株式会社COTSUBU

CHAPTER 03

サイトの種類の選び方|コーポレート・LP・採用

この章で分かること

  • 6つの種類の違いを、構成・期間・成果の数え方で並べた表(金額は当社の実値を一例として)
  • 広告を出すなら、なぜコーポレートサイトではなくLPを別に作るのか
  • リニューアル(作り直す)と改善(直す)を、数字で切り分ける方法
この章の目次(11)
  1. 16つの種類を、1枚で比べる
  2. 2決める順番は3つの質問で足りる
  3. 3コーポレートサイト:信用を確かめさせる場所
  4. 4LP:広告の受け皿。コーポレートに広告を当てない
  5. 5採用サイト:母集団は媒体、辞退を減らすのがサイト
  6. 6EC:ほとんどの場合、既製サービスを勧める
  7. 7リニューアルと改善を、数字で切り分ける
  8. 8作らない・頼まないほうがよい場合
  9. 9予算が1つしかないときの順番
  10. 10よくある間違いを5つ
  11. 11この章の出口

同じ「サイトを作る」でも、コーポレート・LP・採用・EC・リニューアル・改善は別の商品です。構成も期間も金額も、成果の数え方も違います。 ここを混ぜると、「広告を出すのにコーポレートサイトを作り直す」「採用のためにLPを1枚だけ作る」といった、お金は正しく払っているのに成果が出ない発注になります。 この章は、1章で決めた目的の1行から、作るものを1つに決めるための章です。迷ったときは「広告を出すか」「更新する人がいるか」「今のサイトに流入があるか」の3つで決まります。

この章で分かること

  • 6つの種類の違いを、構成・期間・成果の数え方で並べた表(金額は当社の実値を一例として)
  • 広告を出すなら、なぜコーポレートサイトではなくLPを別に作るのか
  • リニューアル(作り直す)と改善(直す)を、数字で切り分ける方法

6つの種類を、1枚で比べる

先に全体像を置きます。判断に使う列は「成果の数え方」です。 ここが違うものは、別の商品だと考えてください。

種類 主な読み手 規模の目安 期間の目安 成果の数え方 当社の金額(税別・一例)
コーポレートサイト 取引を検討している会社・求職者・金融機関 10ページ前後 2ヶ月〜 問い合わせ件数/指名検索からの到達 80万円〜
LP 広告をクリックした人 1枚 最短2週間 広告経由の問い合わせ件数・獲得単価 40万円〜
採用サイト 求職者とその家族 10ページ前後 2ヶ月〜(取材調整を入れて3ヶ月) 応募数・面接到達率・入社後の定着 80万円〜
ECサイト 買う意思のある人 30商品まで 2ヶ月半〜 注文件数・客単価・カート離脱率 100万円〜
リニューアル 既存サイトの読み手と同じ 10ページ前後+移行 2ヶ月〜(記事が多ければ3ヶ月) 移行後に流入と問い合わせが落ちていないこと 80万円〜(現状分析のみ 20万円〜)
サイト改善 既存サイトの読み手と同じ 直すページだけ 分析は最短2週間 直したページの離脱率・問い合わせ件数 現状分析 20万円〜/改修 30万円〜

この表は「当社の値段」であって「正しい値段」ではありません。 他社の見積もりがこれより高くても安くても、判断は2章の見積書11行が揃っているかどうかでしてください。

ここで一番見落とされるのが期間の列です。LPが2週間でできるのは、決めることが少ないからです。コーポレートサイトの2ヶ月のうち、多くは取材と原稿確認に使われます。「急ぐからLPにする」は成立しますが、「急ぐからコーポレートサイトを2週間で作る」は成立しません。

決める順番は3つの質問で足りる

種類を決めるのに、比較表を長く眺める必要はありません。上から順に答えてください。

順 質問 はい いいえ
1 今あるサイトに、流入と問い合わせがあるか 改善またはリニューアル(後述の切り分けへ) 2へ
2 広告費を出す予定があるか LPを作る(コーポレートも要るなら別に作る) 3へ
3 今いちばん困っているのは採用か 採用サイト(または採用ページを厚くする) コーポレートサイト
補 ネットで直接売るか EC(ただし既製サービスを先に検討) —

2つ以上に当てはまる会社がほとんどです。 そのときは、1章で決めた主目的1つに従って1つだけ作ってください。同時に2つ作ると、原稿と写真の用意が2倍になり、どちらも中途半端なまま公開日が来ます。予算より先に、社内の確認の手が足りなくなります。

コーポレートサイト:信用を確かめさせる場所

コーポレートサイトの主な仕事は、「この会社は実在して、この規模で、この業務ができる」と確認させることです。取引前に社名で検索してきた人、応募を迷っている人、金融機関の担当者が読みます。

だから必須なのは、かっこいい写真ではなく、次の情報です。

必ず載せるもの 無いと起きること
商号・所在地・代表者名・設立年・法人番号 実在の確認ができず、取引の稟議が通らない
事業内容を、発注者の言葉で書いたページ 「何屋か分からない」で離脱する
実績(業種・課題・やったこと・結果) 自社と同じ業種で使えるか判断できない
対応エリア・対応できる規模 問い合わせの前に「たぶん対象外だろう」と諦められる
問い合わせ後に何が起きるか(返信までの日数) 送信のハードルが上がる

「コーポレートサイトは何の役にも立たない」と言われるのは、上の情報が無いまま、理念とイメージ写真だけで作られている場合です。

作らなくてよい場合もあります。創業直後で、商材も価格も対象も決まっていない段階では、10ページ作っても半年で全部書き直すことになります。その場合は1ページの会社案内から始めて、決まってから足すほうが安く済みます。

LP:広告の受け皿。コーポレートに広告を当てない

当社は、広告を出す会社にコーポレートサイトを受け皿として勧めません。 理由は好みではなく、構造です。

コーポレートサイト LP
読み手の状態 社名を知っていて、確認しに来た 社名を知らない。広告文に反応しただけ
出口の数 多い(各ページへ分岐する) 1つ(フォーム送信だけ)
情報の並び 会社の都合で分かれている 迷いを潰す順に並べる
1枚で完結するか しない する
直す頻度 年1回 数字を見て随時

広告をクリックした人は、会社を知りません。その人をコーポレートサイトのトップに落とすと、メニューが7つ並んだ画面で「自分が何をすればよいか」を探させることになります。 出口が多いページは、出口が多いぶんだけ離脱します。広告費は、離脱した人の分も払っています。

LPを作るときの原則は1つです。1商品1枚。 2商品を1枚に詰めると、訴求がぼやけて数字が落ちます。当社は2枚目以降を割安にしていますが、これは「詰め込むより分けたほうがよい」と考えているからです。

LPで先に決めるのは、デザインではなく訴求(誰の、どの困りごとに、何と言って刺すか)です。ここが決まっていないLPは、見た目を変えても数字が動きません。

そして、LPだけでは足りない場合があります。 BtoBで、発注前に会社を調べられる商材なら、LPを見た人はほぼ社名で検索します。そこに何も無ければ、LPの数字は上がりません。この場合はLPとコーポレートサイトの両方が要ります。 順番としては、広告を止められないならLPが先、止められるならコーポレートが先です。

採用サイト:母集団は媒体、辞退を減らすのがサイト

採用サイトについて、先に正確な役割を書きます。採用サイトを作っただけで応募は増えません。

人を集める経路は求人媒体・ハローワーク・紹介・リファラルです。採用サイトの仕事は、そこから来た人に辞退させないことと、入社後のミスマッチを減らすことです。役割が違うので、求人媒体はすぐにはやめられません。半年から1年かけて、サイト経由の応募比率を上げていく進め方が現実的です。

作る前に決めること 合格の状態
募集職種と人数 職種名と人数が書いてある
誰に取材するか 3〜5人。職種と入社年次が分かれている(確保できないなら社長+現場の2人から)
都合の悪いことをどこまで書くか 残業・休日出勤・繁忙期の書き方を決めた
求人媒体との分担 媒体=集める/サイト=辞退を減らす、と決めた
コーポレートと分けるか 継続採用なら別サイト、年数名ならコーポレート内の採用ページを厚くする

3つ目が、この章でいちばん言いたいことです。 残業も繁忙期も書かずに作った採用サイトは、応募だけ増えて、入社後3ヶ月で辞められます。採用コストは応募数ではなく、定着まで含めた総額で見てください。先に書いたほうが早期離職は減ります。

規模が小さいうちは、1枚完結型(募集要項+社員の声+応募フォーム)で最短3週間という作り方もあります。募集要項と写真が揃っている場合に限ります。

EC:ほとんどの場合、既製サービスを勧める

当社は、ほとんどの相談で Shopify などの既製サービスを勧めます。 独自構築を勧めるのは、基幹システムとの複雑な連携がある場合だけです。

既製サービス 独自構築
決済とセキュリティ サービス側が持つ 自前で持つ(法改正のたびに改修)
初期費用 小さい 数倍になる
月額 かかる(利用料・決済手数料) サーバー代+保守
向く場合 ほとんどの中小企業 在庫・受注を基幹と直結させる必要がある

判断は1問です。「決済とセキュリティを自前で持つ理由を言えるか」。 言えなければ既製サービスです。

もう1つ、ECで先に決めるのは受注後の回し方です。注文が入ってから、誰が何分かけて出荷し、在庫を直し、会計に載せるのか。ここが決まっていないECは、売れた瞬間に業務が止まります。サイトの構築費より、受注1件あたりの社内工数のほうが、長期では大きな金額になります。

そして、EC も「作れば売れる」ものではありません。自社ECはモールと違い、待っていても人が来ません。モールからの完全移行はすぐにはできないため、自社ECの比率を1年ほどかけて上げる進め方になります。

リニューアルと改善を、数字で切り分ける

ここが、この章で最もお金が変わる分岐です。作り直しは80万円〜、部分改修は30万円〜。 判断を間違えると、直せば済むものに80万円を払うか、作り直すべきものに30万円を捨てるかになります。

切り分けは感覚ではなく、次の順番で数字を見ます。

手順 見るもの どこで見るか
1 直近90日の流入数 GA4
2 ページ単位の流入数(どのページが人を集めているか) Search Console・GA4
3 問い合わせ件数(入口別) フォームの記録・着信
4 スマホでの表示崩れ 実機で開く
5 管理画面のIDが手元にあるか 社内の記録

その結果で判断します。

状態 判断 理由
流入も問い合わせもある。見た目が古いだけ 改善 作り直すと、検索で積み上げた評価を一度失う
特定のページだけ離脱が多い 改善 そのページだけ直せばよい
流入はあるが問い合わせが0に近い 改善(フォーム・導線・文言) 集客ではなく受け止め方の問題
スマホで崩れる/10年以上前の作り リニューアル 部分対応を重ねるほうが高くつく
更新できる人がいない/管理画面のIDが無く、制作会社と連絡が取れない リニューアル 直す手段が無い
流入がほぼ無く、ページも少ない リニューアル(失うものが無い) 残すべき資産が無い
どのページが読まれているか分からない まず調べる 判断材料が無い

「どのページが読まれているか分からない」で止まる会社が最も多いです。 当社はこの仕分けだけを 現状分析 20万円〜 として単独で受けています。分析の結果、直すだけで足りると判断したら サイト改善(改修 30万円〜)を提案します。20万円で80万円以上の判断ができるなら、先に分析するほうが安く済みます。

もちろん、自分で見ることもできます。必要なのは上の5行だけで、Search Console と GA4 が入っていれば出せます。設置と見方は SEOの教科書 2章(内部対策・サイトの点検手順)・3章(SEOの効果測定) にあります。この教科書では、検索順位を上げるための施策そのものは扱いません。

作らない・頼まないほうがよい場合

種類の話をする前に、そもそも作らない判断が正しい場面があります。

状況 作らずに済ませる方法
商材も価格も対象も決まっていない(創業直後) 1ページの会社案内だけ作る。決まってから足す
期間限定のキャンペーン告知だけ 既存サイトに1ページ足す。LPを作るほどではない
広告を出す予算が月10万円未満 先に広告の出し方を決める。LPの制作費が広告費を上回る
更新する人が社内に誰もいない ページ数を減らす。CMSも入れない(2章の表3)
求人媒体からの応募が十分にある 採用サイトより、媒体の原稿と面接の進め方を直すほうが早い
売る商品が数点で、既にモールで売れている 自社ECを急がない。モールと並行で比率を上げる

3つ目は特に言いにくいことですが、はっきり書きます。 LP(40万円〜)を作っても、広告費が月10万円では、投じた制作費を回収する前に検証が終わりません。広告を出す規模が決まってから作ってください。

予算が1つしかないときの順番

「コーポレートも採用もECも要る」という会社に対して、当社が勧める順番です。

状況 1番目 2番目
新規の問い合わせが欲しい。広告は出さない コーポレートサイト 実績ページを足す
新規の問い合わせが欲しい。広告を出す LP コーポレートサイト(社名検索の受け皿)
採用が最優先。会社サイトは一応ある 採用ページを厚くする(改善) 採用サイト
既存サイトに流入がある 改善 必要になってからリニューアル
ネットで売りたい 既製サービスで小さく始める 自社ECの比率を上げる

原則は「今ある資産を使い切ってから、新しく作る」です。流入のあるページを捨てて作り直すのが、いちばん損をします。

よくある間違いを5つ

「広告を出すので、コーポレートサイトを作り直す」 ——作り直しても、広告の受け皿としての構造は変わりません。出口が多いページに広告を当てれば、やはり離脱します。直し方:コーポレートは作り直さず、広告用にLPを1枚だけ作る。効果が確認できてから、コーポレートの改善に進む。

「LPに商品を全部載せる」 ——1枚に3商品を載せると、どの読み手にも半分しか刺さりません。結果として、3商品ぶんの制作費を払って、0商品ぶんの訴求になります。直し方:1商品1枚に分ける。まず売れ筋の1商品で試し、数字が出た型を2枚目に使い回す(2枚目以降は安くなる)。

「採用サイトを作れば応募が増える」 ——応募数を決めているのは、媒体・ハローワーク・紹介からの母集団です。サイトは辞退を減らす装置です。直し方:まず応募数と辞退数を分けて数える。辞退が多いならサイト、母集団が少ないなら媒体の原稿と掲載枠を先に直す。

「ECは自社で作ったほうが手数料が浮く」 ——浮くのは決済手数料だけで、代わりにセキュリティと法改正対応を自社で背負います。改修は毎年発生します。直し方:既製サービスの月額+手数料の3年分と、独自構築の初期費用+改修費の3年分を並べて比べる。ほとんどの場合、既製が安い。

「古いから、全部作り直す」 ——流入を集めているページを捨てると、検索からの流入をその日に失います。見た目の古さと、数字で困っていることは別です。直し方:ページ単位の流入を先に見る。流入のあるページは残し、URLも変えない(10章の転送表につながります)。

この章の出口

この章を終えたとき、手元に残っているべきものは3つです。

  1. 作るものが1つに決まっている(コーポレート/LP/採用/EC/リニューアル/改善のどれか)
  2. その選択の理由が、数字か構造で言える(「広告を出すからLP」「流入があるから改善」)
  3. 同時に作らないもの・後回しにするものが決まっている(順番の表)

ここまでで、1章(何のために)・2章(何が載っていて誰が直すか)・3章(何を作るか)が揃いました。残っているのは「誰に頼むか」だけです。 ここまでの3つが揃っていれば、各社に同じ前提で見積もりを出してもらえるので、はじめて金額を比べられる状態になります。

次の章へ:4章 ホームページ制作会社の選び方と相見積

この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)

点検リスト:作るものの選び分け(10項目)

発注する前に、発注側だけで埋められます。

# チェック項目 ○の条件(合格の状態)
1 主目的が1章で1つに決まっている 1章の点検リスト1・4が○
2 広告を出す予定の有無が決まっている 出す/出さないが決まっている
3 広告を出すなら、受け皿を別に用意する判断をした LPを別で作る、と決めた(コーポレートに広告を当てない)
4 売る商品が1つに絞れている(LPの場合) 1商品1枚になっている
5 採用が目的なら、募集職種と人数が決まっている 職種名と人数が書いてある
6 採用で「都合の悪いこと」を書く範囲を決めた 残業・休日出勤・繁忙期をどこまで書くか決めた
7 ECなら、既製サービスと独自構築を比較した 決済とセキュリティを自前で持つ理由が言える(無ければ既製)
8 ECなら、受注後の出荷・在庫・会計の回し方が決まっている 誰が何分かけてやるかが言える
9 既存サイトがあるなら、流入を集めているページを特定した ページ単位で一覧が出ている
10 リニューアルか改善かを、数字で切り分けた 直して足りるか否かの根拠が数字で言える

合格ライン=10項目中8つ以上。ただし 1 が×なら選び分け以前(1章へ戻る)。3 が×のまま広告を出すと、広告費が先に溶ける。

  • 1が×:目的が決まっていないと、どの種類を選んでも「正解」になってしまい、選び分けが成立しません
  • 3が×:広告費は、受け皿の出来に関係なく毎日出ていきます。受け皿を後回しにした月の広告費は戻りません
  • 4〜8は該当する場合のみ。該当しない項目は○として数えます(LPを作らない会社が4で減点される必要はありません)

読んでも決めきれないところは、一緒に決めます

30分の相談は無料です。発注側として決めきれないところは、一緒に決めます。引き受けられる範囲はコーポレートサイト制作にまとめています。

30分相談を予約する

更新日 2018年10月20日