CHAPTER 07
SEOのリライト|直す記事の選び方と統合・削除
この章で分かること
- Search Console から直す対象を選ぶ3つの絞り込み(表示回数がある×CTRが低い/掲載順位5〜20位/表示回数0が続く)
- 4択の判断表と、統合するときのURLの寄せ方(301)・消すときの404と410と noindex の使い分け
- 直した後、何日後に何を見て合否を出すか
この章の目次(8)
- 1材料は Search Console の3列だけ
- 24択の判断表
- 3直す(リライト)――どこから直すか
- 4統合する――URLの寄せ方と301
- 5消す――404・410・noindex の使い分け
- 6直した後、いつ判定するか
- 7よくある間違い5つ
- 8この章の出口
すでにあるページを直すほうが、新しく書くより早く動きます。表示回数があるページは、索引に入っていて順位も付いているからです。 直す対象は感覚で選びません。Search Console の3つの数字(表示回数・掲載順位・CTR)で機械的に絞り込みます。 この章は、直す・統合する・消す・放置するの4択を判断表で決め、統合と削除の手順を間違えない順番に並べ、10項目の点検リストで合否を出すための章です。
この章で分かること
- Search Console から直す対象を選ぶ3つの絞り込み(表示回数がある×CTRが低い/掲載順位5〜20位/表示回数0が続く)
- 4択の判断表と、統合するときのURLの寄せ方(301)・消すときの404と410と noindex の使い分け
- 直した後、何日後に何を見て合否を出すか
この章はコンテンツの区分で、テクニカル(2章・5章)が○になっていることが前提です。索引に入っていないページをいくら直しても、表示回数は0のままです。
材料は Search Console の3列だけ
既存ページを直す作業が新規執筆より先に来るのは、投じる労力に対して結果が出るまでの距離が短いからです。新しく書いたページは、索引に入るまで待ち、順位が付くまで待ち、その順位が上がるまで待つことになります。3段階の関門を全部通らないと、1件の流入にもなりません。すでに表示回数があるページは、最初の2つをもう通過しています。残っているのは最後の1段だけです。
もうひとつ、判断の材料が揃っているという違いがあります。新規のページは、どんな語で表示されるかを予想して書くしかありません。既存のページには、実際に表示された語と、その順位と、押された割合が記録されています。予想ではなく実績を見て直せるので、外れにくくなります。この章で感覚に頼らず3つの数字で絞り込むと決めているのは、その実績を使い切るためです。
新しく書く作業を止める必要はありません。ただ、同じ1日を使うなら、どちらが先かという順番の話です。当社が受託で入るときも、記事の本数を増やす提案より先に、既存ページの棚卸しを出します。直す対象が1本も無い会社は、まずありません。
手順:Search Console →「検索パフォーマンス」→ 期間を過去3ヶ月→「ページ」タブ →「平均CTR」と「平均掲載順位」にチェックを入れる → エクスポート。出てきた表を、次の3つの型に分けます。
| 型 | 絞り込み条件 | 起きていること | 第一候補の手 |
|---|---|---|---|
| A 惜しい | 掲載順位が5〜20位で、表示回数が上位 | 見えてはいるが、上に行き切っていない | 直す |
| B 見えているのに押されない | 表示回数が多く、CTRが同じ順位帯より低い | タイトル・説明文が検索した人の用事に合っていない | 直す(タイトルと冒頭) |
| C 出ていない | 公開から90日以上で表示回数が0のまま | 索引に無い/語が無い/自社ページ同士で割れている | 統合・削除・放置のどれか |
5〜20位を先に触る理由は、上にも下にも動く余地があるからです。1〜4位は直すと下がる危険があり、50位以下はページを直しても届きません(50位以下は4章か5章の仕事です)。
Bの「CTRが低い」の基準は、自社の中で作ります。「順位◯位ならCTRは◯%」という業界平均はGoogleが公表しておらず、出典のない数字は使いません。エクスポートした表を掲載順位で5位刻みに束ね、束ごとのCTRの中央値を出します。その中央値を下回るページが、Bの候補です。
4択の判断表
1ページずつ、上から当てはめます。先に当たった行を採用します。
| # | 見えている状態 | 判断 | 最初にやること |
|---|---|---|---|
| 1 | 公開から90日未満 | 放置する | 判定日をカレンダーに入れるだけ |
| 2 | 同じ語で自社の複数ページが表示されている | 統合する | 残す1本を決める |
| 3 | 5〜20位で、そのページにしかない情報がある | 直す | タイトル → 冒頭 → 不足の論点 |
| 4 | 5〜20位だが、他社と同じことしか書いていない | 直す(一次情報を足す)/足せないなら統合する | 6章の材料表から1つ足せるか確認 |
| 5 | 表示回数0が90日以上で、狙う語は今も事業に必要 | 統合する | 近いページかハブへ寄せる |
| 6 | 表示回数0で、その語の商品・サービスをもう売っていない | 消す | 301の行き先があるか探す |
| 7 | 内容が古く、直すと誤情報になる(終了した制度・旧料金) | 消す、または書き直して残す | 事実を更新できるなら残す |
| 8 | 検索では出ないが、営業が商談でURLを送っている | 放置する(必要なら noindex) | 検索用ではないと決めて記録する |
この表は、1ページずつ上から当てはめる形で使います。全部の行を読んでから一番合う行を選ぶのではなく、1行目から順に見て、当たった時点で止めてください。上の行ほど判断が機械的で、下の行ほど事情を考える必要があります。上から当てはめると、考えなくてよいページが早い段階でふるい落とされ、本当に迷うページだけが手元に残ります。
一覧が100ページあっても、実際に悩むのは10ページもありません。公開90日未満と、もう売っていない商品のページを外した時点で、大半が片付きます。時間がかかるように見える作業ですが、機械的に処理できる部分が多いので、半日あれば一覧は埋まります。
迷ったら「消す」より「統合する」。 301で寄せれば、そのページが受けていた外部からのリンクと評価の行き先が残ります。消せば、そこで途切れます。
判断に迷う典型が4行目です。5〜20位に付いているが、書いてあることが他社と変わらない、という状態のページ。直して一次情報を足すか、諦めて統合するかで手が止まります。決め方は単純で、6章の材料表を開いて、自社にしか出せない材料が1つでも見つかるかを確認してください。見つかれば直す、見つからなければ統合する。ここで「もう少し調べれば何か出るかもしれない」と保留にすると、そのページは半年後も同じ状態で残ります。
もうひとつ迷うのが7行目、内容が古いページの扱いです。終了した制度や旧料金が書いてあるページは、放置すると誤情報を配り続けることになります。事実を今の内容に更新できるなら残す、更新する材料が無いなら消す——この2択で、書き直すかどうかを事業の都合ではなく材料の有無で決めてください。
1ヶ月に手を付ける本数を先に決めます(目安は月3〜5本)。全ページを一度に直すと、何が効いたのか分からなくなります。
直す(リライト)――どこから直すか
上から順に、効きやすく、かつ自分で確かめやすい順番です。
| 順 | 直す場所 | 直す条件 | 直したかの確かめ方 |
|---|---|---|---|
| 1 | タイトル | CTRが同じ順位帯の中央値を下回る | 狙う語で実際に検索し、表示されるタイトルを見る |
| 2 | 冒頭3行 | 「◯◯とは」から始まっている | 3行だけ読んで用事が済むか |
| 3 | 不足している論点 | そのページが実際に取れている語に答えていない | Search Console のページ別「クエリ」を開き、答えていない語を見出しにする |
| 4 | 一次情報 | 他社を読んでまとめた内容になっている | 事例・数字・画面・写真のどれかが1つ以上ある |
| 5 | 内部リンク | サービスページへの導線が無い | 関連ページへ3本以上/サービスへ1本以上 |
| 6 | 更新日 | 中身を実際に変えたときだけ | 変えた箇所を1つ言える |
3番が、最も取りこぼされる作業です。 狙った語ではなく、実際に表示されている語を見ます。Search Console でそのページにフィルタをかけて「クエリ」を開くと、想定していなかった語で表示回数を稼いでいることがあります。その語に答える見出しを足すのが、いちばん短い距離です。
6番の注意:中身を変えていないのに更新日だけ新しくするのはやりません。2章の lastmod と同じで、日付そのものが信用されなくなります。
統合する――URLの寄せ方と301
手順は5つ。順番を入れ替えないでください。
- 残す1本を決める。 ①表示回数が多いほう ②外部からリンクされているほう(Search Console の「リンク」)③URLが内容を表しているほう、の順
- 消す側にしかない論点を、残す側に移す。 丸ごとコピーではなく章として足します。移し終わるまで3へ進みません
- 消す側から残す側へ301を設定する
- 内部リンクを全部付け替える。 301任せにせず、古いURLへのリンクを1本ずつ書き換えます
- サイトマップから消す → URL検査で、残す側の再クロールをリクエストする
リダイレクトの種類は、Googleが公表している表がそのまま使えます(リダイレクトと Google 検索)。
| 種類 | ステータス | Googleの扱い | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 永続(サーバー側) | 301 / 308 | リダイレクト先が正規版であるという強いシグナル | 統合・削除・URL変更。原則これ |
| 一時(サーバー側) | 302 / 303 / 307 | 弱いシグナル。元のURLが検索結果に残りやすい | 一時的な案内ページへの誘導 |
Googleはこの表を「正しく解釈される可能性が高い順」に並べています。サーバー側が最も確実で、meta refresh(0秒)とJavaScriptは、サーバー設定を触れないときの代替です。
覚えておく数字が2つあります。リダイレクトは一般に1年以上保持すること(サイト移転のドキュメント)。そしてGoogleのクローラーが追うのは最大10回(HTTPステータス コード)。統合を繰り返すと301の鎖が伸びます。古いURLは、必ず最終の1本へ直接向けます。
寄せ先は、内容が関連するページにします。 全部をトップページへ向けると、内容が違うためソフト404として扱われることがあります。関連ページが無いなら、301ではなく404です。
消す――404・410・noindex の使い分け
| やり方 | 何が起きるか | 使う場面 |
|---|---|---|
| 301で寄せる | 評価とリンクの行き先が残る | 内容が近いページがある(第一選択) |
| 404(not found) | 索引から外れる | 行き先が無い/消すが迷いも残る |
| 410(gone) | 索引から外れる | 二度と戻さないと決めている |
| noindex | ページは開けるが検索結果から外れる | 人には見せたい(商談用・社内向け) |
robots.txt で Disallow |
消えない。 クロールが止まるだけ | 消す目的には使わない |
| Search Console の非表示ツール | 約6ヶ月だけ検索結果から隠す | 事故対応の応急処置 |
404と410の違いは、Googleの処理上はほとんどありません。 GoogleのHTTPステータス コードのドキュメントは、401・403・404・410 を同じ行でまとめ、「URLが以前インデックスに登録されていた場合は、インデックス登録パイプラインによってインデックスから削除されます」と書いています。違うのは意思表示で、410は「意図して消した、戻さない」をサーバーが明言する形です。決まらないなら404で構いません。
間違えやすい2点を、Googleの記述で確かめておきます。
- robots.txt で塞ぐと noindex は読まれません。 Googleは「
noindexディレクティブを有効にするためには、robots.txt ファイルでページやリソースをブロックせず、クローラがページにアクセスできるようにする必要があります」と明記しています(noindex でインデックスから除外する) - 非表示ツールは消す道具ではありません。 Googleは「非表示ツールで行われたリクエストは、約 6 か月間有効です」とし、恒久的に消すにはコンテンツの削除・パスワード保護・noindex のいずれかを行うよう案内しています(ページを Google から非表示にする)
直した後、いつ判定するか
判定日を、直したその日にカレンダーへ入れます。
| いつ | 見るもの | 合格ライン | ×のとき |
|---|---|---|---|
| 翌日〜3日 | Search Console のURL検査 | 最終クロール日が直した日より後になっている | 再度リクエストする |
| 14日後 | 表示回数 | 直す前の14日と同水準以上 | 下がっていれば、直した箇所を戻して比べる |
| 30日後 | CTR(タイトルを直した場合) | 直前30日より上がっている | タイトルを作り直す(6章) |
| 90日後 | 掲載順位・クリック数・問い合わせ件数 | 3つのうち1つ以上が上向き | 語の選定に戻る(4章) |
この表は、直した日に4つの予定を入れるために使います。判定を後から思い出してやろうとすると、まず忘れます。忘れた結果どうなるかというと、直したかどうかの記憶だけが残り、効いたかどうかは分からないまま次のページに進むことになります。それを1年続けると、直した本数は積み上がるのに、何が効く直し方なのかは去年と同じだけ分かっていない、という状態になります。
たとえば、担当者が熱心で、毎月10本ほどのページに手を入れているのに、記録が残っていないとします。どのページをいつ直したかが分からないので、順位が上がったページを見ても、それが直した効果なのか、季節なのか、他社が落ちただけなのかを切り分けられません。何年分の作業をしても、学習に一度もつながらないことになります。
やることは、直した日と直した箇所を1行書くことと、判定日をカレンダーに入れることだけです。続けていれば、タイトルの直しはCTRに効きやすく、見出しの追加は順位に効くまで時間がかかる、といった自社なりの感覚が手元に残ります。同じ作業量で、学習が積み上がるかどうかだけが変わります。
14日より前の増減は、結果ではありません。 Googleは、ページの再クロールが「数か月後になる場合がある」と公表しています(上記 noindex のドキュメント)。比較は期間比較で、直した日の翌日から30日 と 直す前の30日 を並べます。季節で動く事業は前年同月も出します。
よくある間違い5つ
1. 全ページを一度に直す 何が効いたのか永久に分かりません。直し方:月に直す本数を決める(3〜5本)。着手日をずらし、判定日を固めません。
2. 消すページを全部トップページへ301する 内容が違うリダイレクトは、ソフト404として扱われることがあります。直し方:関連するページへ1本ずつ向ける。関連ページが無いなら404にします。
3. robots.txt で Disallow して、消したつもりになる
クロールが止まるだけで、索引からは消えません。noindex も読まれなくなります。直し方:クロールを許可して noindex を読ませる。急ぐなら非表示ツール(約6ヶ月)で時間を稼ぎます。
4. 更新日だけ新しくする 中身が同じなら、読む人にとっても何も変わりません。直し方:直す箇所を必ず1つ作る。作れないなら「放置する」に分類し、日付も触りません。
5. 直して1週間で判定する 再クロールに数日から数ヶ月かかります。直し方:14日・30日・90日の3回で見る。1週間で戻したり再度直したりすると、次の判定まで壊れます。
この章の出口
手元に残っているべきものは3つです。
- 全ページに4択の判断が付いた一覧(日付入り)
- 今月直す3〜5本と、直した箇所の記録
- 14日後・30日後・90日後の判定日がカレンダーに入っている状態
1番の一覧は、外注に出すときの発注書そのものになります。当社のSEO対策は、初回相談と現状調査・キーワード調査が無料、記事制作が1本5万円から、継続支援が月30万円から(税別)です。「どのページをどう直すか」が決まっている会社ほど、頼む範囲が小さくなります。
次は、その同じページがAI検索にどう関わるかです。結論を先に言うと、特別な作業はほとんど増えません。
この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)
点検リスト:既存ページの直し方(10項目)
| # | チェック項目 | 合格ライン |
|---|---|---|
| 1 | 過去3ヶ月の検索パフォーマンスをページ単位で出した | エクスポート済み(CTRと掲載順位の列がある) |
| 2 | 掲載順位5〜20位のページを抽出した | 一覧がある |
| 3 | CTRの比較基準を自社の中で作った | 順位5刻みの中央値を出した |
| 4 | 公開90日以上で表示回数0のページを洗い出した | 一覧がある |
| 5 | 同じ語で自社の複数ページが出ていないか確認した | 確認した(重複が0、または統合対象に入れた) |
| 6 | 1ページごとに4択(直す・統合・消す・放置)を書いた | 判断が付いていないページが0 |
| 7 | 統合するページの内部リンクを付け替えた | 301任せにしていない |
| 8 | 消すページの処理を決めた | 301・404・410・noindex のどれか。robots.txt で塞いでいない |
| 9 | 直した箇所を記録した | ページごとに「何を直したか」が1行で書いてある |
| 10 | 判定日をカレンダーに入れた | 14日後・30日後・90日後 |
合格ライン=10項目中8つ以上。ただし 5・8 は必須です(5が×なら自社のページ同士で潰し合い、8が×なら被リンクを捨てるか、消したつもりのページが残り続けます)。
更新日 2018年10月20日
