 使う場面
rel="sponsored" 広告・有料掲載(有料リンク)。現在の推奨
rel="ugc" コメント・フォーラム投稿など、ユーザーが書いた部分のリンク
rel="nofollow" 他に適切な値がなく、そのリンクと自社を関連付けたくない場合
なし 無条件にたどってよい通常のリンク

複数の値は併記できます(rel="ugc nofollow")。nofollow は有料リンクにも今なお使えますが、推奨は sponsored です。お金を払って掲載されるものは、掲載側に sponsored を入れてもらう。入れられない掲載は、リンク目的では買わない。 それだけです。

被リンク営業・相互リンク依頼への対処

GoogleもSEO業者の利用を検討するのページで、不審なメールを送ってくるSEO業者・代理店に注意するよう書いています。同じページには「リンクのトラフィック対策、何千もの検索エンジンへのサイトの登録申請などによる効果を宣伝している業者は避けてください」ともあります。

来るものは3種類です。対処を先に決めておき、担当者が毎回悩まないようにします。

来るもの 見分け方 対処
被リンク販売 「高品質な被リンクを◯本」「ドメインパワー◯◯以上から」 返信しない(社内で「買わない」と決めておく)
相互リンク依頼 「リンク集に掲載しました。貴社からもお願いします」 断る。ただしリンクに実体があるものは別(後述)
記事掲載・寄稿の営業 「無料で貴社を紹介します」(実際は相手のリンクを自社に置く目的) 掲載内容と、自社サイトに置かされるリンクを確認する

断り方は1文で足ります。「当社は順位を目的とした相互リンク・有料リンクを行わない方針です」。 理由の説明も交渉も要りません。

一方、断ってはいけないものがあります。実際に取引のある会社の「お取引先一覧」、業界団体・自治体の会員一覧、導入事例として紹介されること、登壇した勉強会のイベントページ。これらは順位目的で作ったリンクではなく、事実の記載です。 遠慮する必要はありません。

自然に集まる作り方は、3種類しかない

「良い記事を書けばリンクされる」は半分しか正しくありません。リンクされるのは「読んで良かった記事」ではなく、「他の人が自分の文章の中で参照する必要がある記事」です。

種類 中身 手間 リンクのされ方
一次情報 自社でしか出せない事例・数字・現場の写真・失敗談。実際の見積の内訳、工期の実績、導入前後の件数 業務の記録を出すだけ(新たな調査は不要) 「◯◯社の事例では」と引用される
道具 計算ツール、チェックリスト、テンプレート、料金シミュレーター 1本あたり数日〜 「便利なので紹介します」と貼られる
データ 自社が集計した数字、定点観測、公開されていない相場のまとめ 集計の設計と継続が要る 記事や資料の根拠として引かれる

中小企業に現実に手が届くのは1つめです。 一次情報は新しく作るものではなく、すでに社内にあるものを出す作業だからです(6章の「自社にしか書けない情報」と同じ材料です)。

そのうえで、リンクが生まれる場面は限られています。待っていても起きないので、予定を先に置きます。 取引先の導入事例と共同プレスリリース、業界団体・自治体・商工会の会員一覧、セミナーやカンファレンスの登壇者ページ、求人媒体や大学のキャリアページ。ここまでは自社の意思で入れられます。 他社メディアに引用されることだけは、材料を置いて待つしかありません。

順位のためではなく、すでにやっている事業活動をウェブ上に記録として残すと捉えると、この一覧は自然に埋まります。

口コミ・レビューの扱い(法律も絡む)

口コミは、外部の評判のうち最も制約が明確な領域です。Googleのマップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーは、販売者・ユーザーに対して、実体験に基づかない投稿を募る行為、口コミの投稿や否定的な口コミの修正・削除と引き換えにインセンティブ(金銭・割引・無料の商品やサービスなど)を提供する行為、競合の評判を傷つける投稿を禁止しています。

さらに日本では、広告であることを隠す表示(ステルスマーケティング)が令和5年(2023年)10月1日から景品表示法違反となりました(消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります」)。消費者庁は、規制対象は商品・サービスを供給する事業者(広告主)であり、依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は対象にならないと説明しています。責任は発注した側に来ます。

やってよい やってはいけない
実際に利用した人に投稿をお願いする(内容は指定しない) 投稿と引き換えに割引・粗品・金銭を渡す
会計時やメールで、投稿ページのリンク・QRを案内する 「星5でお願いします」と評価を指定する
届いた口コミにすべて返信する(低評価にも) 低評価の削除・修正と引き換えに何かを提供する
依頼した紹介記事に「広告」「PR」と明示させる 広告であることを隠し、第三者の感想に見せる

低評価は、消すものではなく返信するものです。 返信は投稿者に向けた文章に見えて、読んでいるのはこれから来る見込み客です。事実関係を短く述べ、直したことがあれば書く。それだけで1件の意味が変わります。詳しい運用は9章(ローカル検索)で扱います。

悪いリンクを受けたとき:原則、何もしない

心当たりのないサイトから大量にリンクされている、という相談はよく来ます。結論は「原則、何もしない」です。

Googleは否認ツールのヘルプの冒頭(サイトへのリンクを否認する)で、「ほとんどの場合、Google は詳しい情報を提供されなくても、どのリンクが信頼できるものかを評価することができます。そのため、ほとんどのサイトではこのツールを使う必要はありません」と明記しています。

同じページは、否認が必要なのは次の2つが両方とも当てはまる場合だけとしています。

  1. スパム行為のあるリンク・人為的リンク・品質が低いリンクが数多くある
  2. それが手動による対策の原因になっている、または今後その可能性がある(典型は、過去に自社または依頼したSEO業者が有料リンクを買っていた場合)

否認は「このリンクを無効にしてください」という申告です。誤って正常なリンクを含めれば、自ら評価を捨てることになり、戻すには再アップロードと数週間の再クロールが要ります。リスクだけがあって、得るものがない操作です。 なお否認ツールはドメインプロパティに対応していません(3章で推奨した形です)。この点からも、先に確かめるべきことは1つしかありません。

  1. Search Console →「セキュリティと手動による対策」→ 「手動による対策」を開く
  2. 「問題は検出されませんでした」と出れば、それで終わりです(手動による対策レポート)
  3. 何か出ている場合のみ、該当行為をやめ、リンクの削除を依頼し、それでも消えないものに限って否認と再審査リクエストに進む

月1回、ここを開くだけで足ります。 何も出ていないサイトでリンクの本数を数えるのは、報われない時間の使い方です(1章)。

よくある間違い5つ

1. 被リンクの本数を目標にする 数を追った瞬間に、買う・交換する以外の手がなくなります。Googleの定義では、順位の操作を主な目的としたリンクの作成がリンクスパムです。 → 直し方:目標をリンク元サイトの数と指名検索の表示回数に置き換える。増やす手段は、事例・登壇・プレスリリースという事業活動の側に置きます。

2.「ナチュラルリンクです」という営業を信じる 自然発生に見える形で販売されているものも、対価が発生していれば定義に入ります。判定は見た目ではなく目的と対価です。 → 直し方:「対価は発生しますか」「掲載側に rel="sponsored" を入れてもらえますか」の2つを聞く。入れられない掲載は、リンク目的では買わない。

3. 広告出稿のリンクまで怖がって外す 逆方向の事故です。広告のリンクは rel を付ければ違反になりません。Googleが明記しています。 → 直し方:掲載を止めるのではなく、rel="sponsored" を入れてもらう。 プレスリリース配信、展示会の出展者ページ、業界メディアの純広告はこれで問題ありません。

4. 心当たりのないリンクを見つけて、すぐ否認する 最も多い自傷行為です。Googleは「ほとんどのサイトではこのツールを使う必要はありません」と書いています。 → 直し方:先に「手動による対策」を開く。「問題は検出されませんでした」なら何もしない。否認は、手動対策を受けている/受ける可能性がある場合に限ります。

5. 口コミを集めるために特典を渡す Googleのポリシーで禁止されており、削除の対象です。広告であることを隠す形にすると、景品表示法違反にもなります。 → 直し方:依頼はしてよい、対価は渡さない。 会計時やフォロー連絡で投稿ページを案内し、内容は指定しない。低評価には削除交渉ではなく返信で対応します。

この章の出口

手元に残っているべきものは3つです。

  1. 「買わない・交換しない」という社内の方針(担当者が営業メールに個別対応しなくて済むよう、1行書いてあること)
  2. 手動による対策の確認結果(「問題は検出されませんでした」の画面と、確認した日付)
  3. 事業活動をウェブに残す予定(導入事例・登壇・プレスリリースのうち、今後6ヶ月で1件)

この章に、お金をかけて外注すべきことはほとんどありません。やらないことを決め、すでにやっている事業をウェブ上に記録するだけで合格ラインは満たせます。外部リンクに予算を割く前に、6章(ページの作り方)と7章(既存ページの直し方)に同じ金額を使うほうが、確実に数字が動きます。

ここまでで、自社でできることは出揃いました。次は、どこまでを自社でやり、どこからをお金で買うかを決める番です。

次の章へ:11章 SEO対策の費用相場と見積書の読み方

この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)

点検リスト:外部リンクと評判(8項目)

年1回と、SEOの外注先を変えるときに付けます。 半日もかかりません。

# チェック項目 合格ライン
1 有料リンク・相互リンク集・一括登録を使っていない SEO関連の支出を一覧にして、リンク購入が0件
2 過去に外注で買ったリンクが残っていないか調べた 過去3年の発注書・作業報告を確認し、リンクレポートを見た
3 広告・スポンサー掲載のリンクに rel が付いている 有料掲載に rel="sponsored" または rel="nofollow" が入っている
4 他社サイトの一区画を借りて自社の商材を上位に出していない サブドメイン・サブディレクトリの貸し借りが0件
5 事業活動がウェブ上に記録として残っている 導入事例・パートナー一覧・登壇・プレスリリースのどれかが直近12ヶ月で1件以上
6 口コミを依頼するときに対価を渡していない 依頼の文面に、割引・粗品・評価の指定が入っていない
7 リンク元サイト数と指名検索の表示回数を記録した 前年同月と比べた数字が1枚に書いてある
8 手動による対策の通知が来ていない 「問題は検出されませんでした」と表示される

合格ライン=8項目すべて。ただし 1・4・8 は必須です(この3つは×なら順位が下がる側の話で、点数に関係なく先に直します)。

2の調べ方だけ補足します。Search Console → リンク → 外部リンク →「リンクしているサイト」を上位から見ます。見るのは心当たりの有無ではなく、自社の事業と無関係なサイトが上位に並んでいないかです。並んでいても、8が○なら行動は不要です。

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更新日 2018年10月20日