ポータルサイトの費用対効果、正しく把握していますか?
多くの不動産会社にとって、SUUMOやHOME'Sなどのポータルサイトは集客の柱です。しかし、「毎月いくら使って、何件成約に繋がっているか」を正確に把握している会社は意外と少ないのが現実です。
「なんとなく反響は来ているから」と感覚で判断していると、費用対効果の悪い掲載に無駄なコストを払い続けることになります。
ROI分析に必要な3つの指標
ポータルサイトの費用対効果を測るには、以下の3つの指標を押さえましょう。
1. 反響単価(CPR: Cost Per Response)
反響単価 = 月間掲載費用 ÷ 月間反響数
例えば、SUUMOに月20万円を支払い、月に40件の反響が来ていれば、反響単価は5,000円です。
2. 来店単価(CPV: Cost Per Visit)
来店単価 = 月間掲載費用 ÷ 月間来店数
反響があっても来店に繋がらなければ意味がありません。40件の反響のうち来店が10件なら、来店単価は20,000円です。
3. 成約単価(CPA: Cost Per Acquisition)
成約単価 = 月間掲載費用 ÷ 月間成約数
最終的に重要なのはこの指標です。10件の来店から2件成約すれば、成約単価は100,000円です。
ポータルサイト別のROI比較表
各指標をポータルサイトごとに並べると、投資判断が明確になります。
| 指標 | SUUMO | HOME'S | at home | 自社サイト |
|---|---|---|---|---|
| 月間費用 | 20万円 | 15万円 | 8万円 | 5万円 |
| 反響数 | 40件 | 25件 | 10件 | 8件 |
| 反響単価 | 5,000円 | 6,000円 | 8,000円 | 6,250円 |
| 来店数 | 10件 | 7件 | 3件 | 5件 |
| 来店率 | 25% | 28% | 30% | 62.5% |
| 成約数 | 2件 | 2件 | 1件 | 2件 |
| 成約単価 | 10万円 | 7.5万円 | 8万円 | 2.5万円 |
※数値はあくまで一例です
このように比較すると、反響単価が最も安いSUUMOよりも、自社サイトの成約単価が圧倒的に安いことがわかります。来店率・成約率まで含めた分析が重要です。
正確な計測のために必要なこと
反響の出所を正確に記録する
「この反響はどのポータルから来たか」を記録する仕組みが必要です。
- ポータルサイトからの反響メールを自動分類する
- 電話反響は受電時に必ず「何を見てお問い合わせですか?」と確認する
- 来店時のアンケートに流入元を記載してもらう
反響から成約までを一気通貫で追跡する
反響→来店→成約の流れを1つのシステムで管理しないと、正確なROI計算はできません。Excelの反響管理表とは別に成約台帳がある、という状態では分析が困難です。
CRMやkintoneなどで、反響データと成約データを紐づけて管理することをおすすめします。
費用対効果を改善する5つの施策
ROIを計測できるようになったら、次は改善です。
施策1:掲載物件の入れ替え
反響が来ない物件は、写真や説明文を見直すか、掲載を止めて別の物件に予算を回しましょう。
施策2:反響対応スピードの改善
反響後30分以内に連絡できているかを計測します。対応が遅いと来店率が大幅に下がります。業界データでは、5分以内の初回連絡で来店率が約3倍になると言われています。
施策3:物件写真の品質向上
ポータルサイトでの反響数を増やすには、物件写真の品質が決定的に重要です。広角レンズでの撮影、明るい時間帯の撮影、整理整頓された状態での撮影を徹底しましょう。
施策4:自社サイトへの投資
先ほどの例でも見たとおり、自社サイト経由の反響は成約率が高い傾向があります。ポータルサイトの費用を一部削減し、自社サイトのSEO対策やコンテンツ充実に回すことも検討しましょう。
施策5:成約率の分析と営業改善
来店から成約に至る過程を分析し、どこでお客様が離脱しているかを特定します。提案力の問題なのか、物件のマッチングの問題なのか、競合に負けているのかを見極めましょう。
まとめ
ポータルサイトの費用対効果は、反響単価だけでなく、来店単価・成約単価まで一気通貫で計測することが重要です。
まずは今月のデータから、各ポータルサイトの成約単価を算出してみてください。「意外とこのポータルは費用対効果が悪い」「自社サイトが実は最も効率が良い」といった発見があるはずです。
その発見が、広告費の最適配分と利益率の改善に直結します。