株式会社COTSUBU

CHAPTER 06

広告の除外設定|キーワード・配信面・地域

この章で分かること

  • 業種を問わず最初から除外しておくべき語と、なぜそれが必ず混ざるのか
  • 実際に検索された語の精査の手順と、無駄になっている金額の出し方(月いくら・何件取り戻せるか)
  • 検索以外の除外(配信面・地域・時間・既存客)と、除外しすぎを検知する仕組み
この章の目次(8)
  1. 1なぜ漏れは「余計な語」から出るのか
  2. 2配信前に入れる共通の除外リスト
  3. 3配信後の精査:90日分を費用の多い順に
  4. 4検索以外の4つの除外
  5. 5競合名の扱いを決める
  6. 6除外しすぎたことに、どう気付くか
  7. 7よくある間違いを5つ
  8. 8この章の出口

予算の漏れは、狙った語ではなく余計な語から出ます。 そして余計な語への支出は、除外を入れたその日から止まります。 この本で唯一、作業した当日に費用が減る章がここです。入札の変更は結果が出るまで数週間かかりますが、除外は即日効きます。 この章は、出稿前に入れておく共通の除外、配信後の精査の頻度と基準、検索以外(配信面・地域・時間・既存客)の除外、そして除外しすぎに気付く方法を決めるための章です。

この章で分かること

  • 業種を問わず最初から除外しておくべき語と、なぜそれが必ず混ざるのか
  • 実際に検索された語の精査の手順と、無駄になっている金額の出し方(月いくら・何件取り戻せるか)
  • 検索以外の除外(配信面・地域・時間・既存客)と、除外しすぎを検知する仕組み

なぜ漏れは「余計な語」から出るのか

検索広告は、登録したキーワードそのものだけに出るわけではありません。近い意味の検索にも出ます(5章のマッチタイプ)。 この「近い」の範囲は媒体が決めます。そして媒体はクリックされる語を近いと判断しやすい。クリックされやすい語と、発注する人が打つ語は、同じではありません。

語の性格 クリック単価 クリック数 問い合わせ
発注に近い語(「業者」「依頼」「見積」「料金」) 高い 少ない する
調べている語(「とは」「やり方」「自分で」) 安い 多い しない

だから、放っておくと安くて量の多い語に予算が流れます。 管理画面上はクリック数が増えて調子が良く見え、問い合わせだけが増えません。 2章の「クリック数は増えているのに問い合わせが増えない」は、ほぼこれです。広告の設定は何も間違っていません。出す先が間違っています。

当社がリスティング広告運用の1番目に「出さない検索を先に決める」を置いているのは、この順番を動かさないためです。除外を先に組んでから配信します。配信してから考えません。

配信前に入れる共通の除外リスト

業種を問わず混ざるものがあります。出稿前に、まとめて入れてください。

種類 語の例 なぜ混ざるか
求人・採用 求人/採用/募集/バイト/アルバイト/正社員/転職/年収/給料/面接 採用ページがあるサイトほど混ざる。 最も見落とされやすく、金額も大きい
無料・自力 無料/タダ/自分で/DIY/やり方/方法/作り方/手順/直し方 費用をかけない前提の人。発注しない
調べもの とは/意味/違い/読み方/種類/一覧/仕組み/歴史 知識を探している段階
苦情・トラブル 苦情/クレーム/詐欺/悪質/トラブル/被害/訴訟/やばい 買う人ではない
学習・資格 資格/試験/講座/スクール/独学/テキスト/通信教育 事業者側になりたい人
求職以外の非商用 中古/買取/レンタル/譲ります/自作 商材によっては○。自社で判断する

最後の行のとおり、業種によっては残すべき語もあります。 中古品を扱うなら「中古」は発注語です。そのままコピーせず、自社に当てはめて1度読んでください。

もう1つ、同じ綴りの別物に注意します。社名・商品名が一般名詞や他業種の固有名詞と衝突していると、まったく関係のない検索に出続けます。自社名を実際に検索して、何が出るかを見てください。

配信後の精査:90日分を費用の多い順に

頻度は週1回です。当社は週次で検索語句を精査し、除外の追加を記録しています。 見るのは直近90日の「実際に検索された語」を、費用の多い順に上から50語ほど。件数順ではなく費用順です。金額の大きいところから潰します。

3つに仕分けます(2章の工程4と同じ表です)。

仕分け 中身 処置
A 発注に近い 商品名・サービス名・「業者」「依頼」「見積」「料金」「相場」「near me」的な地域語 残す・強める。キーワードとして正式に登録する
B 判断保留 一般語、比較語(「おすすめ」「比較」「ランキング」) 成果の有無で判断。 成果があれば残す
C 発注意図がない 上の共通リストに当たるもの 除外する

Bの扱いが実務では一番迷います。基準は1つだけにしてください。

成果0 かつ 費用が許容CPAを超えている語 → 除外する
(許容CPA未満しか使っていない語は「まだ判断できない」。残して観察)

2章の「『試していない』と『効かない』は別」がここにも効きます。500円しか使っていない語を「成果0だから」と切るのは、判断ではなく反射です。

無駄になっている金額を出す

除外の価値は、金額で言えます。

今月の無駄(概算)= Cに仕分けた語の90日間の費用合計 ÷ 3
取り戻せる件数の見込み = 今月の無駄 ÷ 許容CPA

許容CPAが2万円で、Cへの支出が90日で24万円なら、今月の無駄は8万円、取り戻せる見込みは月4件です。 この2行を社内で言えるかどうかが、除外作業が続くかどうかを決めます。 「キーワードを見直しました」では誰も評価しませんが、「月8万円の漏れを止めました。月4件分です」なら通ります。

除外は、狭い一致から入れる

除外にも「どこまで広く効かせるか」の指定があります(呼び名と挙動は改定されるため、最新は公式ヘルプで確認してください。探す言葉:「除外キーワード 一致タイプ」)。

入れ方 効き方 使いどころ
狭く入れる(その語の並びのときだけ) 巻き込みが少ない 迷ったらこちら。原則
広く入れる(その語を含むもの全部) 巻き込みが起きやすい 「求人」「バイト」など、絶対に不要と言い切れる語だけ

「除外を入れたら表示回数が激減した」は、広く入れすぎたときに起きます。 特に短い語・一般的な語を広く入れると、狙っている語まで消えます。「無料」を広く除外すると「無料見積」も消える、という事故は典型です。

除外リストはアカウント共通で持つ

同じ語を、キャンペーンごとに何度も入れている状態は管理が破綻します。 アカウント共通の除外リストを1本作り、そこに足していく形にしてください。キャンペーン固有の事情があるものだけ、個別に入れます。仕組みと名称は媒体ごとに違うので、公式ヘルプで確認してください。

検索以外の4つの除外

除外は検索語だけではありません。金額の大きさでは、こちらが上回ることもあります。

対象 何を除外するか 判断の基準
配信面 成果0で費用の出ているサイト・アプリ面。ゲーム面や子ども向けの面 ディスプレイ・SNSで発生。誤タップが多い面は費用だけが出る
地域 対応できない地域 商圏と一致しているか。 地域の指定は「その地域にいる人」と「その地域に関心がある人」で挙動が違う場合がある。最新は公式ヘルプで確認
時間 受電できない時間帯 電話が主導線の場合のみ。 フォームが主導線なら、止める必要はない
既存客・社内 既存客リスト、応募者、自社社員 広告で取り直す必要のない相手。リストでの除外可否は媒体による

地域の除外は、実額が最も大きく出ることがあります。 「対応は県内だけなのに、全国に出ていた」は珍しくありません。1回確認するだけで終わる作業です。

時間の除外は慎重に。 夜間の検索が翌朝の電話につながることがあります。受電できない時間に折り返しの案内を出すほうが、止めるより良い場合が多いです(10章)。止めるなら、止めた前後で件数を比べてください。

既存客の除外は、売り物の性格で決まります。1回売り切りなら除外する価値がありますが、リピートのある商材なら除外しないほうがよいこともあります。除外する/しないを決めて、理由を書いてください。

競合名の扱いを決める

競合の社名・商品名で広告を出すかどうかは、決めて書いておく性格の話です。

出す場合 出さない場合
比較検討中の人に当たる。乗り換え需要を取れる 無用な摩擦を避けられる
クリック単価が高くなりやすく、成約率も読めない 自社の指名を守ることに集中できる

どちらでも構いませんが、やるなら商標の扱いに注意が要ります。 広告文に他社の商標を書けるかは媒体のポリシーと商標権の問題で、キーワードに使えることと、広告文に書けることは別です。最新は媒体の広告ポリシーで確認してください(11章)。

除外しすぎたことに、どう気付くか

除外は効きすぎることがあります。気付く方法は1つだけ、表示回数の急減を見ることです。

見る人 頻度 見るもの 基準の例
運用担当 週1回(除外を追加した週は翌日も) 表示回数・費用 前週比で±50%動いたら、直近の除外を疑う

そして除外した語と日付を必ず記録してください。 これがないと、表示回数が落ちたときに「何を戻せばいいか」が分かりません。記録は1行で十分です。

2026-09-20 「無料」を広く除外 → 9/22 表示回数が前週比▲6割。狭い一致に入れ直し

除外は足すだけの作業ではなく、戻す作業もある——これを前提に記録を残してください。

よくある間違いを5つ

「配信してから、様子を見て除外しようと思っている」 ——様子を見ている間、毎日漏れ続けます。共通の除外リストは配信前に入れれば、その分の費用が最初から出ません。 → 直し方:上の共通リストを、自社向けに1度読んでから配信前に入れる。30分で終わります。配信してから考えないのが当社の決めごとです。

「除外リストは最初に作ったので、もう触っていない」 ——検索される語は毎月増えます。除外は1回やって終わる作業ではありません。 → 直し方:週1回、費用の多い順に50語見る。直近30日に1回以上、除外を追加した形跡があるかが運用されているかどうかの判定です。

「成果0の語をすべて除外した」 ——費用が数百円の語まで切ると、まだ試していない語を切っていることになります。しかも語の数だけ作業が増えて続きません。 → 直し方:成果0 かつ 費用が許容CPAを超えている語だけを切る。それ以外は観察に回す。

「クリック単価が高いので、高い語を除外した」 ——単価が安い語は、たいてい発注から遠い語です。見るべきはクリック単価ではなくCPAです(1章)。 → 直し方:単価の列でソートするのをやめ、費用順に並べて、成果の有無で判断する。

「検索語句だけ見ていて、配信面と地域は見たことがない」 ——ディスプレイ・SNSでは配信面、全国配信の設定では地域のほうが金額が大きいことがあります。1回確認するだけの作業を、何年もやっていない状態です。 → 直し方:今日、配信地域が商圏と一致しているかを見る。次に、成果0で費用の出ている配信面を上から10個除外する。

この章の出口

手元に残っているべきものは4つです。

  1. 共通の除外リスト(自社向けに1度読んだもの。アカウント共通で1本)
  2. 無駄になっている金額(Cへの90日支出 ÷ 3)と取り戻せる件数(÷ 許容CPA)
  3. 検索以外の除外の判断(配信面・地域・時間・既存客を、それぞれ○か×か理由つきで)
  4. 除外の記録(語・日付・入れ方。戻すときに使う)

2番が言えていれば、社内でこの作業の予算を取れます。「月◯万円の漏れを止めた。月◯件分」が、除外作業の成果物です。

ここまでで、出す先(4章)・組み方(5章)・出さない先(6章)が決まりました。 漏れが止まると、次は残った予算をどこに、いくら寄せるかの話になります。2章の「直す順番」のとおり、入札に触るのは最後です。

次の章へ:7章 広告の自動入札と予算配分の決め方

この章の点検リストを開く(自社の状態を○×で判定する用)

点検リスト:除外の設計(10項目)

# チェック項目 合格の状態
1 配信前に共通の除外リストを入れた 求人・無料・自分で・やり方・意味・評判・苦情 等を登録済み
2 実際に検索された語を定期的に見ている 直近30日に1回以上、精査した形跡がある
3 成果0で費用の大きい語を除外した 直近90日で成果0かつ費用1万円以上の語が0件
4 除外リストがアカウント共通で管理されている 同じ語を何度も個別に入れていない
5 競合名の扱いを決めている 出す/出さないを決め、理由を書いた
6 配信地域が商圏と一致している 対応できない地域に出ていない
7 対応できない時間帯の扱いを決めている 電話が主導線なら、受電できない時間の扱いが決まっている
8 既存客・応募者・自社社員の除外を検討した 除外する/しないを決めた
9 除外しすぎていないか確認する仕組みがある 表示回数の急減を見る担当と頻度が決まっている
10 除外した語と日付を記録している 後から「なぜ止めたか」を追える

合格ライン=10項目中8つ以上。ただし 1・2 は必須です。 この2つが×なら、費用は毎日漏れ続けます。 そして漏れた分は取り戻せません。 逆に言えば、1と2を○にするだけで、その日から費用が減ります。 本書の中で、最も早く回収できる作業です。

読んでも決めきれないところは、一緒に決めます

30分の相談は無料です。2章の点検を当社が代わりに回すこともできます(単発可)。引き受けられる範囲は広告アカウント診断にまとめています。

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更新日 2018年10月20日