不動産会社にIT部門がないのは当たり前
不動産会社、特に中小規模の会社には、専任のIT担当者がいないケースがほとんどです。社長や事務スタッフが「なんとなくITに詳しい人」として、パソコンのトラブル対応からシステム選定まで兼任しています。
しかし、DXの必要性が高まる中で、IT投資の判断を専門知識なしに行うのは大きなリスクです。「営業マンに売らせるのは得意だけど、ITのことはよくわからない」という経営者は少なくありません。
そこで注目されているのが、IT顧問(CTO代行) という選択肢です。
IT顧問を持つべき3つの理由
理由1:ITベンダーとの交渉力が上がる
不動産会社がシステム会社やSaaSベンダーと商談する際、IT知識の非対称性が問題になります。
- 本当に必要な機能がわからず、過剰なプランを契約してしまう
- 見積もりの妥当性が判断できない
- 「技術的に難しい」と言われると反論できない
IT顧問がいれば、ベンダーの提案内容を技術的な視点でレビューし、適切な判断ができます。これだけで、年間数十万〜数百万円のコスト削減になるケースもあります。
理由2:DXの全体設計ができる
DXは単にツールを導入することではありません。業務フロー全体を見直し、どの業務をどの順番でデジタル化するかの設計が必要です。
IT顧問は、不動産業務の全体像を理解した上で、以下のような設計を行います。
- 現状の業務フローの可視化
- ボトルネックの特定
- ツール選定と導入優先順位の策定
- システム間連携の設計
- 段階的なロードマップの作成
理由3:社内のITリテラシーが向上する
IT顧問は単にシステムを導入するだけでなく、社員のITリテラシー向上にも貢献します。
- 新しいツールの使い方を社員に教える
- 「なぜこのツールを使うのか」を丁寧に説明する
- 社員からのIT関連の質問に答える
- セキュリティ意識を高める
外部のIT顧問だからこそ、社内の力関係に関係なく、客観的なアドバイスができます。
IT顧問の活用範囲
IT顧問は、以下のような幅広い領域をカバーします。
| 領域 | 具体的な内容 |
|---|---|
| ツール選定 | CRM、物件管理、会計ソフトなどの選定支援 |
| システム構築 | kintoneアプリの構築、Webサイト改善 |
| セキュリティ | 情報漏洩対策、パスワード管理の指導 |
| インフラ | クラウド移行、Wi-Fi環境の整備 |
| マーケティング | Web広告、SEO、SNS活用のアドバイス |
| 業務改善 | ペーパーレス化、承認フローのデジタル化 |
COTSUBUでは「ちょこっとCTO」というサービスで、月額制のIT顧問サービスを提供しています。フルタイムのCTOを雇用するコスト(年収800万〜1,500万円)に比べ、月額数万円から利用でき、中小企業でも導入しやすい形態です。
IT顧問の選び方
選定基準1:業界理解があるか
ITの知識だけでなく、不動産業界の商慣習やワークフローを理解しているかが重要です。レインズ、ポータルサイトの仕組み、宅建業法の基本など、業界特有の知識がないと的外れな提案になりがちです。
選定基準2:技術とビジネスの両方がわかるか
「技術的に最先端のもの」が最適とは限りません。自社の規模や予算に合った、現実的な提案ができる人を選びましょう。
選定基準3:小さく始められるか
最初から大きな契約を求めるIT顧問は要注意です。まずは月1〜2回のミーティングから始め、信頼関係を築きながら徐々に範囲を広げていくのが理想的です。
選定基準4:ベンダーロックインがないか
特定のツールやサービスの販売代理店を兼ねているIT顧問は、中立的なアドバイスが難しくなります。あくまでクライアントの立場で最適な選択肢を提案してくれる人を選びましょう。
IT顧問の費用相場
| 契約形態 | 月額費用 | 内容 |
|---|---|---|
| 月1回訪問 | 3万〜8万円 | 月1回のミーティング+メール相談 |
| 月2回訪問 | 5万〜15万円 | 隔週ミーティング+チャット相談 |
| 週1回訪問 | 10万〜30万円 | 週次ミーティング+ハンズオン支援 |
| 常駐型 | 30万〜80万円 | 週2〜3日常駐+プロジェクト推進 |
中小不動産会社であれば、月1〜2回の訪問から始めるのが一般的です。
まとめ
不動産会社がIT顧問を持つべき理由は、ITベンダーとの交渉力、DXの全体設計、社内ITリテラシーの向上の3つです。
フルタイムのIT人材を雇用するのが難しい中小企業にとって、IT顧問は費用対効果の高い選択肢です。まずは月1回のミーティングから、気軽に相談できる関係を築いてみてはいかがでしょうか。