株式会社COTSUBU

CHAPTER 11

SEO対策の費用相場と見積書の読み方

この章で分かること

  • SEOの仕事を「決める・作る・直す・測る」に分解し、どれを自社でやり、どれを買うかを決める方法
  • 見積書で書いていないことを見抜く読み方と、月額の中身を時間に割り戻す計算
  • 順位保証・成果報酬型の扱いと、契約前に必ず聞く質問(Googleが公表している質問例を含む)
この章の目次(8)
  1. 1SEOの仕事は4つに分かれる
  2. 2見積書は「書いてあること」ではなく「書いていないこと」を読む
  3. 3月額の中身は、時間に割り戻す
  4. 4成果報酬型と順位保証
  5. 5当社の料金(一例として)
  6. 6買うものが変われば、契約前に決めるものが変わる
  7. 7よくある間違い5つ
  8. 8この章の出口

SEOの見積書が比べられないのは、会社ごとに売っているものが違うのに、同じ「SEO対策」という名前が付いているからです。 だから金額を比べる前に、仕事を決める・作る・直す・測るの4つに分解します。分解すると、見積書に書いていない仕事が見えます。そこが後で追加費用になるか、誰もやらないまま放置される部分です。 この章は、4つの分解、見積書の読み方、月額の中身の割り方を並べ、10項目の点検リストで発注してよいかどうかを決め切るための章です。

この章で分かること

  • SEOの仕事を「決める・作る・直す・測る」に分解し、どれを自社でやり、どれを買うかを決める方法
  • 見積書で書いていないことを見抜く読み方と、月額の中身を時間に割り戻す計算
  • 順位保証・成果報酬型の扱いと、契約前に必ず聞く質問(Googleが公表している質問例を含む)

SEOの仕事は4つに分かれる

1本の見積書に見えているものを、先に分解します。この4つは、必要な能力も、外注しやすさも別です。

仕事 中身 自社でできるか 外に出したときに起きること
決める 売りたいものの選定、キーワードの決定、どのページを何本持つか(4章・5章) できる。むしろ社内のほうが強い(営業が言われる言葉を持っている) 業種は分かっても自社の商流は分からず、一般論の語が並ぶ
作る 記事・サービスページの執筆、画像、構造化データ(6章) できる(AI+確認者の体制なら現実的) 一次情報が入らない記事になりやすい。取材の有無で質が決まる
直す サイトの改修、表示速度、URL設計、301、フォーム(2章・5章・7章) 権限と技術による。CMSによっては社内で無理 最も外注に向く。ただし権限を渡さない相手だと毎回待ちが出る
測る Search Console・GA4の設置、月次の数字の読み方(3章) できる。設置は半日、月次は35分(3章・12章) レポートの体裁は整うが、社内に判断力が残らない

「決める」と「測る」は社内に残すのが原則です。 この2つを外に出すと、外注先を変えた瞬間に何も分からなくなります。逆に「直す」は、技術の話で答えが決まっているため(1章の関門1・2)、外に出しても損が出にくい領域です。

そのうえで、選び方は3つです。

進め方 向く会社 費用の中心 失敗のしかた
全部自社 書ける人がいて、サイトを直せる権限がある 人件費のみ 忙しい月に止まり、3ヶ月空く
全部外注 社内に時間がまったく取れない 月額(継続支援) 解約した月に、すべて止まる
混ぜる(決める・測るは社内/作る・直すを外注) 多くの中小企業 月額+社内の月数時間 社内側の担当が決まっていないと、結局止まる

人件費は「無料」ではありません。 担当者の時給(年収 ÷ 1,800時間が目安)× 月の作業時間で、自社でやる場合の金額が出ます。月10時間・時給3,000円なら月3万円です。この数字を出さずに「自社でやるほうが安い」と言うのが、いちばん多い判断の誤りです。

見積書は「書いてあること」ではなく「書いていないこと」を読む

SEOの見積書は、含まれていない作業が事故になります。 次の8つが書面にあるかを見ます。

# 見るところ 書いていないと起きること
1 記事を誰が書くか(社内・外注先・再委託) 取材なしのテンプレ記事が来る。再委託先が変わって品質が落ちる
2 記事の本数と1本あたりの文字数・取材の有無 「コンテンツ制作」だけ書かれ、月1本で終わる
3 サイトを直す作業が含まれるか(提案だけか) 提案書は届くが、誰も直さない。改修は別見積になる
4 構造化データ・表示速度・内部リンクの修正を含むか 技術側が手つかずのまま記事だけ増える(2章が×のまま)
5 月次で何が提出されるか(画面名・項目まで) 順位の一覧だけが届く
6 作った記事・画像・データの所有権 解約時に記事を取り下げると言われる
7 計測(GA4・Search Console)の所有者 外注先のアカウントで作られており、解約で履歴ごと消える
8 最低契約期間・中途解約の条件 6ヶ月・12ヶ月の縛りに後から気づく

6と7は、金額よりも重要です。 記事の権利と計測アカウントが自社になければ、その支払いは資産になりません。「自社のGoogleアカウントで作ってください」と、契約前に一度言えば済む話です。

月額の中身は、時間に割り戻す

「月30万円」は、それだけでは高いとも安いとも言えません。時間に割り戻すと比べられます。

内訳の例 月30万円が意味するもの
記事4本(1本5万円)+改修1件+定例1回 作業の実体がある
記事1本+レポート+定例1回 実作業は月数時間。レポートを買っている状態
レポートのみ 数字はSearch Consoleで自分でも見られる(3章。無料です)

見積書に本数や作業項目が書かれていないときは、「この金額の中で、毎月何に何時間使いますか」と聞きます。答えられない相手は、自分でも把握していません。

同じ質問を、自社にも向けます。月30万円は、社内の担当者1人が月100時間動くのとだいたい同じ金額です(時給3,000円換算)。「その100時間を出せるか」が、外注するかどうかの実質的な判断基準です。

成果報酬型と順位保証

成果報酬型で最初に確認するのは、「成果」の定義です。 定義が「順位」になっているものは避けます。理由は3つあります。

  1. 対象の語を、業者側が選べる。 競合の少ない語(「社名+サービス名」「ほぼ検索されない複合語」)で達成扱いにできる
  2. 順位は計測場所で変わる。 測る場所・端末・履歴で結果が動き、どちらの数字が正かを争うことになる
  3. 成果が出ないときに、手段が過激になりやすい。 報酬がリンクの成果に紐づくと、10章で見たリンクスパムに寄る動機が生まれる

成果を問い合わせ件数で定義するなら、成果報酬型は成立します。その場合は、どの問い合わせを数えるか(既存客からの連絡、営業電話、採用応募を除く)を先に書面にします(3章の受付記録が、そのまま判定の材料になります)。

順位保証については、Googleが公表している注意喚起をそのまま引きます(SEO業者の利用を検討する)。

  • 「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません」
  • サイトの掲載順位を保証すると主張する業者、Googleとの「特別な関係」を強調する業者、Googleへの「優先登録」を宣伝している業者には注意が必要
  • SEO業者が「変更を行うことで、検索結果の最初のページに必ず表示されるようになります」などと言う場合は、他のSEO業者を探してください
  • SEO監査の提案を受けた段階では、Search Console への読み取り権限のみを付与する(この段階では書き込み権限を渡さない)
  • Googleは第三者製のSEOツールを評価・推奨しておらず、それらはGoogleの内部ランキングデータにアクセスできない。「Googleに許容される/承認される」と主張するツールには注意

最後の2つは、あまり知られていません。調査の段階で管理権限をすべて渡す必要はありません。

同じページには、業者に聞く質問の例も載っています。そのうち、そのまま使えるものを挙げます。

  • 過去の作業のサンプルと成功事例をいくつか紹介してもらえるか
  • Google 検索の基本事項(旧・ウェブマスター向けガイドライン)に準拠しているか
  • 期待される結果とその時期、成果はどのように測定するのか
  • 同業種・該当する地域でどのような実績があるか
  • サイトに加えたすべての変更について、内容と理由を伝えてくれるか
  • 推奨事項の裏付けとして、Googleの公式ドキュメントを引用しているか

最後の1つが、実務ではいちばん効きます。「その施策は、Googleのどのページに書いてありますか」と聞いて、URLが出てくるかどうか。出てこない提案は、経験則か、売るための言い方です(この教科書の約束と同じ基準です)。

当社の料金(一例として)

比べる材料が1つも無いと判断できないので、当社の実値を出します。相場ではなく、1社の例です。 すべて税別、金額はサービスページの表記どおりです。

メニュー 金額 出典
初回相談/現状調査・キーワード調査 無料 /services/seo
サイト構成の設計 30万円〜 同上
記事制作 5万円〜/本 同上
継続支援 月30万円〜 同上
初回相談/改善方針の提案 無料 /services/web-improve
現状分析(レポート提出) 20万円〜 同上
改修(部分的な作り直し) 30万円〜 同上
継続的な改善 月5万円〜 同上
AIO・LLMO:戦略設計/実装・継続運用 30万円〜/月30万円〜 /services/aio
内製化:環境整備/伴走支援/実作業を含む伴走 15万円〜/月10万円〜/月30万円〜 /services/inhouse

読み方を3つだけ補足します。

  1. 調べる段階は無料です。 初回相談・現状調査・改善方針の提案までは金額が発生しません。2章・3章の点検を自分で付けてから相談すれば、有料になる範囲は「×が付いた項目だけ」に絞れます
  2. 「分析だけ」で終えられます。 サイト改善は20万円からのレポート提出のみで終了でき、改修は社内や既存の制作会社でやる進め方で構いません(レポートは他社が読んで作業できる粒度で書いています)
  3. 月額の幅は、実作業の量です。 内製化の伴走支援が月10万円から、当社が実作業も引き受ける形が月30万円からという差が、そのまま「時間を買っているかどうか」の差です

FAQに書いている方針も、そのまま引いておきます。順位の保証はしません(検索結果は当社が決めるものではないためです)。代わりに、何をどう直したか、その結果どの語が何位まで上がったかを毎月すべて開示します。

買うものが変われば、契約前に決めるものが変わる

同じ「Webの発注」でも、後から直せなくなるものは、買うものによって違います。当社の教科書では、それぞれ別の章で扱っています。

買うもの この章と共通する考え方 この章では扱わない、その領域で最も大事なこと 行き先
Web広告の運用 仕事を分解してから見積を読む アカウントの名義と、解約したときに何が残るか。 手数料20%が何に対する20%か Web広告運用の教科書12章
ホームページの制作 同じ条件を渡さないと比較にならない 著作権・写真の使用範囲・フォント・各種IDを契約書に書くこと。 書面に無いと、公開後に自社でサイトを動かせない ホームページ制作の教科書4章
kintoneの構築 見積書の「書いていないこと」を読む 3年後に項目を1つ足すとき、誰が触るか。 ここを決めずに発注すると、ずっと見積を取り続けることになる kintoneの教科書3章

4つとも、金額の比較から始めない点は同じです。 違うのは、契約前に紙にしておくべき1点です。SEOでは時間の使われ方、広告では名義、制作では権利とID、kintoneでは保守の担い手。ここだけは、あとから交渉になりません。

よくある間違い5つ

1. 金額だけで見積書を比べる 同じ「SEO対策 月20万円」でも、記事4本と、レポート1枚では中身がまったく違います。 → 直し方:「決める・作る・直す・測る」のどれが含まれるかを4つの欄に書き出して並べる。空欄になった仕事が、後で追加費用になるか、誰もやらない部分です。

2. 計測アカウントを外注先が作る GA4もSearch Consoleも、外注先のGoogleアカウントで作られていると、解約時に履歴ごと消えます。 → 直し方:自社のGoogleアカウントで作り、外注先には権限を付与する形にする。 調査の段階では、Googleも読み取り権限のみを勧めています。

3. 「決める」と「測る」まで丸投げする 語の選定と数字の読み方を社内に残さないと、外注先を変えた瞬間に何も判断できなくなります。 → 直し方:語の一覧(4章)と月次で見る3画面(3章)は社内に置く。 作る・直すを買う。この線引きが、いちばん壊れにくい形です。

4. 成果報酬型を「損しない契約」だと思う 成果が順位で定義されていると、業者が取りやすい語で達成扱いにできます。手段が過激になる動機も生まれます。 → 直し方:成果を問い合わせ件数で定義し、数える対象(既存客・営業電話・採用応募を除く)を書面にする。 できないなら固定額のほうが安全です。

5. 相見積もりを取らずに、最初の1社に決める SEOは成果物の形が見えにくいぶん、比較しないと相場観が作れません。 → 直し方:同じ質問リストで2〜3社に聞く。 聞くのは金額ではなく、「毎月何に何時間使うか」「その施策はGoogleのどのページに書いてあるか」「解約後に何が残るか」の3つです。

この章の出口

手元に残っているべきものは3つです。

  1. 4分解の表(決める・作る・直す・測るのうち、社内でやるものに印が付いている)
  2. 自社でやる場合の金額(担当者の時給 × 月の作業時間。「無料」と書かない)
  3. 2年間の総額(初期費用+月額×24。他の選択肢と並べた1枚)

この3つが揃えば、発注するかどうかは10項目の点検リストで決まります。必須の4項目(5・6・7・8)が×の見積書は、金額に関係なく断ってよいものです。

発注しても、しなくても、次の章は同じです。続ける仕組みを作らなければ、どちらの形でも3ヶ月で止まります。

次の章へ:12章 SEOの月次作業|毎月何を見て何を直すか

この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)

点検リスト:SEOの発注前チェック(10項目)

見積書を受け取った日に付けます。 相手に聞かないと分からない項目は、聞いてから付けます。

# チェック項目 合格ライン
1 成果の定義が書面にある 「順位」ではなく、数えられる形(問い合わせ件数など)で書いてある
2 誰が記事を書くか確認した 社内・外注・再委託の別と、取材の有無が分かっている
3 サイトを直す作業が含まれるか確認した 「提案のみ」か「改修まで」かが書面にある
4 月次の提出物が明記されている 提出される画面・項目名が分かる
5 作った記事・画像・データの所有権が自社にある 契約書に書いてある
6 解約後に何が残るか確認した 記事が残り、計測設定が自社アカウントで残る
7 被リンクの購入を行わないと明言されている 書面またはメールに残っている(10章)
8 順位保証をうたっていない 「1ページ目を保証」等の表現がない
9 最低契約期間と中途解約の条件を確認した 書面にある
10 2年間の総額を1つの数字にした 初期費用+月額×24 を計算した

合格ライン=10項目中8つ以上。ただし 5・6・7・8 は必須で、1つでも×なら発注しません(この4つは、金額の問題ではなく、支払いが資産にならない/順位が下がる側の話です)。

10を最後に置いているのは、月額は総額で見ないと判断を誤るからです。月30万円は2年で720万円です。同じ金額で「社内に1人採用して育てる」「広告に回す」という選択肢と、初めて並べて比べられます。

読んでも決めきれないところは、一緒に決めます

30分の相談は無料です。この章の点検を一緒に回すこともできます。引き受けられる範囲はSEO対策にまとめています。

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更新日 2018年10月20日