kintoneの日付を「令和8年9月20日」や「9月20日(日)」と表示したい場合、標準の計算フィールドでは実現できません。DATE_FORMAT 関数に元号と曜日の書式がないためです。JavaScriptを書くか、無料プラグインで日付フィールドから別のフィールドへ自動で入れます。
標準の計算式でどこまでできるか
kintoneの計算フィールドは、日付を扱えます。できることとできないことは、はっきり分かれます。
| やりたいこと | 標準の計算式 |
|---|---|
| 「2026年09月20日」のような西暦の文字列 | できる(DATE_FORMAT) |
| 「2026-09」のような年月 | できる(DATE_FORMAT) |
| 2つの日付の差(日数) | できる(引き算) |
| n日後の日付 | できる(足し算) |
| 「令和8年9月20日」(和暦) | できない |
| 「日」「日曜日」(曜日) | できない |
| 土日・祝日を除いた営業日の計算 | できない |
| 今日からの残日数(開くたびに変わる) | できない |
できること1:西暦の書式を整える
計算フィールドに次のように書き、表示形式を「文字列」にします。
DATE_FORMAT(受付日, "YYYY年MM月dd日", "Asia/Tokyo")
これで「2026年09月20日」という文字列になります。"YYYY/MM/dd" や "YYYY-MM" も同じ書き方です。第3引数のタイムゾーンは省略せず "Asia/Tokyo" を書いてください。省略すると環境によって1日ずれます。
できること2:日数の差と、n日後
kintoneは日付フィールドを「1970年1月1日からの日数」として扱います。そのため、計算フィールドはそのまま引き算・足し算で書けます。
| 計算式 | 表示形式 | 結果 |
|---|---|---|
終了日 - 開始日 |
数値 | 日数(例:14) |
受付日 + 30 |
日付 | 30日後の日付 |
ただしこれは暦日です。「30日後」は土日も祝日も数に入ります。
できないこと:和暦・曜日
DATE_FORMAT の書式には、元号を出す記号も曜日を出す記号もありません。"令和" と文字で書いて DATE_FORMAT(...) とつなげても、改元をまたいだ瞬間に間違いになりますし、年の数字を令和の年に直す計算も自前で書くことになります。
「文字列にして表示」の限界
「では、文字列フィールドを用意して人が和暦を打てばいいのでは」と考えたくなります。ここには3つの問題があります。
- 二重入力になる。日付フィールドと和暦の文字列を両方入力するため、片方だけ直したときにずれます
- 並べ替え・絞り込みが壊れる。文字列の「令和8年9月20日」は日付として扱われないため、一覧での期間指定やグラフの集計に使えません
- 表記が人によってばらつく。「R8.9.20」「令和8年9月20日」「令8/9/20」が混ざります
日付は必ず日付フィールドで持ち、和暦や曜日は「表示用の文字列を自動で入れる」形にするのが正解です。日付フィールドが元データ、文字列は帳票や一覧に出すためのコピー、という役割分担です。
JavaScriptで書くとどうなるか
日付フィールドが変わったときと保存時に、和暦と曜日を文字列フィールドへ入れる例です。
(() => {
'use strict';
const SRC = '受付日'; // 日付フィールド
const DEST = '和暦'; // 文字列(1行)フィールド
const WEEK = '日月火水木金土';
const fmt = new Intl.DateTimeFormat('ja-JP-u-ca-japanese', {
era: 'long', year: 'numeric', month: 'long', day: 'numeric',
});
const build = (value) => {
if (!value) return '';
// "2026-09-20" を数値で渡す(文字列を new Date に渡すとUTC扱いでずれる)
const [y, m, d] = value.split('-').map(Number);
const date = new Date(y, m - 1, d);
// Intl は1年目を「令和1年」と出すので「元年」に直す
const wareki = fmt.format(date).replace(/(\D)1年/, '$1元年');
return `${wareki}(${WEEK[date.getDay()]})`;
};
const events = ['create', 'edit'].flatMap((t) => [
`app.record.${t}.change.${SRC}`, `app.record.${t}.submit`,
]);
kintone.events.on(events, (event) => {
event.record[DEST].value = build(event.record[SRC].value);
event.record[DEST].disabled = true; // 手で直せないようにする
return event;
});
})();
「令和8年9月20日(日)」が入ります。30行ほどですが、実運用ではここに次が積み上がります。
- 「R8.9.20」のような短い形も欲しい → 書式を切り替える設定
- 対象の日付が複数ある(受付日・期限日・完了日) → ルールを増やせる作り
- 営業日の計算 → 日本の祝日の判定を自前で持つ必要がある
最後の祝日が厄介です。ハッピーマンデー、春分・秋分(年によって日が動く)、振替休日、国民の休日をすべて自前で計算するか、外部の祝日APIを叩くことになります。外部APIは、自治体のLGWAN環境や閉じた社内ネットワークでは使えません。 JavaScriptカスタマイズ全般の基本は13章 JavaScript・API・外部連携にまとめています。
設定だけで済ませる:日付計算(無料)
COTSUBUが公開している無料プラグイン日付計算は、上の内容を設定画面だけで実現します。
| 種類 | 出力の例 | 出力先のフィールド |
|---|---|---|
| 和暦 | 令和8年9月20日 / R8.9.20 | 文字列(1行) |
| 曜日 | 日 / 日曜日 | 文字列(1行) |
| 年月 | 2026年9月 / 2026-09 | 文字列(1行) |
| n日後・nか月後 | 2026-10-20 | 日付 |
| n営業日後 | 2026-10-05 | 日付 |
| 2つの日付の間の日数・営業日数 | 14 / 10 | 数値 |
設定は次の5ステップです。
- 出力先のフィールドを用意する(和暦・曜日は文字列(1行)、n日後などは日付、日数は数値)
- アプリの設定 →「プラグイン」→「日付計算」の歯車アイコン
- 「+ ルールを追加」で、種類・元の日付・出力先を選ぶ
- 営業日で休みにしたい日があれば「会社独自の休日」に1行1日で書く
- 「保存する」→「アプリを更新」
無料・会員登録不要・外部と通信しません。 祝日は外部から取りに行かず、祝日法のルール(固定日・ハッピーマンデー・春分/秋分・振替休日・国民の休日)から計算します。そのためLGWAN環境や閉じた社内ネットワークでも動きます。和暦の1年目は「元年」と表示します。
元の日付を変えた瞬間と保存時に計算し、前のルールの結果を次のルールの元にできます。「受付日 → 10営業日後の回答期限 → その和暦表示」のような連鎖も設定だけで組めます。
「期限まであと何日」は別の機能
似て見えますが、残日数は日付計算とは別の問題です。残日数は今日の日付で変わるため、保存したときの値を入れておくと翌日にはずれます。
一覧で「期限切れは赤、3日以内は黄色」と色を付けたい場合は、無料プラグイン期限・残日数を使います。一覧の色は開いた日の日付で判定し直すので、保存から日がたっても正しく出ます。残日数は暦日と営業日のどちらでも数えられます。
日付から「2026-09」の年月を入れておくと、月ごとの集計やグラフ・レポートがそのまま組めるようになります。年月の文字列は、グラフの分類項目として扱いやすい形です。
まとめ
よくある質問
kintoneの計算フィールドで和暦は表示できますか
できません。計算フィールドの DATE_FORMAT 関数には西暦の書式しかなく、令和・平成といった元号の書式は用意されていません。和暦を出すにはJavaScriptかプラグインが必要です。
曜日を自動で入れることはできますか
標準の計算式ではできません。日付から曜日の文字を作る関数がないためです。JavaScriptか、無料プラグインの日付計算を使えば、日付フィールドから「日」「日曜日」を別のフィールドに自動で入れられます。
土日・祝日を除いた「10営業日後」を計算できますか
標準の計算式ではできません。祝日のデータをkintoneが持っていないためです。無料プラグインの日付計算なら、土日と日本の祝日(振替休日・国民の休日を含む)に加えて、年末年始などの会社独自の休日も除いて計算できます。
日付フィールド同士を引き算して日数を出せますか
出せます。計算フィールドに「終了日 - 開始日」と書き、表示形式を「数値」にしてください。kintoneは日付を1970年1月1日からの日数として扱うため、差がそのまま日数になります。ただし営業日数にはなりません。
和暦の1年目は「令和1年」ではなく「令和元年」にできますか
できます。無料プラグインの日付計算は1年目を「元年」と表示します。JavaScriptで書く場合、標準の Intl では「令和1年」になるため、1年目だけ文字を置き換える処理を自分で足すことになります。


