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システム開発

システム開発の費用相場【2026年】規模別・種類別の目安と計算例、保守費用まで

宇田川 将也|14分
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システム開発の費用相場は、小規模な業務システムで50万〜300万円、中規模で300万〜1,000万円、基幹システムで1,000万円以上が目安です。費用の大半は人件費で、「人月単価×工数(人数×期間)」で決まります。

この記事では、規模別・種類別の費用の早見表、工数×単価で金額を出す計算例、保守費用の相場、見積書の見方、費用を抑える方法と補助金までを、発注する側の目線でまとめます。

なお「システム開発」「システム構築」「システム作成」「SI(システムインテグレーション)」の費用は、呼び方が違うだけで計算の仕方は同じです。

この記事の金額は、2026年10月時点で開発会社や発注仲介サイトが公開している相場情報を突き合わせた一般的な目安です(税抜)。地域、技術、発注先、要件の固さで上下します。個別の金額は見積もりで確認してください。

システム開発の費用相場はいくら?【規模別の早見表】

まず全体の目安です。規模は「何人で何ヶ月かかるか」で分けると分かりやすくなります。

規模 費用の目安 期間の目安 体制の目安 どんなシステムか
小規模 50万〜300万円 1〜3ヶ月 1〜2名 予約管理、在庫管理、問い合わせ管理など、1つの業務を効率化する
中規模 300万〜1,000万円 3〜6ヶ月 3〜5名 受発注・顧客管理・請求など、複数の業務をつなぐ
大規模 1,000万円〜数千万円 6ヶ月〜1年以上 5名以上 販売・在庫・会計・生産をまとめる基幹システム、外部との連携が多いもの

金額の幅が大きいのは、同じ「予約管理」でも、機能の数・外部連携・データ移行・セキュリティ要件で工数が何倍にも変わるためです。早見表は「桁を外さないため」に使い、具体的な金額は次の章の計算で詰めます。

種類別のシステム開発費用の目安

作るものの種類ごとの目安です。

種類 費用の目安 主な費用の決まり方
LP・コーポレートサイト 10万〜100万円 ページ数、デザインの作り込み、CMSの有無
ECサイト(既製のサービスを使う) 50万〜100万円 デザイン、商品登録、決済の設定
ECサイト(独自に開発) 300万〜1,000万円以上 在庫・会員・決済・外部連携の範囲
単機能の業務ツール 50万〜300万円 画面数、帳票、権限の種類
業務システム(複数業務) 300万〜1,000万円 業務の数、既存システムとの連携、データ移行
Webシステム・会員サイト 200万〜800万円 会員機能、決済、管理画面、アクセス数
スマホアプリ(基本機能) 100万〜300万円 画面数、iOS/Androidの両対応、ストア申請
スマホアプリ(高機能) 500万〜2,000万円 プッシュ通知、決済、リアルタイム処理、サーバー側の開発
基幹システム 1,000万〜数千万円 対象業務の広さ、既製パッケージを使うか一から作るか
kintoneなどノーコードでの構築 1業務 10万〜40万円 アプリ数、データ移行、JavaScriptカスタマイズの有無

業務システムの費用は「業務の型」で変わる

業務システムは、業務の種類によって相場の出方が違います。

  • 勤怠・給与・会計のように法律で手順が決まっている業務は、既製のSaaSの完成度が高く、作るより使う方が安く済むことがほとんどです
  • 販売管理・生産管理・案件管理のように会社ごとの商習慣が強く出る業務は、既製品と現場のやり方がずれやすく、追加開発が積み上がります

「この業務は自社独自の部分があるか」を先に切り分けると、作る範囲が小さくなり、見積もりが下がります。

費用は「人月単価×工数」で決まる

システム開発の見積もりのほとんどは、次の式で計算されています。

開発費用 = 人月単価 × 工数(人月)

「人月(にんげつ)」は、1人が1ヶ月作業する量です。2人で3ヶ月かかる仕事は6人月です。費用のおよそ8割が人件費なので、金額を理解するには「誰が何ヶ月動くか」を見るのが近道です。

職種別の人月単価の相場

発注者が払う金額の目安です。

職種 人月単価の目安 主な役割
プログラマー 40万〜80万円 設計書に沿ってプログラムを書く
システムエンジニア 60万〜120万円 要件を設計に落とす、技術を選ぶ
テスター・QA 40万〜70万円 テストの設計と実施
インフラエンジニア 60万〜110万円 サーバー・クラウドの構築と運用
プロジェクトマネージャー 80万〜160万円 進行・品質・予算の管理、発注者との調整
ITコンサルタント 120万〜200万円 業務の整理、システム化の方針づくり

外注先別の人月単価の相場

同じ職種でも、どこに頼むかで単価が変わります。

外注先 人月単価の目安 向いている案件 注意点
大手SIer 100万〜200万円 大規模・高い信頼性が要るもの 管理費や下請けのマージンが乗る
中堅・中小の開発会社 60万〜120万円 中小企業の業務システム全般 得意分野が会社ごとに違う
フリーランス 40万〜80万円 小規模・範囲が明確なもの 1人に依存する。休むと止まる
オフショア(海外) 30万〜60万円 仕様が固く量が多いもの 指示書づくりと確認の手間が増える

単価が安いほど総額が安くなるとは限りません。 オフショアやフリーランスは、仕様を細かく書く、進み具合を確かめる、といった発注側の手間が増えます。社内にそれを担える人がいない場合は、単価の差が手戻りで消えます。

工程別の費用の内訳

見積もりは工程ごとに積み上がります。工程ごとの割合の目安は次のとおりです。

工程 全体に占める割合の目安 やること
要件定義 10〜15% 何を作るか、何を作らないかを決める
設計 15〜20% 画面・データ・システム構成を決める
開発(実装) 30〜40% プログラムを書く
テスト 15〜25% 不具合を見つけて直す
導入・移行 5〜10% 本番環境への展開、データ移行、操作説明

この割合は見積書の検算に使えます。たとえば、実装が全体の6割を超えていてテストが1割に満たない見積もりは、テストを薄く見ている可能性があります。逆に要件定義が極端に少ない場合は、「作りながら決める」前提になっていないかを確認してください。

簡易シミュレーション:工数×単価で費用を計算する

実際に計算してみます。以下は計算の仕方を示すための例で、特定の案件の金額ではありません。

例1:中小企業の案件管理システム(小〜中規模)

顧客・案件・見積もり・請求の4つの画面群を持ち、既存のExcelから顧客データを移す想定です。

工程 担当 工数 人月単価 金額
要件定義 PM 0.5人月 100万円 50万円
設計 SE 1.0人月 80万円 80万円
開発 SE・PG 2.0人月 70万円 140万円
テスト SE・QA 1.0人月 60万円 60万円
導入・データ移行 SE 0.5人月 80万円 40万円
合計 5.0人月 370万円

保守を年に開発費の10〜20%とすると、年37万〜74万円です。これにサーバー・クラウドの利用料が加わります。

例2:人数と期間からざっくり出す

要件が固まる前に予算の桁をつかみたいときは、「何人で何ヶ月か」だけで概算できます。

想定 計算 概算
1人で2ヶ月(単機能のツール) 70万円 × 1人 × 2ヶ月 140万円
2人で3ヶ月(小規模の業務システム) 75万円 × 2人 × 3ヶ月 450万円
3人で5ヶ月(中規模の業務システム) 80万円 × 3人 × 5ヶ月 1,200万円

(単価は職種をならした平均として置いた例です)

5年間の総額で見る

システムは作って終わりではありません。初期費用だけでなく、5年間の総額で比べるのが確実です。

5年総額 = 初期開発費 + 年間保守費×5 + クラウド利用料×60ヶ月 + 改修費

例1の370万円の場合、保守を年15%(約55万円)、クラウド利用料を月2万円とすると、5年で約370万+275万+120万=約765万円になり、改修費を除いても初期費用の約2倍です。保守を含めた5年総額が初期費用の1.5〜2倍になるのは珍しくありません。

システムの保守費用の相場は?

保守費用の目安は、年間で開発費の10〜20%です。どこまで面倒を見てもらうかで変わります。

保守の範囲 年額の目安(開発費500万円の場合) 主な内容
最低限 25万〜50万円(5〜10%) 障害時の調査と復旧、問い合わせ対応
標準 50万〜75万円(10〜15%) 上記+OS・ライブラリの更新、セキュリティ対応、定期点検
手厚い 75万〜100万円以上(15〜20%以上) 上記+監視、小さな改修の枠、定例の打ち合わせ

保守費とは別にかかるものもあります。

  • サーバー・クラウドの利用料:小規模なら月数千円〜数万円。アクセスやデータ量で増えます
  • ドメイン・SSL証明書・外部サービスの利用料:年数千円〜。決済や地図、メール配信などを使うと月額が足されます
  • 機能追加・改修:保守契約に含まれないことが多く、その都度見積もりになります

契約前に「保守に何が含まれ、何が別料金か」を一覧にしてもらうと、後からの想定外の請求を防げます。

見積もりの出し方と、見積書の見方

見積もりの3つの出し方

方法 内容 精度
類推見積もり 過去の似た案件から当てはめる 早いが粗い。初期の概算向き
積み上げ見積もり 機能・画面ごとに工数を積み上げる 要件が固まっていれば高い
ファンクションポイント法 機能の数と複雑さを点数にして工数に換算する 客観的だが手間がかかる

最初の打ち合わせで出る金額は類推の概算であることが多く、要件が固まるほど積み上げの金額に近づきます。概算と正式見積もりで金額が変わるのは普通のことです。

見積書のチェックリスト

確認すること 見るべきポイント
「一式」の中身 工程ごと・機能ごとの工数と単価が出ているか
含まれる工程 要件定義・テスト・データ移行・操作説明が入っているか
含まれない作業 何が別料金かが書かれているか
仕様変更の扱い 変更1回ごとの費用、どこからが追加になるか
打ち合わせの回数 上限と、超えた場合の費用
保守の範囲 障害対応、更新、改修のどこまでが月額に含まれるか
不具合の無償対応 納品後いつまで、どんな不具合を無償で直すか
ソースコードの権利 著作権が誰に帰属するか。他社に乗り換えられるか
契約形態 請負(完成に責任を持つ)か、準委任(作業時間に払う)か

請負と準委任で、費用の決まり方が違う

  • 請負契約:完成物に対して金額が決まります。予算は読みやすい一方、仕様変更のたびに追加費用が出やすくなります
  • 準委任契約:作業時間に対して払います。要件が固まっていない案件に向きますが、上限を決めないと総額が読めません

要件が固まっていない段階では、要件定義だけを準委任で切り出し、決まった後の開発を請負にする分け方が、発注者にとって予算を読みやすい形です。

見積もりが高くなる原因、安すぎる見積もりの注意点

費用が高くなる主な原因

  • 要件が曖昧なまま開発に入る:手戻りで工数が膨らみます
  • 多重下請け:元請けと実際に作る会社の間に入る会社の数だけ、管理費が乗ります
  • 非機能要件が重い:24時間止まらない、同時アクセスが多い、高いセキュリティが要る、といった条件は工数を大きく押し上げます
  • 既存システムとの連携やデータ移行:相手側の仕様確認や、データの整形に時間がかかります
  • 不確実さへの予備費:要件が読めないほど、見積もりに上乗せされます

相場より安すぎる見積もりで確かめること

相場より大幅に安い見積もりは、次のどれかが抜けていることがあります。

  • テストの工数が極端に少ない
  • 要件定義やデータ移行が含まれていない
  • 保守が別契約で、月額が高い
  • 仕様変更の追加費用が高く設定されている

初期費用が安くても、5年総額では逆転することがあります。 金額の安さより、「何が含まれていて、何が含まれていないか」で比べてください。

システム開発の費用を抑える方法

1. 最初の版を小さくする(MVP)

全機能を一度に作らず、業務が回るのに最低限必要な機能だけを先に作ります。使いながら足す方が、使われない機能に払うお金が減ります。進め方はMVP開発の実践ガイドにまとめています。

2. 既製のSaaSで足りる業務は作らない

勤怠・会計・経費精算などは既製のSaaSの方が安く、法改正への対応も任せられます。作るのは、自社独自のやり方が利益に直結する部分だけに絞ります。

3. ノーコード(kintoneなど)で作れないかを先に確かめる

案件管理、顧客管理、日報、申請・承認のような業務は、kintoneなどのノーコードツールで作れることが多く、一から開発するより初期費用が1桁下がることがあります。kintoneの場合の費用の考え方は次の記事にまとめています。

4. 要件定義とテストは削らない

逆説的ですが、要件定義とテストを削ると総額は増えます。要件が曖昧なまま作り始めると手戻りが起き、テストが薄いと本番で不具合が出て、その修正費がかかるためです。

5. 発注先を「作る人に近い会社」にする

多重下請けの構造では、間に入る会社の数だけ管理費が乗ります。要件定義から実装まで同じチームが担う会社に直接頼むと、伝言のずれと中間の費用が減ります。どこまでを自社に残すかはシステム開発の内製と外注の線引きを参考にしてください。

システム開発に補助金は使える?

使える制度はありますが、制度ごとに対象が違うので注意が必要です。

制度 システム開発への使いやすさ 注意点
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) 登録済みのソフト・クラウドの導入向き 事務局に登録されたITツールが対象。受託のオーダーメイド開発は原則対象外
ものづくり補助金 システム構築費が対象経費に入る枠がある 新しい製品・サービスや生産性向上の計画が要る。公募回で要件が変わる
小規模事業者持続化補助金 販路開拓のためのWebサイトなどに使える 業務システムの開発そのものには使いにくい

補助金は交付決定の前に契約・発注すると対象外になるのが原則です。補助率や上限額は公募回ごとに変わるため、必ず各制度の最新の公募要領で確認してください。制度の概要はDXに使える補助金まとめにまとめています。

まとめ

  • システム開発の費用相場は、小規模50万〜300万円、中規模300万〜1,000万円、基幹システム1,000万円以上が目安
  • 費用は人月単価×工数で決まる。単価はプログラマー40万〜80万円、SE60万〜120万円、PM80万〜160万円が目安
  • 工程の割合(要件定義10〜15%、設計15〜20%、実装30〜40%、テスト15〜25%)で見積書を検算できる
  • 保守費は年に開発費の10〜20%。5年総額は初期費用の1.5〜2倍になることが多い
  • 見積もりは「一式」を分解し、含まれない作業・仕様変更の扱い・保守の範囲を確認する
  • 費用を抑えるには、最初の版を小さくし、SaaSやノーコードで足りる部分は作らない。要件定義とテストは削らない
  • 補助金は制度ごとに対象が違う。デジタル化・AI導入補助金は受託開発が原則対象外

COTSUBUにご相談いただく場合

株式会社COTSUBUでは、業務の整理から「作るか、既製品を使うか、kintoneで作るか」の判断までをご一緒します。初回相談と現状調査は無料です。kintoneで作れる業務は、1業務・1アプリまで構築1ヶ月を0円で行い、使うと決めていただいてから月額5万円からです(2026年10月時点。条件と最新の料金は料金ページをご覧ください)。


関連リンク

よくある質問

システム開発の費用相場はいくらですか

目安は、1つの業務を効率化する小規模な業務システムで50万〜300万円、複数の業務をつなぐ中規模のシステムで300万〜1,000万円、販売・在庫・会計などを束ねる基幹システムで1,000万円以上です。費用の大半は人件費で、「人月単価×工数(人数×期間)」で決まります。

人月単価の相場はいくらですか

発注者が払う金額の目安で、プログラマーが月40万〜80万円、システムエンジニアが月60万〜120万円、プロジェクトマネージャーが月80万〜160万円です。同じ職種でも、大手SIer、中堅・中小の開発会社、フリーランス、オフショアの順に単価が下がる傾向があります。

システムの保守費用の相場はいくらですか

年間で開発費の10〜20%が一般的な目安です。開発費500万円なら年50万〜100万円になります。これとは別に、サーバーやクラウドの利用料が月数千円〜数万円かかります。機能追加や改修は保守に含まれず、別に見積もることが多いので、契約前に範囲を確認してください。

同じ要件なのに見積もりが2倍以上違うのはなぜですか

主な理由は、想定している人月単価の違い、見積もりに含める工程(要件定義・テスト・移行・保守)の違い、不確実な部分に乗せる予備費の違いの3つです。金額だけでなく、工程ごとの工数と単価、含まれていない作業を並べて比べると、差の理由が分かります。

システム開発に補助金は使えますか

使える制度はありますが、制度ごとに対象が違います。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、事務局に登録されたITツールの導入が対象で、受託のオーダーメイド開発は原則として対象外です。ものづくり補助金などはシステム構築費が対象経費に入る枠がありますが、公募回ごとに要件が変わるため、必ず最新の公募要領で確認してください。

費用を抑えるには何から手を付ければよいですか

まず、作る機能を「最初に必要なもの」と「後でよいもの」に分け、最初の版を小さくすることです。次に、勤怠や会計のように既製のSaaSで足りる業務は作らずに使うこと、kintoneなどのノーコードで足りる業務はそちらで作ることを検討します。要件定義とテストを削るのは、手戻りで総額が増えるので逆効果です。

宇田川 将也/ 代表取締役

2024年に総務省の地域活性化起業人として島根県海士町に着任。役場に住み込んで業務改善に従事し、kintoneで電子決裁や定期健診管理を構築しました。

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