株式会社COTSUBU

CHAPTER 04

LINEのあいさつメッセージとステップ配信

この章で分かること

  • 登録直後に届けるもの(自己紹介ではなく、相手の用を先に渡す形)と、あいさつメッセージの型
  • 1通目・2通目・3通目の役割、届ける間隔、入口ごとの分岐の作り方
  • 7日以内のブロックが起きる原因と、効いているかを測る4つの指標
この章の目次(10)
  1. 1登録直後の7日を、なぜ独立した章にするのか
  2. 2最初に渡すのは、自己紹介ではない
  3. 3あいさつメッセージの型
  4. 41通目〜3通目の役割を分ける
  5. 5入口ごとに1通目を変える
  6. 6出口に進んだ人を、シナリオから外す
  7. 77日以内にブロックされる原因は、ほぼ4つ
  8. 8効いているかを測る4つの指標
  9. 9よくある誤解を3つ
  10. 10この章の出口

登録した瞬間が、その友だちの関心が最も高い時間です。そして同じ人には二度と来ません。 ここだけは、やり直しが効かない配信です。 それなのに、多くのアカウントの1通目は自己紹介から始まります。相手が押したのは「この会社を知りたい」ボタンではなく、「さっき見ていたものが欲しい」ボタンです。順番が逆になっています。 この章は、あいさつメッセージの型を決め、1通目〜3通目の役割を分け、出口に進んだ人をシナリオから外し、10項目の点検リストで最初の7日を確定させるための章です。

この章で分かること

  • 登録直後に届けるもの(自己紹介ではなく、相手の用を先に渡す形)と、あいさつメッセージの型
  • 1通目・2通目・3通目の役割、届ける間隔、入口ごとの分岐の作り方
  • 7日以内のブロックが起きる原因と、効いているかを測る4つの指標

登録直後の7日を、なぜ独立した章にするのか

定期配信(2章のB)は、失敗しても翌月やり直せます。登録直後の配信(2章のA)は違います。理由は3つです。

登録直後の配信(A) 定期の配信(B)
同じ人に何度届くか 1回だけ 毎月
相手の関心 最も高い(自分で登録ボタンを押した直後) 日によって違う
失敗したときの影響 その人との関係が最初で終わる 次の配信で取り返せる
作る回数 最初に1回作れば動き続ける 毎月作る
見直し 3ヶ月に1回 毎回

作る手間は1回、効き続ける期間は無期限。 費用対効果で言えば、LINEの設定の中でここが最も高い場所です。それでも後回しにされるのは、目に見える成果物(リッチメニューの画像)がないからです。

最初に渡すのは、自己紹介ではない

登録ボタンを押した人の頭の中にあるのは、ほぼ1つです。「さっきの、どこ?」

よくある1通目 相手にどう見えるか 代わりに置くもの
会社の沿革・理念・代表あいさつ 読む理由がない。スクロールして閉じる 登録時に約束したものを、最初の吹き出しで渡す
「まずはアンケートにご協力ください」 何ももらう前に作業を求められた 特典を渡した後に、任意で聞く
サービス一覧と5本のリンク どれを押すか決められず、何も押さない リンクは1つに絞る
「いつでもご相談ください」 相談する用がまだない 次にやることを1つ、動詞で示す
割引クーポンだけ 何のアカウントか分からないまま残る 何が届くアカウントかを1行添える

基準は「相手の用が先、自社の説明は後」です。 自己紹介を入れてはいけないのではなく、渡すものより前に置かないということです。

あいさつメッセージの型

あいさつメッセージは、登録した瞬間に自動で届く1通目です(LINE公式アカウントの標準機能。ツールを入れている場合は、ツール側のシナリオ1通目に寄せることが多くなります)。

入れるのは、次の4つだけです。

順 要素 書くこと 分量の目安
1 確認 何のアカウントに登録したか 1行
2 受け渡し 登録時に約束したもの(資料・クーポン・空き枠・診断)をこの吹き出しで渡す 1リンク or 1画像
3 予告 これから何が、どれくらいの頻度で届くか 1行
4 次の1歩 次にやることを1つだけ、動詞で(「下のメニューから空き枠を見る」) 1行

3番の予告を入れる理由は、後のブロックを減らすためです。何が届くか知らされていない相手にとって、2週間後の配信は不意打ちです。「月2回、空き枠と季節の案内が届きます」と先に言っておけば、届いた時点で想定内になります。登録の時点で合意を取っておくという意味で、この1行は文面ではなく設計です。

書いてはいけないものは3つです。複数のリンク/長い会社説明/いきなりの売り込み。 どれも、渡すものより前に置かれた時点で効果が反転します。

1通目〜3通目の役割を分ける

当社は、登録直後のシナリオを3通で終える設計にしています(2章の「3通で終わる原則」と同じです)。

通 届く時期 役割 入れるもの 入れないもの
1通目 登録した瞬間 渡す 約束したもの/届く内容の予告/メニューの案内 売り込み・複数リンク
2通目 2〜3日目 使ってもらう 渡したものの活かし方/よくある質問1つ/実例1つ 新しい提案
3通目 5〜7日目 出口に案内する 出口へのリンク1つ/今やる理由(期限・空き枠) 2つ目の出口
4通目以降 — 作らない — —

4通目を作らない理由は2つあります。4通目以降で反応が増える保証がないこと、そして反応しなかった人に送り続けることが、ブロックの最も大きな原因だからです。3通で反応がなければ、その人は定期配信(B)に合流させ、出口の案内は止めます。追い続けて失うのは、その1件ではなく接点そのものです。

なお、間隔は必ず表にしてください。「だいたい3日後」では、設定を直すときに元の意図が分かりません。何日目の何時に届くかを書いた表が、3ヶ月後の見直しの唯一の手がかりになります。

入口ごとに1通目を変える

3章で作った入口タグが効くのは、ここです。同じ1通目を全入口に送るなら、入口を分けた意味の3分の1が失われます(残りは「入口別の成約数」と「効かない入口を止める判断」です)。

入口 相手の状態 1通目で渡すもの
店頭のPOP すでに来店している 次回来店の特典/空き枠の見方。サービス説明は不要
料金ページのボタン 費用を検討中 料金の考え方が分かる資料/見積もりの入口
導入事例ページのボタン 他社の結果を見ている 近い業種の事例1本/相談の入口
広告 何も知らない 広告で約束したものを最優先で渡す/何の会社かを1行
紹介カード 紹介者の信用がある 紹介者に触れた1行/紹介特典

分けない入口があってもかまいません。ただし「分けない理由」を書いてください。 書けないなら、それは分けていないのではなく、決めていないだけです。

分岐は、Lステップ・エルメの「タグによる分岐」で作ります(機能の呼び名と設定手順は提供元のマニュアルで確認してください)。公式アカウントの標準機能だけでは、あいさつメッセージは全員同じになります。入口ごとに1通目を変えたい時点で、ツールが要るというのが1章の線引きです。

出口に進んだ人を、シナリオから外す

ここが、この章で最も事故が多い場所です。

予約した人に、予約の案内が届き続ける。 これは文面の問題ではなく、シナリオを止める設定が入っていないだけです。相手から見れば「こちらの行動を見ていない会社」で、一度で信用が落ちます。

止める設計は3つの部品でできています。

  1. 出口が完了したときに、状態タグが 状態_予約済み に付け替わる(3章の排他設定)
  2. そのタグが付いた時点で、登録直後のシナリオの残りを停止する
  3. テスト登録して、実際に止まることを確認する

3番を省くと、ほぼ確実に事故ります。設定した本人がテストで通していない分岐は、動いていないと考えてください。 当社では、テスト用のLINEアカウントで「登録 → 2通目まで受信 → 出口を完了 → 3通目が来ないこと」を毎回通してから公開します。

同じ考え方で、問い合わせの対応中の人もシナリオから外します(2章の除外リストの3つ目)。対応の最中に売り込みが届くのは、設計の事故です。

7日以内にブロックされる原因は、ほぼ4つ

原因 起きていること 直し方
約束したものが届かない 「登録で資料プレゼント」で登録したのに、1通目が自己紹介 1通目の最初の吹き出しで渡す
連投 登録直後に吹き出しが5つ6つ並ぶ 1回の吹き出し数の上限を決める(2章。当社は3つまで)
予告がない 何が届くか知らされないまま、数日後に配信が来る あいさつの3番目(予告)を入れる
関係ない内容 入口を分けず、全員に同じ売り込みが届く 入口タグで1通目を分ける

いずれも文面の巧拙ではなく、設計で決まります。 7日以内のブロックが多いときに文章を書き直しても、ほとんど変わりません。この4つを上から確認してください。

効いているかを測る4つの指標

出典のない「開封率」の類は使いません。自分の管理画面で確かめられる数字だけを見ます。

指標 数え方 何が分かるか
7日以内のブロック率 その月の登録者のうち、7日以内にブロックした人数 ÷ 登録者数 登録直後の設計が合っているか。最重要
1通目の受け取り率 1通目のリンクを押した人数 ÷ 届いた人数 約束したものが実際に渡っているか
3通目からの出口到達数 3通目のリンク経由で出口を完了した件数 シナリオが着地しているか
入口別の7日以内到達数 入口タグごとに、上の件数を分ける どの入口の友だちが本当に進むか(11章につながる)

友だち単位のブロック状態が見えるかどうかは、使うツールによります(機能の有無は提供元のマニュアルで確認してください)。見えない場合は、登録日ごとの友だち数の推移で代用できます。大事なのは精度より、毎月同じ数え方で並べることです。

数字は、3ヶ月分たまってから判断してください。 1ヶ月目の数字には、比べる相手がありません。

よくある誤解を3つ

「登録直後は関係作りだから、売り込まないほうがいい」 ——売り込まないことと、出口を案内しないことは別です。3通目まで一度も出口を示さないシナリオは、相手に次の行動を渡していません。案内は1回でよく、2つ目の出口を置かなければ売り込みにはなりません。避けるべきは売り込みではなく、渡す前の売り込みです。

「ステップ配信は長いほうが育つ」 ——通数と成果は比例しません。増えるのは、反応しなかった人に届く回数です。当社が3通で終える設計にしているのは、4通目以降で増える保証がない一方、ブロックは確実に増えるからです。長くしたくなったら、通数ではなく出来事に紐づく配信(2章のC)を1つ足してください。用があるタイミングで届くので、同じ手間でブロックが増えません。

「あいさつメッセージは一度作れば終わり」 ——変わるのは文面ではなく、渡すものです。特典の内容、空き枠の状況、価格、メニューの構成。どれかが変わった時点で、あいさつは古くなります。3ヶ月に1回、リンク先が生きているかだけでも確認してください。 切れたリンクが届く1通目は、何も送らないより悪い結果になります。

この章の出口

この章を終えたとき、手元に残っているべきものは次の3つです。

  1. 3通のシナリオ表(通・何日目の何時・目的1行・吹き出し数・入れるリンク1つ。入口ごとの分岐が書いてある)
  2. テストで確認した記録(テスト登録 → 出口を完了 → 残りのシナリオが止まることを実機で確認した)
  3. 7日以内のブロック率の数え方(どの画面のどの数字を、毎月いつ記録するか)

この3つが揃えば、登録直後の一度きりの時間帯は設計できています。次は、その人があとから何度でも戻ってくる場所を作ります。 配信は流れて消えますが、リッチメニューはトーク画面の下に残り続けます。ただし、押されている場所しか意味がありません。

次の章へ:5章 LINEのリッチメニューの設計と作り方

この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)

点検リスト:登録直後7日の点検(10項目)

登録直後のシナリオを公開する前に付けてください。

# チェック項目 ○の条件(合格の状態)
1 あいさつメッセージで「何が届くか」を先に伝えている 配信の頻度と内容が1行で書いてある
2 1通目が、登録時に約束したものを渡している 特典・資料・クーポンが1通目の最初の吹き出しで届く
3 入口ごとに1通目を変えている 入口タグで分岐している(分けない入口は理由が書いてある)
4 出口への案内が3通以内で終わる 4通目以降に売り込みが無い
5 各通の目的が1行で書いてある 「渡す」「使い方」「出口」等
6 1通あたりの吹き出しが上限内 2章で決めた数以内
7 配信の間隔が決まっている 何日目の何時に届くかが表になっている
8 出口に進んだ人がステップから外れる 予約・申込のタグが付いたら残りが止まる。テストで確認した
9 7日目までのブロック率を測っている 登録から7日以内のブロック数(または代わりの数え方)が見える
10 3ヶ月に1回見直す予定が入っている カレンダーに入っている

合格ライン=10項目中8つ以上。必須項目は 1・4・8 の3つです。どれか1つでも×なら、公開しないでください。

  • 1が×なら、何が届くか知らないまま友だちになった人に配信が届きます。ブロックの原因のうち、最も安く直せるのがここです
  • 4が×なら、反応しなかった人に売り込みを続けることになり、接点そのものを失います
  • 8が×なら、予約した人に予約の案内が届き続けます。これは文面では直せません

なお、3は「分けない」と決めても○です。 ただし理由が書いてあることが条件です。理由が書けない場合は、分けていないのではなく、入口タグを使っていないだけです(3章に戻ってください)。

読んでも決めきれないところは、一緒に決めます

30分の相談は無料です。タグと導線の設計から引き受けます。引き受けられる範囲はLINE公式アカウントの設計・運用にまとめています。

30分相談を予約する

更新日 2018年10月20日