株式会社COTSUBU

CHAPTER 03

Lステップのタグ設計|増やさない・引き継げる

この章で分かること

  • 「タグ」と「友だち情報(カスタム項目)」の使い分け(絞り込みに使うか、差し込みに使うか)
  • 作ってよいタグの3区分・命名規則・1人あたりの上限と、排他にすべきタグの見分け方
  • 遡って付けられるタグと付けられないタグの線引き、増えすぎたタグの棚卸しの手順
この章の目次(8)
  1. 1タグと友だち情報は、入れるものが違う
  2. 2作ってよいタグは3区分だけ
  3. 3名前は `区分_値` で統一する
  4. 4遡って付けられるもの・付けられないもの
  5. 5増えすぎたタグの整理(棚卸し)
  6. 6個人情報は、持つ範囲を先に決める
  7. 7よくある誤解を3つ
  8. 8この章の出口

タグは、増やすほど分かるようになる道具ではありません。増やすほど、誰も触れなくなる道具です。 実際、当社が既存アカウントの立て直しで最初にやるのは、タグを足すことではなく使っていないタグを消すことです。数十個あるタグのうち、直近3ヶ月で絞り込みに使われていたのは2つだけ、という状態が珍しくありません。 この章は、タグを3区分(状態・入口・興味)に閉じ込め、名前を区分_値で統一し、排他にするものを決め、遡って付けられないものを先に確定させるための章です。

この章で分かること

  • 「タグ」と「友だち情報(カスタム項目)」の使い分け(絞り込みに使うか、差し込みに使うか)
  • 作ってよいタグの3区分・命名規則・1人あたりの上限と、排他にすべきタグの見分け方
  • 遡って付けられるタグと付けられないタグの線引き、増えすぎたタグの棚卸しの手順

タグと友だち情報は、入れるものが違う

Lステップ・エルメには、友だち一人ひとりに情報を持たせる仕組みが2種類あります。名前は各社で違いますが、性質は同じです(正確な名称と上限は提供元のマニュアルで確認してください)。

タグ 友だち情報(カスタム項目)
形 付いている/付いていないの2択 文字・数字・日付などの値
主な用途 絞り込み(誰に送るかを決める) 表示・差し込み(本文に名前を入れる、担当者が見る)
例 状態_予約済み/入口_店頭 氏名/来店回数/次回の予約日/担当者名
増え方 種類が増える(設計が要る) 項目が増える(値は勝手に増える)
判断 配信の対象が変わる 配信の対象は変わらない

この表は、上から2行目までを読めば判断が付きます。3行目以降は、その判断が正しかったかを後から確かめるための行です。迷ったときに見るのは「主な用途」の行で、絞り込みに使うのか、本文や画面に出すだけなのか、という一点だけを考えてください。

使い分けの基準は1行で言えます。「配信の対象が変わるならタグ、変わらないなら友だち情報」です。

来店回数をタグにすると、来店1回〜来店20回まで20個のタグができ、付け替えの設定も20本必要になります。友だち情報に数字で持てば1項目です。逆に「予約済みかどうか」を友だち情報の文字列で持つと、絞り込みのたびに文字の一致を書くことになり、表記ゆれで漏れます。

迷ったら、「この情報で送る相手を分けるか」を自問してください。分けないなら、タグにする必要はありません。

作ってよいタグは3区分だけ

2章のセグメントの3軸が、そのままタグの区分になります。区分は4つ以内、実質3つに収めます。

区分を3つに絞るのは、分類として美しいからではありません。タグは、作るときには一つひとつに理由がありますが、半年後に一覧を開いた人には、その理由が見えないからです。区分が3つであれば、知らないタグが出てきても「これは状態か、入口か、興味か」のどれかに必ず収まり、意味を推測できます。区分が増えた瞬間に、この推測が効かなくなります。

もう一つの理由は、増やせる場所を別に用意してあることです。細かく持ちたい情報は、タグではなく友だち情報に入ります。区分を絞っても、持てる情報が減るわけではありません。置き場所が変わるだけです。

区分 何を表すか 排他にするか 付ける方法 例
状態 出口に対してどこまで進んだか 排他(必ず1つだけ) 操作・イベントで自動 状態_見込み/状態_予約済み/状態_来店済み/状態_休眠
入口 どこから登録したか 排他(原則ひとり1つ) 登録時に自動 入口_店頭POP/入口_料金ページ/入口_広告A
興味 本人が示した関心 排他にしない(複数可) ボタンのタップ・アンケート回答で自動 興味_料金/興味_導入事例/興味_採用

4つ目の区分を作りたくなったら、まず友だち情報で持てないかを確認してください。「担当者」「会員番号」「契約更新日」は、すべて友だち情報です。タグにする理由がありません。

排他にするタグと、しないタグ

排他とは、同じ区分のタグが同時に2つ付かないようにすることです。 新しいタグを付けるとき、同じ区分の古いタグを自動で外す設定にします(Lステップ・エルメのどちらにも、この設定はあります。手順は提供元のマニュアルで確認してください)。

排他にする 排他にしない
対象 状態・入口 興味
理由 「見込み」と「予約済み」が同時に付くと、両方の配信に入って矛盾した内容が届く 関心は複数あって当然。料金も事例も見た人は、両方付いていてよい
付け替えの瞬間 必ず決める(後述) 決めない(足すだけ)
外す操作 自動で外れる 基本は外さない

排他の設定を入れていないアカウントで最も多い事故が、予約した人に予約の案内が届き続けることです。文面をどれだけ丁寧にしても防げません。設定の問題です。

付け替わる瞬間を、操作かイベントに紐づける

状態タグは、人の判断で付け替える設計にすると必ず付け忘れます。 次のように、こちらで観測できる出来事に紐づけてください。

付け替え先 きっかけ(操作・イベント)
状態_予約済み 予約フォームの送信が完了したとき
状態_来店済み 来店の記録を入れたとき/来店後のアンケートに答えたとき
状態_休眠 最後の反応から90日が経過したとき(日数は自社で決める)
状態_見込み 登録した瞬間(初期値)

初期値を決めておくことが重要です。 どの状態にも入っていない友だちがいると、「全員配信」以外で届かない人が生まれます。

名前は 区分_値 で統一する

タグ名の付け方を先に決めないと、予約済み・予約済・【済】予約が並びます。書いた本人以外には区別が付きません。

決めごとは4つだけです。

  • 区分_値 の形にする。 区切りは半角アンダースコア1つ(状態_予約済み)
  • 区分は、決めた3つ(+必要なら1つ)以外を作らない
  • 値に日付・数字・担当者名を入れない。 入口_広告A_20260901 のようなタグは、翌月には意味が分からなくなります。日付が要るものは友だち情報です
  • 記号・絵文字を入れない。 並び替えと検索が壊れます

この形にしておくと、管理画面のタグ一覧が区分ごとに固まって並びます。これだけで、棚卸しの速さが変わります。

1人に付くタグの上限を決める

当社は 「状態1つ+入口1つ+興味3つまで=最大5つ」 を出発点にしています。これは出典のある基準ではなく、当社の決めごとです。理由は2つあります。

  • 6つ以上付くと、配信の対象を決めるときに人が読み切れません。「このタグとこのタグが付いていて、こっちが付いていない人」を正しく組み立てられなくなります
  • 興味タグが4つ以上付く人は、結局「全部に興味がある人」であり、絞り込みの役に立ちません

上限を決める目的は節約ではなく、判断を速く保つことです。自社で運用してみて足りなければ、理由を書いて増やしてください。

遡って付けられるもの・付けられないもの

ここが、この章で最も費用に効く話です。

種類 遡れるか 理由と、代わりの手
入口タグ 遡れない 登録時のURLでしか判別できません。すでにいる友だちには、アンケートで自己申告してもらう以外に手がなく、答えるのは一部です
登録日より前の行動 遡れない 登録前にサイトで何を見たかは、LINE側に記録がありません
過去の配信のクリック ツールを入れる前の分は遡れない 計測の仕組みが入った後のクリックしか残りません
状態タグ 遡れる(条件付き) 業務側に予約・購入の履歴があれば、友だちと突き合わせて一括で付けられます。ただし友だちと顧客が紐づいている場合だけです
興味タグ 遡れる アンケート・リッチメニューのタップで後から集められます。時間はかかりますが取り返せます

この表は、上の3行と下の2行で意味が違います。上の3行は、今日決めなければ永久に失われるものです。下の2行は後からでも取り返せるので、今日の作業から外して構いません。タグ設計にまとまった時間を取れないときは、上の3行だけを先に手当てしてください。順番を逆にして、遡れる状態タグの整理から始める会社が多いのですが、その間にも入口の情報は毎日失われ続けます。

取り返せないのは入口タグだけと覚えてください。だから2章で「入口の設計は集める前に済ませる」と書いています。

すでに友だちがいる場合の後付けの手

友だちが数百人いる状態でタグ設計を始めるなら、次の順番で埋めます。

  1. 業務側の履歴と突き合わせる(予約システム・顧客管理に名前と連絡先があるなら、状態タグはここから付けられます)
  2. リッチメニューのタップで興味タグを付ける(押すだけで付くので、アンケートより回収率が高い)
  3. アンケートを1回だけ出す(項目は3つまで。答える理由=特典を用意する)
  4. 入口は「不明」で確定させる。無理に推測しない。入口_不明 を1つ作り、そこで止めます

4番が大事です。分からないものを推測で埋めると、入口別の数字が全部信用できなくなります。 不明は不明のまま置き、今日以降に登録する人から正しく取ってください。

増えすぎたタグの整理(棚卸し)

既存アカウントの立て直しでは、次の手順で回します。年1回ではなく、3ヶ月に1回が目安です。

  1. タグ一覧を書き出す(管理画面から。手で写してもよい)
  2. 各タグに 「直近3ヶ月で、絞り込みに使ったか」 の列を付ける
  3. 使っていないタグを3つに仕分ける
仕分け 判断 やること
消す 用途を誰も説明できない/付いている人が0人 削除する
統合する 似た意味のタグが複数ある(予約済と予約済み) 片方に寄せて、もう片方を消す
残す 使っていないが、今後使う予定が書ける 用途の列にいつ何に使うかを書く。書けないなら「消す」に回す

削除は、付いている人数を確認してから行ってください。 タグを消すと、そのタグを条件にしている配信・シナリオが動かなくなることがあります。消す前に、そのタグを使っている設定を検索して洗い出すのが先です。

タグ一覧シートを1枚持つ

担当が変わったときに残るのは、管理画面のタグ名だけです。名前だけでは意味が伝わりません。 次の6列を1シートに持ってください。

列 書くこと
タグ名 区分_値 の形で
区分 状態/入口/興味
何に使うか 「予約リマインドの対象を絞る」など、配信名で書く
付く条件 どの操作・イベントで付くか
外れる条件 排他なら、何に付け替わるか
最終更新日 触った日

3列目が全行埋まっていることが、この章の必須条件です。「何に使うか」が書けないタグは、作ってはいけないタグです。

個人情報は、持つ範囲を先に決める

友だち情報には、氏名・電話番号・メールアドレスのような個人情報も入れられます。入れられることと、入れるべきことは別です。

  • LINE側に持つのは、連絡と本人確認に最低限必要なものだけにします。購入履歴・健康情報・支払い情報のような重い情報は、業務システム側に置き、LINEには識別子(誰か分かる印)だけを持たせるのが基本形です(詳細は10章)
  • 受け取る前に、何に使うかを示してから受け取ってください
  • 保存する場所と保存期間、削除の手順を決めてから集めます
  • 取得してよい情報の範囲は、LINEヤフーの規約と、使うツール各社の規約の両方を確認してください。 当社が代わりに判断できるものではありません。解釈が分かれるところは提供元に問い合わせてください

よくある誤解を3つ

「タグは細かいほど後で役に立つ」 ——役に立つのは、絞り込みに使ったタグだけです。使われないタグは、一覧を長くして棚卸しを重くするだけで、判断を1つも速くしません。増やす前に「このタグを条件にする配信を、今すぐ1つ言えるか」を確認してください。言えないなら、作らないのが正解です。

「後からでもタグは付け直せる」 ——付け直せるものと、付け直せないものがあります。入口タグと、登録前の行動は遡れません。 友だちが1,000人いるアカウントで今日タグ設計をしても、その1,000人は「どこから来たか分からない人」のままです。状態と興味は後から埋められるので、そこに手をかけてください。

「タグを整理すると、過去のデータが消えて損をする」 ——消えて困るのは、使っているタグだけです。直近3ヶ月で一度も絞り込みに使っていないタグは、消しても失うものがありません。逆に、残しておくことで「どれが生きているタグか分からない」状態が続き、次の担当が新しいタグを作り足します。整理しないことのほうが高く付きます。 既存アカウントの棚卸しは当社でも承っています(/services/lstep・/services/lmessage。初回相談・現状の診断は無料です)。

この章の出口

この章を終えたとき、手元に残っているべきものは次の3つです。

  1. タグ一覧シートが1枚(タグ名・区分・何に使うか・付く条件・外れる条件・最終更新日の6列。用途の列が全行埋まっている)
  2. 状態タグが排他になっていることを、テスト登録で確認した記録(付け替わる瞬間が設定に入っている)
  3. 遡れないものの確定(入口タグを後付けするか、入口_不明 で止めるかを決めた)

この3つが揃えば、設計図の②欄は設定に落ちています。次は、その印を使って最初の7日に何を送るかを決めます。 登録直後は、その人が一番こちらに関心を持っている時間帯で、しかも同じ人には二度と来ません。

次の章へ:4章 LINEのあいさつメッセージとステップ配信

この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)

点検リスト:タグ設計の点検(10項目)

タグを作り始める前、または既存アカウントの棚卸しのときに付けてください。

# チェック項目 ○の条件(合格の状態)
1 タグと友だち情報の使い分けが1行で書ける 「配信の対象が変わるならタグ、変わらないなら友だち情報」等の基準が書いてある
2 タグ名が「区分_値」の形で統一されている 例:状態_予約済み/入口_店頭。区分は4つ以内
3 状態のタグが排他になっている 同時に2つ付かない。付け替わる瞬間が設定に入っている。テストで確認した
4 1人に付くタグの上限を決めた 状態1+入口1+興味3つまで、等。数字で決めてある
5 使っていないタグを棚卸しした 直近3ヶ月で絞り込みに使っていないタグが0個
6 タグを付ける操作が自動になっている 手作業で付けるタグが3種類以下
7 各タグの「何に使うか」が一覧に書いてある タグ一覧シートがあり、用途の列が全行埋まっている
8 既存の友だちに遡って付ける手段を決めた アンケート・メニューのタップ等で後付けする設計がある(または「付けない」と決めてある)
9 個人情報を友だち情報に入れる範囲を決めた 何を持ち、何を持たないか、保存期間が書いてある
10 担当が変わっても意味が分かる状態になっている タグ一覧シートの最終更新日が3ヶ月以内

合格ライン=10項目中8つ以上。必須項目は 2・3・7 の3つです。どれか1つでも×なら、何点でもタグを増やさないでください。

この3つを必須にしている理由は、半年後に触れるかどうかが、この3つだけで決まるからです。

  • 2が×(命名がばらばら)なら、一覧を見ても区分が分かれず、棚卸し自体ができません
  • 3が×(排他でない)なら、予約した人に予約の案内が届きます。これは文面では直せません
  • 7が×(用途が書いていない)なら、担当が変わった瞬間に、消してよいタグが1つも判断できなくなります

なお、8は「付けない」と決めても○です。 決めていない状態=後で何とかなると思っている状態が、最も高く付きます。

読んでも決めきれないところは、一緒に決めます

30分の相談は無料です。タグと導線の設計から引き受けます。引き受けられる範囲はLINE公式アカウントの設計・運用にまとめています。

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更新日 2018年10月20日