株式会社COTSUBU

CHAPTER 12

SEOの月次作業|毎月何を見て何を直すか

この章で分かること

  • 毎月見る3つの数字と所要時間、忙しい月に落としてよいもの・落としてはいけないもの
  • 四半期で見直すものと、記事を増やすのをやめる判断/外注を終える判断
  • 内製化の4段階と、AIで書ける時代に社内へ残すべき3つの技能
この章の目次(11)
  1. 1毎月やることは3つ。合計35分
  2. 2四半期に一度、2時間で見直すもの
  3. 3記事を増やすのをやめる判断
  4. 4数字が動かないときの判断
  5. 5内製化の4段階
  6. 6担当者が辞めても続く形(残す5つ)
  7. 7よくある間違い5つ
  8. 8費用について
  9. 9この本の使い方
  10. 10更新の約束
  11. 11相談したいとき

SEOが止まる理由は、成果が出ないからではありません。毎月やることが決まっていないからです。 決まっていれば、忙しい月でも35分で済みます。決まっていないと、「今月は何をしようか」を考える時間のほうが長くなり、やがて開かなくなります。 この章は、月次35分・四半期2時間の形を決め、記事を増やすのをやめる判断と内製化の段階を示し、10項目の点検リストで続く体制かどうかを確かめるための章です。そして本書の最終章として、12章分の使い方をまとめます。

この章で分かること

  • 毎月見る3つの数字と所要時間、忙しい月に落としてよいもの・落としてはいけないもの
  • 四半期で見直すものと、記事を増やすのをやめる判断/外注を終える判断
  • 内製化の4段階と、AIで書ける時代に社内へ残すべき3つの技能

毎月やることは3つ。合計35分

3章で決めた「見る画面3つ」を、そのまま月次の作業に落とします。増やしません。

# 見るもの 場所 時間 何が分かるか
1 問い合わせ件数 GA4のキーイベント(月次・参照元別)+自社の受付記録 15分 目標そのもの。ずれたら受付記録が正
2 非指名の表示回数とクリック数 Search Console 検索パフォーマンス(過去28日 vs 前の28日/クエリから社名を除外) 15分 検索から新しい人が来ているか
3 インデックス登録数と手動による対策 Search Console「ページのインデックス登録」+「手動による対策」 5分 事故が起きていないか

この表は、下に行くほど短く、下に行くほど落としにくくなります。3番のインデックス登録と手動による対策は5分しかかかりませんが、ここだけは事故を見つける唯一の窓です。1番と2番は「効いているか」を見る作業、3番は「壊れていないか」を見る作業で、性質が違います。忙しい月に3番を飛ばすと、飛ばしたこと自体に気づけません。

この35分に、直す作業は含みません。 直す時間を別に2時間、月の予定に置きます。あわせて月3時間を予定として押さえます(35分+2時間、残りは予備)。これが、続けるための最小セットです。

忙しい月は、落とす順番も決めておきます。

優先 落としてよいか 理由
1(問い合わせ件数) 落とさない 落とすと、効いているかどうかが永久に分からなくなる
3(インデックス・手動対策) 落とさない(5分) 事故の発見が遅れると、その月の流入がまるごと消える
2(表示回数・クリック) 落としてよい 翌月にまとめて2ヶ月分を見ればよい
直す作業(2時間) 落としてよい 翌月に回せる。ただし2ヶ月続けて落としたら、四半期の見直しで扱う

毎日見ないものも、決めておきます。 順位・PV・直帰率。日々揺れ、動いた理由は測れません(3章)。毎日見ると、動いていないのに何かを変えたくなります。

四半期に一度、2時間で見直すもの

月次は「見る」、四半期は「決める」です。3ヶ月に1回、2時間だけ取ります。

見直すもの 使う章 判断すること
語の一覧 4章 新しく出始めた語を追加する/客にならない語を落とす
掲載順位5〜20位のページ 7章 次の3ヶ月で直す3本を決める(最も動きやすい帯)
同じ語を狙うページの重複 5章・7章 統合するか、片方を消して301するか
計測が壊れていないか 3章 自分でテスト送信して1件計上されるかを実測する
外部の評判 10章 手動による対策の有無、指名検索の表示回数(前年同月比)
費用と成果 11章 支払っている金額と、増えた問い合わせ件数を並べる

4つめ(計測の実測)を四半期に入れているのは、フォームの改修やCMSの更新で静かに壊れるからです。 壊れた月から先の数字は、すべて過小になります。気づくのは、たいてい半年後です。

記事を増やすのをやめる判断

「毎月4本」を決めたあと、やめどきを決めていない会社がほとんどです。 次のどれかに当たったら、新規の執筆を止めて、直す側に切り替えます。

状態 見る場所 切り替える先
掲載順位5〜20位のページが10本以上たまった Search Console 検索パフォーマンス(ページ別) リライト(7章)。新規より速く動く
同じ語で自社のページが2つ以上出ている 検索パフォーマンス → クエリで絞り、ページを見る 統合または削除(5章・7章)
インデックス登録率が9割を切った ページのインデックス登録 技術の点検(2章)。書いても索引に入らない
公開前チェック12項目を通せない本数になった 6章の手順書 本数を減らす。質を落とすと逆効果
問い合わせが増え、対応が追いつかない 受付記録 これも正しい停止理由。増やすのは体制が戻ってから

5行のうち、上の3行は数字で判定できます。下の2行は、社内の実感で判断する行です。どちらか一方だけを見ないでください。数字の3行だけを追っていると、対応が追いつかない状態のまま記事を増やし続けることになり、増えた問い合わせを取りこぼします。

記事の本数は目標ではありません。 当社も「最初の6ヶ月で30本前後」を目安として出していますが、同じFAQで本数より構成が効くと書いています。中心となる1本に関連記事を束ねる形(5章のハブ構造)にすると、少ない本数でも上がります。

数字が動かないときの判断

先に決めておかないと、3ヶ月目に「効かないからやめる」という話になります。期間ごとに、見る数字と判断が違います。

経過 見る数字 動いていない場合の判断
3ヶ月 表示回数 0のままなら、順位の問題ではなく技術の問題。2章の点検3・4・6に戻る
6ヶ月 非指名のクリック数 表示はあるのにクリックが無いなら、語が合っていない(4章)かタイトル(6章)
12ヶ月 問い合わせ件数 増えていなければ、配分を変えてよい。SEOをやめる判断をしてよいのはここから

この表の使い方は、いまが何ヶ月目かを先に確認してから、その行だけを読むことです。3ヶ月目に問い合わせ件数を見てはいけません。見れば必ず「増えていない」という結論になり、正しい判断ができなくなります。見る数字を期間ごとに固定しておくのは、性急な結論を防ぐための装置です。

3ヶ月と6ヶ月では、やめる判断をしません。 当社の目安も、検索に載り始めるまで3ヶ月、問い合わせが安定するまで6ヶ月です(既存ページの改善なら1ヶ月で動くこともあります)。3ヶ月で判断すると、ほぼ全部が「効かなかった」になります。

内製化の4段階

内製化は、全部を自分でやることではありません。「決める」と「測る」が社内にあれば十分です(11章の4分解)。

段階 できること 到達の目安 次へ進んでよい判断
1. 見る 月次の3つを自分で開き、数字を読める 1日 3ヶ月続けて落とさなかった
2. 直す タイトル・本文・内部リンクを自分で直せる 1ヶ月 外注への依頼が月0〜1件になった
3. 書く 公開前チェック12項目を通して1本出せる 3ヶ月 2本目を自力で出せた
4. 決める 語の一覧とサイト構造を自分で設計できる 6ヶ月〜 —

多くの会社が1と2のあいだで止まります。 越えるために要るのは技術ではなく、権限(CMSに入れないと練習もできない)と時間(月3時間が業務として認められているか)です。1と2は、ほぼ無料で到達できます。

全部を内製化する必要はありません。 表示速度の改善、URL設計の変更と301、構造化データの実装、大規模なサイト改修——この4つは、一度きりの作業で習得が引き合わないか、間違えると後から直しにくい領域です。「決める・測る・直す(文章)」は社内、「直す(技術)」は外部。 この線引きが現実的です。

外注を続けるか終えるかも、判断の形にしておきます。

続けてよい 終えてよい
毎月、実作業(記事・改修)の実体がある 届くのがレポートだけになった
社内の段階が上がっている(1→2→3) 1年たっても段階1のまま
支払いに見合う問い合わせが増えている 12ヶ月で問い合わせ件数が動いていない
自社では手が出ない技術作業を任せている 自社でできる作業だけが残っている

左右どちらにも当てはまる行が出るのが普通です。全部が右に寄るまで待つ必要はありません。右側に3つ以上当てはまったら、終える検討に入る時期だと考えてください。逆に、左側が1つでも強く当てはまっているなら、まだ続ける理由があります。

終えるときに確認するのは、11章の点検リストの6です。 記事が残り、計測設定が自社アカウントで残るか。ここが○なら、いつ終えても損は出ません。

担当者が辞めても続く形(残す5つ)

作った会社や、前の担当者だけが持っている状態は、引き継ぎとは言いません。 置き場所を1か所に決めて、5つだけ残します。

残すもの 中身 更新のタイミング
語の一覧 狙う語、着手順、担当(4章) 四半期の見直しで
月次の1枚 見る画面3つ・頻度・担当者名(3章) 変えたとき
公開前チェックの手順書 12項目と、自社のCMSでの操作(6章) 半年に1回
アカウントと権限の一覧 ドメイン・サーバー・CMS・GA4・Search Console の所有者と管理者 変わったとき
施策と結果の記録 いつ何を直し、90日後にどうなったか 直すたびに1行

この5つは、担当者が辞めると決まってから集めるものではありません。日々の作業の副産物として、そのつど同じ置き場所に足していく形にしてください。辞めると決まってから集めようとすると、いちばん手間のかかる5つめ(施策と結果の記録)が、記憶からの再現になります。再現した記録は、次の担当者が判断の材料として使えません。

4つめが最重要です。 ドメイン・Search Console・GA4 の所有者が自社でなければ、外注先を変えた瞬間にすべて止まります(11章の必須項目でもあります)。

AIで書ける時代に、社内に残す技能

AIを使えば、構成案も本文も速く出ます。短縮されないのは選ぶことと、止めることです。 だから社内に残すべきなのは、書く力ではありません。

  1. 発注に近い語を見分ける力(4章)——検索数ではなく、自社の客が打つ言葉を知っているのは社内だけです
  2. 一次情報を出す判断(6章)——どの数字・事例なら公開してよいかは、社外の人には決められません
  3. 公開前に×を付ける力(6章の12項目)——AIが書いた原稿の、どこが自社の事実と違うかを見抜く役目です

この3つは、AIにも外注にも渡せません。 逆に言えば、この3つさえ社内にあれば、残りは買ってよい部分です。

よくある間違い5つ

1. 見る画面を増やす ツールを増やし、レポートを厚くすると、続きません。開かなくなった月から、何も分からなくなります。 → 直し方:3つに戻す(問い合わせ件数/非指名の表示回数とクリック/インデックス登録数と手動対策)。増やしたくなったら、1つ減らしてから増やします。

2. 3ヶ月で「効かない」と判断する 最も多い中断理由です。3ヶ月で見るべきなのは表示回数で、問い合わせ件数ではありません。 → 直し方:期間ごとに見る数字を分ける(3ヶ月=表示回数、6ヶ月=非指名のクリック、12ヶ月=問い合わせ件数)。やめる判断は12ヶ月から。

3. 新規記事を増やし続ける 5〜20位のページが溜まっているのに新規を書くのは、いちばん遅い道です。しかも自社のページ同士で潰し合います。 → 直し方:5〜20位が10本たまったら、新規を止めてリライトに切り替える(7章)。四半期の見直しで、直す3本を決めます。

4. 数字を見る人と直す人が分かれていない/決まっていない 「気づいた人がやる」は、誰もやらないのと同じです。 → 直し方:月次の1枚に担当者名を書く。 見る人と直す人が別でも構いませんが、直す人の月2時間を上長が認めていることが条件です。

5. 権限を外注先に置いたまま内製化を始める CMSに入れない、Search Console の所有権が無い状態では、練習もできません。 → 直し方:先に権限を自社へ移す。 当社の内製化支援でも、最初にやるのは環境整備(権限移管・計測整備)です。ここが済むまで、教える意味がありません。

費用について

月次の35分と四半期の2時間に、費用はかかりません。Search Console も GA4 も無料です(3章)。かかるのは人の時間(月3時間)だけです。

外部の手を借りる場合、当社のマーケティングの内製化支援は、初回相談と現状調査が無料、環境整備(権限移管・計測整備)が15万円から、伴走支援が月10万円から、当社が実作業も一部引き受ける形が月30万円からです(税別)。月単位で終了でき、違約金はありません。 社内で回るようになったら終えていただくのが本来の形で、当社側から「そろそろ終えて大丈夫です」と申し上げることもあります。

条件が1つだけあります。担当者の時間が月10時間ほど確保できること。 完全にゼロだと内製化は成立しないので、その場合は運用代行をおすすめしています。無理な内製化は、かえって費用がかかります。


この本の使い方

12章を通しで読む必要はありません。自社が今いる場所の章から読み、その章の点検リストに○×を付けてください。 全12章に12本・124項目の点検リストが入っています。

今いる場所 読む章 手元に残る点検リスト
やるかどうかを決める 1章 投資判断10
土台を点検する・測れるようにする 2・3章 土台点検12/計測10
何を書くか決める 4・5章 キーワード10/構造とURL10
書く・直す 6・7章 公開前12/既存ページの直し方10
広げる(AI・地図・外部) 8・9・10章 AI検索10/ローカル12/外部リンク8
頼む・続ける 11・12章 発注前10/続ける体制10

読み方は3通りあります。通しで読む(これから自社で始める場合)、点検リストだけ先に印刷して付ける(すでに動いているサイトの健康診断)、発注前に11章と1章だけ読む(外注する場合。見積書と、そもそも投資すべきかを見る2章分です)。

判断に迷ったときは、この本の骨になっている3つの原則に戻ってください。

  1. 測れないものを目標にしない。 順位はGoogleが決め、日々揺れ、理由も測れません。目標は月の問い合わせ件数です(3章)
  2. 先に土台、あとから中身。 クロールとインデックスは答えの決まった技術の話で、点検すれば終わります。そこを通してから、コンテンツに時間を使います(1章・2章)
  3. 自社にしか書けないことだけを書く。 一次情報を出せない語は選ばない。AIで速く書けるようになったぶん、選ぶことと止めることの価値が上がりました(4章・6章・12章)

更新の約束

  • 正本はこのフォルダのMarkdownです。 ホワイトペーパー(PDF)・スライド・音声・動画は、すべてここから作ります。内容が食い違ったら、こちらが正しいと考えてください
  • この本では、次の3つしか書いていません。 Googleが公表していること(出典URLを本文に置く)、自分で測れること、当社が自社サイトで実際にやっていること。「この施策をやると◯位上がる」とは一度も書いていません
  • 出典のない統計は使いません。 数値は、自分で測れる指標と合格ラインに置き換えています
  • 料金は時点を明記します。 本書の記載は2026年9月時点で、すべて税別です。最新は各サービスページ(SEO対策/サイト改善/AIO・LLMO対策/内製化支援)が正です
  • Googleの仕様変更、公式ドキュメントの更新、料金の改定があったときは、該当する章を直し、更新履歴に残します

相談したいとき

  • 自分で点検したい — 2章(土台12項目・90分)と3章(計測10項目)は、無料の道具だけで今日できます
  • 今のサイトを見てほしい — サイト改善。初回相談と改善方針の提案は無料、現状分析は20万円からで、レポート提出だけで終えていただいて構いません
  • 検索からの問い合わせを増やしたい — SEO対策。初回相談・現状調査・キーワード調査は無料、継続支援は月30万円からです。順位の保証はしませんが、何をどう直したかは毎月すべて開示します
  • 自社で回せるようにしたい — 内製化支援。伴走支援は月10万円から、月単位で終了できます

この本の点検リストに×が付いた項目を持ってきていただくのが、いちばん早い相談のしかたです。 どこが×かが分かっていれば、話は「何をやるか」ではなく「何から直すか」から始められます。

そして、×が1つも無い会社に、当社から売るものはありません。 そのときは、この本を社内の手順書としてそのまま使ってください。

この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)

点検リスト:続ける体制(10項目)

本格的に始めた月に1回、そのあとは半年に1回付けます。

# チェック項目 合格ライン
1 月次で見る画面が3つ以内に決まっている 画面名・頻度・担当者名が1枚に書いてある
2 毎月の作業時間が業務として確保されている 月3時間(見る35分+直す2時間+予備)が予定に入っている
3 記事を書ける人が社内にいる、またはAI+確認者の体制がある 公開前チェックを通せる人が1人以上いる
4 サイトを直せる権限が自社にある 自社のIDでCMSにログインできる
5 ドメイン・Search Console・GA4 の所有者が自社 自社のアカウントで所有権を持っている
6 公開前チェック(6章の12項目)が手順書になっている 紙かファイルで存在する
7 効かなかったページを直す日が決まっている 四半期の見直し日が予定に入っている
8 数字が動かない期間の扱いを事前に決めた 3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月で何を見るか決めてある
9 担当者交代時に渡すものが5つ揃っている 1か所にまとまっている
10 外注に依存しないと直せない箇所を把握している 一覧がある(技術作業の範囲が分かる)

合格ライン=10項目中8つ以上。ただし 4・5 は必須です(この2つが×だと、外注先を変えた瞬間にすべて止まります。点数に関係なく、先に直します)。

1と2は、始めた翌月には効きません。効いてくるのは6ヶ月後で、そのころには着手時の熱が冷めています。 だから、熱があるうちに決めておくのが唯一の方法です。

読んでも決めきれないところは、一緒に決めます

30分の相談は無料です。この章の点検を一緒に回すこともできます。引き受けられる範囲はSEO対策にまとめています。

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更新日 2018年10月20日