株式会社COTSUBU
AI活用

ChatGPT vs Claude|中小企業が選ぶべきAIツール比較

宇田川 将也|8分
ChatGPTClaudeAI比較中小企業ツール選定

「ChatGPTとClaude、どちらを入れればいいですか」とよく聞かれます。先に答えを書くと、型番や○×表で比べても決まりません。 両社ともモデルの世代交代が速く、「こちらは画像が作れない」「こちらのほうが賢い」といった比較は、数ヶ月で入れ替わります。

この記事では、製品の性能表ではなく、自社の業務で並べて試して決める手順を書きます。比べる観点、同じ課題を両方に出す方法、採点表、判断の分かれ目までをまとめました。最新の機能と料金は、各社の公式サイトで確認してください(2026年9月確認)。

先に押さえること

変わるもの 変わりにくいもの
モデルの名前・性能の順位 自社の業務で使えるかどうかは、自社の材料でしか分からない
画像・音声・ファイルまわりの機能の有無 どちらも間違いはゼロにならない。人が確かめる場所が要る
料金・プラン名・無料枠 費用が人数で増えるか、使った量で増えるか
画面の名前・メニューの位置 指示文と手順を道具の外に置けば、乗り換えても残る

比較記事を読むときは、更新日を見てください。 半年前の○×表は、すでに前提が変わっている可能性があります。

比べる観点(製品が変わっても残るもの)

性能の順位ではなく、次の観点で比べます。どれも、自社で確かめられる形にしてあります。

観点 何を見るか 確かめ方
自社業務の出力 自社の議事録・メール・資料で、使える下書きが出るか 下の「並べて試す手順」で採点する
指示の守り方 「書いていないことは書かない」「この形式で」を守るか 禁止事項を入れた指示文を渡し、破った回数を数える
長い資料の扱い 長い文書を渡したとき、後半の内容を落とさないか 後半にだけ書いてある事実を聞く
日本語の文体 社外に出せる文面になるか。直す量はどれくらいか 送る前に直した箇所の数を数える
既存の道具との相性 社内で使っている表計算・メール・チャットとつながるか 公式サイトで連携の方法を確認し、1つ試す
管理者の機能 誰が使っているか見られるか。権限を分けられるか 法人向けプランの説明を公式で確認する
データの扱い 入力が学習に使われるか、保存期間、削除 公式の規約・ヘルプを読み、確認日を記録する
費用の増え方 人数で増えるか、使った量で増えるか AI導入の費用比較の手順で見積もる

上の4つは試せば分かります。下の4つは公式の資料を読んで確認する項目です。どちらも、確認した日を記録してください。

同じ課題で並べて試す手順

いちばん確実なのは、同じ材料・同じ指示文で両方に出させ、並べて見ることです。無料枠や試用で足ります。

# やること 注意点
1 自社で毎週発生している業務を3つ選ぶ 議事録・メール・資料の要約など。月1回の業務は選ばない
2 材料を用意する 社外に出しても困らない情報だけにする。顧客名や個人情報は伏せる
3 指示文を1つ書き、両方にそのまま貼る 途中で指示を変えると比べられない
4 出力を2つ並べ、どちらの出力か伏せて採点する 先入観で点が動くのを防ぐ
5 採点は2人で行う 1人だと好みで決まる
6 同じ課題を日を変えて3回やる 同じ指示でも出力は毎回少し変わる
7 結果を表にして残す 半年後に見直すときの基準になる

指示文の型(両方に同じものを貼る):

以下は社内会議の文字起こしです。次の3つに分けてまとめてください。
1. 決まったこと(箇条書き)
2. 持ち帰り(誰が・何を・いつまでに)
3. 保留・次回に回したこと
発言になかったことは書かないでください。
担当者や期限が明言されていない項目は「担当未定」「期限未定」と書いてください。

最後の2行は、指示の守り方を見るための仕掛けでもあります。明言されていない担当者や期限を埋めてきたら、その回は減点です。

採点表の例

項目 見るところ 点
事実の正しさ 元の材料にないことを書いていないか 0〜3
漏れ 決定事項・担当・期限を拾えているか 0〜3
指示の守り方 形式・禁止事項を守ったか 0〜3
直す量 そのまま使うまでに何か所直したか 0〜3

事実の正しさで0点が1回でも出たら、合計点が高くても注意してください。 下書きの質より、作り話が混ざる頻度のほうが業務では効きます。

試す課題の選び方

業務ごとに、差が出やすい材料と見るところが違います。

業務 渡す材料 見るところ
議事録 30分程度の会議の文字起こし 担当と期限を作っていないか
メールの下書き 用件の箇条書き 固有名詞・日付を勝手に変えていないか
長い資料の要約 社内規程やマニュアル 後半の内容が要約に入っているか
表データの説明 集計済みの表 計算をやり直して数字を変えていないか
簡単なスクリプト 「このCSVをこの形に整形して」 実際に動くか。元データを壊さないか

表データは、集計は表計算ソフトで済ませてから渡してください。 AIに計算させると、桁や合計を間違えることがあります。比べるのは「その数字から何が言えるか」の書き方です。

判断の分かれ目

採点が終わったら、次の表で決めます。

結果・状況 判断
採点ではっきり差が出た 点の高いほうにする。事実の正しさの点を重く見る
差が小さい 社内ですでに使っている道具との相性、管理者機能、データの扱いで決める
課題ごとに勝ち負けが分かれた 件数の多い業務で勝ったほうにする。1つに絞るのが先
開発や自動化にも使いたい 対話の比較とは別に、開発用の道具(Claude Code など)を実際のフォルダで試す
画像や音声を扱う業務が中心 その機能が今あるかを公式で確認し、同じ手順で実際に作らせて比べる
業務データを入れる予定がある 管理者が利用状況を見られる契約があるほうを優先する

どちらを選んでも、指示文と手順はテキストファイルにして自社のフォルダに置いてください。 道具の中にだけ保存していると、乗り換えたときにゼロに戻ります。 → 契約前に確認する10項目は教科書 4章 業務で使うAIツールの選び方

当社でのやり方

当社(株式会社COTSUBU)は、どちらか一方に決め打ちしていません。道具は用途で使い分けています。

用途 使っているもの 理由
開発・記事や教科書の執筆・社内業務の自動化 Claude Code フォルダの中のファイルを直接読み書きでき、手順書(CLAUDE.md・スキル)を毎回読ませられる
受託のアプリ(業務ヒアリングの入力をAIが補助するデモ) OpenAI の API 1社に寄せず、作るものに合わせて選ぶ

Claude Code では、このコーポレートサイト、kintone プラグイン23本(無料公開)、教科書9冊を作っています。選んだ理由は「賢いから」ではなく、作業のルールをファイルに書いて毎回読ませる運用が、自社の仕事の形に合ったからです。

もう1つ守っているのは、ルールと指示文を道具の外に置くことです。記事の書き方のルール(出典のない数字を書かない/製品の画面名・料金・モデル名に依存しない/確認日を書く/「AIで全部できる」と書かない)は、特定の製品の設定画面ではなく、ファイルとして持っています。このルールで、サイトの記事94本をAIで全件点検しました(2026-09-12)。出典のない数字や廃止した旧サービス名を洗い出し、直すかどうかは人が1件ずつ決めました。 道具が変わっても、ルールのファイルはそのまま使えます。

失敗例と、人が確かめる場所

失敗 起きること 人が確かめる場所
比較記事の○×表で決めた 読んだ時点で機能が変わっていた 記事の更新日。最新は公式で確認
1回試しただけで決めた たまたま良い出力が出た回で判断している 同じ課題を3回。点のばらつき
自分1人で採点した 好みの文体で決まる 2人目の採点
試用に顧客情報を入れた 契約条件を確認する前に業務データが入る 材料を用意した時点で、伏せたかどうか
両方を全員に配った 指示文が道具ごとに分かれ、共有されない 使う道具を1つに決めたか
指示文を道具の中にだけ保存した 乗り換えで消える 共有フォルダにファイルがあるか

入れてよい情報の線引きは、道具を選ぶ前に決めておきます。 → 入れてよい情報の線引きは教科書 3章 生成AIの社内ルール

まとめ

  • 型番や○×表の比較は数ヶ月で古くなる。読むなら更新日を見る
  • 比べる観点は、自社業務の出力・指示の守り方・長い資料・文体・既存の道具との相性・管理者機能・データの扱い・費用の増え方
  • 自社の業務3つを、同じ材料・同じ指示文で両方に出し、伏せて2人で採点する。3回やる
  • 事実の正しさで0点が出る道具は、合計点が高くても注意する
  • 差が小さければ、既存の道具との相性と管理者機能で決める
  • 指示文と手順は、道具の外(自社のフォルダ)に置く

ツール選定と試用の進め方からご一緒する場合は、AI活用支援をご覧ください。

→ AI活用支援 → AI導入の費用比較|ツール別の料金とROI → Claude Codeとは?中小企業のための完全入門ガイド → AIで業務自動化|中小企業が今すぐ始められる5つのこと → 中小企業のAI導入セキュリティリスクと対策

よくある質問

ChatGPTとClaudeは、結局どちらがいいですか

一般論では決まりません。両方とも実務の文章は書けますが、差が出るのは自社の業務と材料を使ったときです。自社の業務を3つ選び、同じ材料と同じ指示文で両方に出させ、2人で採点してください。差が小さければ、すでに社内で使っている道具との相性と、管理者機能やデータの扱いで決めます。

比較記事の○×表を参考にしてもいいですか

参考程度にしてください。モデルの名前、できること、料金は数ヶ月単位で変わるため、比較表の○×はその記事が書かれた時点のものです。読むときは更新日を見て、最新の機能と料金は各社の公式サイトで確認してください(2026年9月確認)。

両方契約したほうがいいですか

最初は1つにしてください。2つ持つと指示文や手順が道具ごとに分かれ、社内で共有しにくくなります。2つ目を足すのは、1つ目では回らない業務がはっきりしていて、その業務を担当する人が決まっているときだけです。

宇田川 将也/ 代表取締役

2024年に総務省の地域活性化起業人として島根県海士町に着任。役場に住み込んで業務改善に従事し、kintoneで電子決裁や定期健診管理を構築しました。

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