CHAPTER 12
LINEツールの選び方と費用|Lステップ・エルメ
この章で分かること
- 公式アカウントのままか、ツールを入れるか。Lステップとエルメを、金額以外の判断軸で選ぶ方法
- 2年間の総額の出し方(払う先は何社か)と、乗り換えで移らないもの・止めない切り替えの段取り
- 内製化の4段階と、外注の見積もりの見方。そしてこの本の使い方(今いる場所から読む表)
この章の目次(12)
- 1ツールを入れる理由は「できないこと」の形で言う
- 2Lステップとエルメをどう選ぶか
- 3払う先は何社あるか
- 4乗り換えで、何が移って何が移らないか
- 5切り替えの段取り(配信を止めない)
- 6内製化:誰が配信を作るか
- 7外注する場合、見積もりの何を見るか
- 8契約・乗り換えをしないほうがよい場合
- 9費用について
- 10この本の使い方
- 11更新の約束
- 12相談したいとき
ツールを選ぶ作業は、機能の比較表を作ることではありません。「公式アカウントだけでは、何が個人単位で残らないのか」を1行で言えるかどうかです。言えないなら、まだ契約しないほうが安く済みます。 そして乗り換えは、一度しか通りません。友だちそのものは移りますが、タグ・友だち情報・シナリオの進行状況は移らないことが多い。 ここを知らずに切り替えると、積み上げた記録だけが消えます。 この章は、入れる理由をできないことの形で言い、2年間の総額を1つの数字にし、移らないものを一覧にしてから切り替え、最後に自社で回せる状態まで持っていくための章です。そして本全体の締めです。
この章で分かること
- 公式アカウントのままか、ツールを入れるか。Lステップとエルメを、金額以外の判断軸で選ぶ方法
- 2年間の総額の出し方(払う先は何社か)と、乗り換えで移らないもの・止めない切り替えの段取り
- 内製化の4段階と、外注の見積もりの見方。そしてこの本の使い方(今いる場所から読む表)
ツールを入れる理由は「できないこと」の形で言う
点検リストの1番であり、この章で最も大事な項目です。
「Lステップを入れたい」ではなく、「公式アカウントでは◯◯が個人単位で残らないから入れる」と言えること。 ここが言えないまま契約すると、機能の9割を使わずに月額だけ払い続けることになります。
1章の線引きを、この形に書き直します。
| 公式アカウントで残らないもの | ツールを入れると何ができるか | 自社に必要か |
|---|---|---|
| どの入口から登録したか(個人単位) | 入口ごとのURLで、登録と同時にタグが付く(2章) | |
| その人が今どの状態か(見込み/予約済み/休眠) | 状態タグで排他管理し、配信を出し分ける(3章) | |
| 登録からの経過日数に応じた配信 | ステップ配信。出口に進んだ人を止められる(4章) | |
| 誰が何を押したか(個人単位) | 興味タグが付き、次の配信に反映できる(3章・5章) | |
| 入力内容と友だちの結びつき | フォームの回答が、その友だちの情報として残る(8章) | |
| 入口別の成約件数 | 入口タグ × 出口で数えられる(11章) |
右端の列を埋めてください。 3つ以上に○が付くなら、ツールを入れる理由があります。1つも付かないなら、公式アカウントだけで3か月やってから考えるほうが、確実に安く済みます(1章の合格ラインと同じ判断です)。
使う機能を先に列挙する
点検リスト2番です。契約してから機能を眺めると、必ず要らないものまで設定します。 設定するものを、契約前に紙に書いてください。当社が最初の3か月で設定するのは、たいてい入口ごとのURL(5つ以内)とタグ付け/あいさつ+ステップ3通(4章)/リッチメニュー1枚(5章)/回答フォーム1つ(8章)/状態タグの自動付け替えの範囲です。
これ以外は、最初は設定しません。 高度な分岐もスコアリングも、3か月回してから必要になったものだけ足します。設定したものは、全部あなたが保守することになります。
Lステップとエルメをどう選ぶか
金額はここに書きません。 プランの料金・友だち数の上限・通数の上限は変わるため、必ず提供元の料金ページで確認し、確認した日を記録してください(点検リスト3番)。
ここでは、金額以外で見る6つの判断軸を書きます。
| # | 判断軸 | 見るところ |
|---|---|---|
| 1 | 使う機能が、そのツールにあるか | 前節で列挙した機能を、提供元の機能ページで1つずつ照合する |
| 2 | 管理画面を、配信を作る人が触れるか | 無料の試用や画面のデモで、実際に触ってもらう。 作る人が触れないツールは続きません |
| 3 | 分析が、11章の表を出せるか | 入口タグ × 出口の掛け合わせが出せるか。出せないなら業務側で数える(10章) |
| 4 | 料金の変わり方 | 友だち数と通数のどちらで変わるか。段階が変わる人数を提供元のページで確認 |
| 5 | 書き出しができるか | 友だち情報・タグ・回答内容を書き出せる手段と形式(点検リスト10番) |
| 6 | 構築や相談を頼める先があるか | 自社の近くに、そのツールを扱える人がいるか |
2番を飛ばさないでください。 機能が多いツールほど管理画面は複雑になり、「毎月配信を作る人」が開かなくなります。開かれないツールの機能は、無いのと同じです。
そのうえで、当社が相談を受けたときの出発点はこうです。まず無料の範囲で始めたい/管理画面が簡単なほうがよいならエルメ(L Message)が候補、細かな分岐と入口別の分析を重視するならLステップが候補、どちらも決められないなら公式アカウントだけで3か月(決められないのは、使う機能が固まっていないからです)。
どちらが優れているかという問いには、答えがありません。 使う機能と、触る人と、数えたい数字で決まります。当社は両方を構築します(Lステップ構築/エルメ構築)。どちらを勧めるかは、上の6軸を一緒に埋めてから決めます。
払う先は何社あるか
1章で「払う先は何社か」を問いにしました。ここで回収します。LINEの運用は、1社に払って終わりではありません。
| 払う先 | 何の費用か | 誰との契約か |
|---|---|---|
| LINEヤフー | LINE公式アカウントの月額(プランによる) | 御社 |
| ツール提供元(Lステップ/エルメ等) | ツールの月額 | 御社 |
| 連携サービス(使う場合) | ノーコード連携の月額(10章) | 御社 |
| サーバー・ホスティング(LIFFを作る場合) | 毎月の維持費(9章) | 御社、または制作側 |
| 構築を頼む会社 | 初期の設計・構築 | 御社 |
| 運用を頼む会社 | 毎月の配信作成・改善 | 御社 |
最初の4つは、構築会社の見積もりには入りません。 御社が直接契約する費用です。ここを見落としたまま稟議を通すと、公開の直前に「毎月の費用が想定と違う」という話になります。
2年間の総額を1つの数字にする
点検リスト4番です。月額で考えると必ず小さく見えます。 次の表を、自社の数字で埋めてください。
| 項目 | 初期 | 月額 | 24か月の合計 |
|---|---|---|---|
| LINE公式アカウント | — | (提供元の料金ページで確認) | |
| ツールの月額 | (提供元の料金ページで確認) | ||
| 連携サービス | |||
| サーバー(LIFFを作る場合) | |||
| 構築 | — | ||
| 運用(外注する場合) | |||
| 合計 | ← この1つの数字で判断する |
そして、この合計を、11章で数えている出口の件数で割ってください。 「予約1件あたり、いくらかけているか」が出ます。この数字が出せる会社は、続けるか止めるかを冷静に判断できます。
24か月にしているのは、1年では構築費の比重が大きすぎて判断が歪むからです(当社の決めごとです)。2年で見ると、運用費のほうが大きいことが分かります。
友だちが増えたときと、通数が増えたとき
点検リスト5番・6番です。友だち数は、段階が変わる人数を確認しておきます。予算の壁がどこにあるかを知っていると、入口を増やす判断のときに慌てません。通数は、数え方が吹き出し単位になっていることがあります(2章・6章)。1回の配信で吹き出しを3つ送れば、1人あたり3通という数え方です。上限を決めているのは、読む負担のためだけではありません。
数え方も段階も、必ず提供元の料金ページで確認してください。 変わるため、この本には書きません。
乗り換えで、何が移って何が移らないか
この節が、この章で最も損失を防ぎます。
移るもの
友だちそのものは移ります。 正確には、移るのではなく、そのまま残ります。
LINE公式アカウントは御社のもので、Lステップやエルメは、その公式アカウントに外から接続する道具です。だから公式アカウントを変えなければ、友だちリストはそのままです。「登録し直してください」とお願いする必要はありません。
逆に、LINE公式アカウントそのものを作り直すなら、友だちは移りません。 ここだけは絶対に避けてください。ゼロからの再登録は、必ず大半が戻ってきません。 点検リスト8番が「同じLINE公式アカウントを使い続ける設計になっている」なのは、このためです。
移らないことが多いもの
| 移らないもの | 何が起きるか |
|---|---|
| タグと、友だちの紐付け | 「この人は店頭から来た」「この人は予約済み」という個人ごとの記録が失われる |
| 友だち情報(カスタム項目)の中身 | 入力してもらった内容が消える |
| ステップ配信の進行状況 | 「今3通目まで届いている」という位置が失われる。再開位置が分からない |
| 過去の配信履歴・クリックの記録 | 11章で積み上げた記録が途切れる |
| フォームの過去の回答 | 書き出しておかないと参照できなくなる |
1つ目が最も痛いです。 タグの一覧(名前の定義)は作り直せますが、「誰にどのタグが付いていたか」は、新しいツール側では分かりません。 そして3章で書いたとおり、タグは遡って付けられません。
つまり、乗り換えた翌日から、友だちは全員「どこから来たか分からない、状態も分からない人」に戻ります。
ただし、諦める前に3つ確認してください。両方のツールで書き出しができるか(書き出せる形式と、取り込める形式が合うか)。書き出しに友だちの識別子が含まれるか(含まれるなら、業務側で突き合わせられる可能性があります)。そしてどこまで移せるかは、提供元に問い合わせて確認すること。仕様は変わるので、当社が代わりに断定できるものではありません。
これが、10章で「業務側を正本にする」と書いた理由です。 正本が業務側(kintone等)にあるなら、失われるのはLINE側の配信用のタグだけで、顧客の情報は残ります。つなぎ先を持っている会社は、乗り換えの被害が小さくて済みます。
切り替えの段取り(配信を止めない)
点検リスト9番です。移行は一度しか通りません。 順番を決めてから動きます。
| 順 | やること | 注意 |
|---|---|---|
| 1 | 現状を書き出す | タグ一覧・友だち情報・シナリオ・フォームの回答を、旧ツールから書き出して保管する |
| 2 | 新ツールで、タグと入口を作る | 3章の 区分_値 で作り直す。この機会に、使っていないタグを捨てる |
| 3 | ステップ配信とフォームを作る | 4章・8章の設計をそのまま移す。文面は見直す |
| 4 | テスト登録して、全部を通す | 入口タグが付くか、ステップが届くか、フォームが業務側に入るか(10章)。必ず実機で |
| 5 | 定期配信(B)を止めずに切り替える | 切り替え日の前後は、旧ツールで定期配信を続けながら、新ツールの登録導線だけ先に切り替える |
| 6 | 入口のURL・QRを差し替える | 印刷物は差し替えに時間がかかる。旧URLが生きているうちに新しいものを配る |
| 7 | 1か月並走してから、旧ツールを解約する | 解約すると書き出しもできなくなることがある。書き出し済みを確認してから |
5番と7番が、止めないための工夫です。 切り替えの日に全部を入れ替えようとすると、必ずどこかが動かず、その日の配信が飛びます。
そして、印刷物のQRコードに注意してください。 店頭のPOP、名刺、チラシ。差し替えが終わるまで旧URLが生きている必要があります。紙に印刷したものは、後から直せません。
なお、書き出しの手段・形式・識別子の有無を確認するのは、解約のときではなく契約の前です(点検リスト10番)。解約を決めてから調べると、間に合わないことがあります。
内製化:誰が配信を作るか
最後に残るのは、道具ではなく人です。 最も起きやすい失敗は、設計も構築もうまくいったのに、3か月後に配信が止まっているという形で、理由はたいてい同じ——毎月の配信を作る人が決まっていないからです。
4段階
| 段階 | できること | 到達の目安 | 次へ進んでよい判断 |
|---|---|---|---|
| 1. 送れる | 一斉配信を作って送れる。記録表に1行書ける | 1日 | 3か月、配信が止まっていない |
| 2. 直せる | リッチメニューの差し替え、ステップの文面変更、タグの追加 | 2週間 | 外注への依頼が月0〜1件になった |
| 3. 設計できる | 新しい入口を足し、セグメントと除外を自分で決められる | 2〜3か月 | 入口を1つ自力で立ち上げ、11章の表に数字が出た |
| 4. 判断できる | 数字を見て、止める・増やす・変えるを決められる | 3か月〜 | — |
1と2のあいだが、いちばん脱落します。 必要なのは技術ではなく、権限(管理画面を触れないと練習もできません)と時間(毎月の配信を作る時間を、業務として確保する)、そして詰まったときに聞ける相手です。3つ目だけは、外部の人が入る意味があります。
月に2時間を、業務として確保してください。 定期配信を2本作り、記録表に行を足し、月次の30分(11章)を回すには、それくらいが実際の目安です(当社の決めごとです)。「余裕があるときに」は、確保していないのと同じです。
全部を内製化しなくてよい
次の4つは、外に置いたほうが結果的に安く済むことが多い領域です。
- LIFFの開発と保守(9章。サーバーと、仕様変更への追随が残ります)
- 業務システムとの連携の構築(10章。相手側の仕様変更に追随し続けます)
- 移行(この章。一度きりの作業で、習得が引き合いません)
- 初期の設計(2章・3章。間違えると遡れないところが多く、直しにくい)
毎月の配信・メニューの差し替え・数字を見ることは社内。それを超える部分は外部。 この線引きが現実的です。点検リスト12番の「自社で回す範囲と、頼む範囲の線」は、ここを書きます。
運用マニュアルは1ファイル
点検リスト11番です。担当が代わる前提で、6つを1つのファイルにまとめてください。 ①配信の作り方(手順・吹き出しの上限・送信時間帯・テスト送信)、②タグの意味(3章のタグ一覧シート。用途の列が全行埋まっていること)、③入口の一覧(どのURLがどこに使われているか。印刷物の差し替え状況も)、④数字の見方(月次の3画面と1行メモ。11章)、⑤連携の構成(つなぎ先・向きの表・エラー通知の届き先。10章)、⑥契約の一覧(払っている先・更新日・解約時の書き出し手段)。
置き場所は1か所にします。 担当者のPCの中ではなく、共有できる場所に。外部の会社に作ってもらった場合は、これが納品物に入っているかを契約前に確認してください。
外注する場合、見積もりの何を見るか
金額の大小ではなく、入っていないものを見ます。 入っていない見積もりは、安く見えます。
| 見る項目 | 入っていないとどうなるか |
|---|---|
| 入口ごとのURLとタグ付けの設定+テスト登録 | 2章・3章が×のまま運用が始まる。遡れません |
| 出口に進んだ人をステップから外す設定+テスト | 予約済みの人に予約の案内が届き続ける(4章の必須項目) |
| エラー通知の設定とテスト(連携する場合) | 静かに止まり、誰も気づかない(10章の必須項目) |
| 記録表と数字の見方の引き渡し/運用マニュアル | 11章が回らず、担当が代わると何も分からなくなる |
| 公開後に自社で直せる範囲 | 文言の変更のたびに依頼と費用が発生する |
| 毎月の費用の内訳(誰と契約するか) | 構築費だけで稟議を通し、運用費が出てこない |
最後の行が、最も多い詰まり方です。 上の「払う先」の表を、見積もりと一緒に出してもらってください。
契約・乗り換えをしないほうがよい場合
次のどれかに当たるなら、今は契約も乗り換えもしないでください。
| # | 当てはまる状況 | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 1 | ツールを入れる理由を、できないことの形で言えない | 1章に戻る。公式アカウントだけで3か月 |
| 2 | 毎月の配信を作る人が決まっていない | 人を決めるのが先。 道具を変えても、送る人はいません |
| 3 | 出口が1つに決まっていない | 2章に戻る |
| 4 | 今のツールが使えていない(機能の1割しか使っていない) | 乗り換えても同じことが起きます。 使えていない理由を先に特定する |
| 5 | 書き出しの手段を確認していない | 確認してから。解約後には確認できません |
| 6 | 切り替えの日程が、繁忙期や印刷物の配布時期と重なっている | ずらす。移行は一度しか通りません |
| 7 | LINE公式アカウントそのものを作り直す計画になっている | やめる。 友だちは移りません |
4番について1つだけ。「今のツールが合っていない」と相談されて診断すると、合っていないのは道具ではなく設計だったというケースが多くあります。乗り換える前に、1章・2章・11章の3本(34項目)を先に通してください。×が出た場所が、乗り換えても直らない場所です。
費用について
LINE公式アカウントの設計・運用・Lステップ構築・エルメ(L Message)構築は、初回相談と現状の診断が無料、設計・構築と運用・改善はお見積りです。LIFF開発は、初回相談と要件の整理が無料、開発と運用・改善はお見積りです。
お見積りは、友だちの数・使うツール・シナリオと入口の数・連携の有無で変わります。 LINE公式アカウント、Lステップ、エルメの月額料金は御社のご契約で、当社の見積もりには含みません。LIFFでサーバー費用が必要な場合は、別途お伝えします。
この本の使い方
12章を通しで読む必要はありません。自社が今いる場所の章から読み、その章の点検リストに○×を付けてください。 全12章に12本・126項目の点検リストが入っています。
| 今いる場所 | 読む章 | 手元に残る点検リスト |
|---|---|---|
| やるかどうかを決める | 1章 | 投資して報われるか10 |
| 集めた後の道を引く | 2〜3章 | 集めた後の設計12/タグ設計10 |
| 最初の7日と常設の導線を作る | 4〜5章 | 登録直後7日10/リッチメニュー10 |
| 定常の配信と返信を回す | 6〜7章 | 配信前チェック12/チャット運用8 |
| 申込を受ける | 8〜9章 | LINEで受ける申込10/LIFF着手前10 |
| つないで、測る | 10〜11章 | 連携10/計測の土台12 |
| 道具と人を決めて、続ける | 12章 | ツール選定と移行12 |
読み方は3通りあります。通しで読む(これから設計する場合)、点検リストだけ先に印刷して付ける(すでに動いているLINEの健康診断)、契約の前に1章と12章だけ読む(ツールを選ぶ場合。入れる理由と2年間の総額を決める2章分です)。
すでに運用しているアカウントの診断なら、1章・2章・11章の3本(34項目)を先に通してください。 ここで×が出た場所が、必ず最初に直す場所になります。
判断に迷ったときは、この本の骨になっている3つの原則に戻ってください。
- 出口から逆に決める。 出口 → セグメント → 配信 → タグ → 入口。入口から考えると、必ず「とりあえず登録してもらう」で止まります(2章)
- 遡れないものを先に決める。 入口ごとのURLとタグ、友だちの識別子の設計、LINE公式アカウントそのもの。ここは今日決めたことが今日以降にしか効きません(2章・3章・9章・12章)
- 数えていないものは、増えていても見えない。 成果は出口の件数。登録数ではありません(11章)
そして、この本が一度も書かなかったことを、最後に確認してください。出典のない統計、「この配信をすると◯%増える」という断定、各ツールのプランの金額と上限、規約の解釈。この4つは、他で見かけたときも同じように疑ってください。 代わりに使うのは、いつも自分の管理画面で測れる数字です。
更新の約束
- 正本はこのフォルダのMarkdownです。 ホワイトペーパー(PDF)・スライド・音声・動画は、すべてここから作ります。内容が食い違ったら、こちらが正しいと考えてください
- 出典のない数字は書きません。 当社が運用で使っている閾値(週1回から始める/1回3吹き出し/翌日のブロック増0.5%/月の転記30分・2時間/判断は3か月)は、すべて当社の決めごととして理由を添えて書いています。自社の記録が3回分たまったら、自社の数字に置き換えてください
- ツールの料金・友だち数や通数の上限は書きません。 変わるためです。必ず提供元の料金ページで確認し、確認した日を記録してください(本書の記載は2026年9月時点。当社の料金は当社のページが最新です)
- 規約は解釈しません。 LINEヤフーの規約・ガイドラインと、使うツール各社の規約を、御社で確認してください。判断が分かれるところは提供元に問い合わせてください。規約に触れたときに止まるのは配信ではなく、アカウントそのものです
- 実物にない機能は書きません。 本書の内容は、当社が自社サービスと受託で実際に運用しているLINE公式アカウント・Lステップ/エルメ・LIFF、そしてLINEヤフーとLINE Developersの公表資料の範囲から引いています
- LINEの仕様変更、ツールの機能追加、当社の料金の改定があったときは、該当する章を直し、更新履歴に残します
相談したいとき
- 今のアカウントを見てほしい — LINE公式アカウントの設計・運用。初回相談と現状の診断は無料です
- ツールを入れる・乗り換える — Lステップ構築/エルメ構築。どちらを勧めるかは、6つの判断軸を一緒に埋めてから決めます
- 標準機能で足りないところを作る — LIFF開発。初回相談と要件の整理は無料です。要らないと判断した場合は、その理由をお伝えします
- 業務システム側から整えたい — kintoneの教科書もあわせてご覧ください。LINE側と業務側を、同じ担当が見ます
この本の点検リストに×が付いた項目を持ってきていただくのが、いちばん早い相談のしかたです。 どこが×かが分かっていれば、話は「何を作るか」ではなく「何から直すか」から始められます。
そして、この教科書に書いた設計は、当社のLINE公式アカウントでそのまま動いています。 点検リストをまとめたPDFはLINE登録と引き換えにしているので、受け取る過程そのものが、4章のあいさつメッセージと、5章のリッチメニューと、11章の入口タグの実演になっています。書いてあるとおりに動いているかどうかを、確かめてから読んでください。
この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)
点検リスト:ツール選定と移行(12項目)
合格ライン=12項目すべて。1つでも空欄なら、契約も乗り換えもしません。
| # | チェック項目 | ○の条件(合格の状態) |
|---|---|---|
| 1 | ツールを入れる理由が、できないことの形で言える | 「公式アカウントでは◯◯が個人単位で残らないから」と言える |
| 2 | 使う機能を先に列挙した | 使う機能の一覧があり、それ以外は設定しないと決めてある |
| 3 | 必要なプランを提供元の料金ページで確認した | 確認日を記録した(金額は各自の見積もりに記載) |
| 4 | 2年間の総額を1つの数字にした | LINEヤフー+ツール+構築+運用+(連携・サーバー)の合計が出ている |
| 5 | 友だち数が増えたときの費用の増え方を確認した | 段階が変わる人数を確認済み |
| 6 | 配信の通数が費用に与える影響を確認した | 数え方(吹き出し単位かどうか)を提供元のページで確認済み |
| 7 | 乗り換えで何が移らないかを一覧にした | タグと友だちの紐付け・友だち情報・シナリオの進行状況の扱いが書いてある |
| 8 | 友だちそのものは移ることを確認した | 同じLINE公式アカウントを使い続ける設計になっている |
| 9 | 切り替えの日程が決まっている | 配信が止まらない日程(並走期間を含む)になっている |
| 10 | 解約時にデータを出せる手段を確認した | 書き出しの手段と形式を確認済み。識別子が含まれるかも確認した |
| 11 | 運用マニュアルがある | 配信の作り方・タグの意味・入口の一覧・数字の見方・連携・契約が1つのファイルにある |
| 12 | 自社で回す範囲と、頼む範囲の線が引いてある | 書いてある |
なぜ全項目必須なのか。 他の章の点検リストは、×があっても運用しながら直せます。移行は違います。一度しか通りません。 7番を知らずに切り替えれば記録は戻らず、8番を間違えれば友だちが戻らず、10番を確認せずに解約すればデータが出せません。9章のLIFF着手前チェックを全項目必須にしているのと、同じ理由です。
更新日 2018年10月20日
