単体アプリの限界
kintoneを使い始めると、最初は1つのアプリで業務を管理できます。しかし、業務が広がるにつれて「あのデータとこのデータを繋げたい」というニーズが出てきます。
複数アプリの連携設計こそ、kintoneの真価を発揮するポイントです。
連携の3つの方法
1. ルックアップ
別アプリのデータを参照してコピーする機能です。
用途: マスタデータの取得 特徴: コピー時点のスナップショット
2. 関連レコード一覧
別アプリの関連するレコードを一覧表示する機能です。
用途: 関連情報の参照 特徴: リアルタイムで最新データを表示
3. アクション
あるアプリのレコードから、別のアプリにレコードをコピー作成する機能です。
用途: 見積→受注のようなステータス遷移
実践例:営業管理システム
システム構成
[顧客マスタ]
↓ ルックアップ
[案件管理]
↓ アクション
[見積管理] → [請求管理]
↓ 関連レコード
[対応履歴]
各アプリの役割
| アプリ | 役割 | 主なフィールド |
|---|---|---|
| 顧客マスタ | 顧客情報の一元管理 | 顧客名、住所、担当者 |
| 案件管理 | 商談の進捗管理 | 案件名、ステータス、金額 |
| 見積管理 | 見積書の作成・管理 | 見積番号、明細、合計金額 |
| 請求管理 | 請求書の作成・管理 | 請求番号、入金状況 |
| 対応履歴 | 顧客とのやり取り記録 | 対応日、内容、担当者 |
連携の流れ
- 顧客マスタに新規顧客を登録
- 案件管理で新規案件を作成 → ルックアップで顧客情報を取得
- 案件が進行したら見積管理にアクションでレコードを作成
- 受注後、請求管理にアクションで請求レコードを作成
- 各アプリで対応履歴を関連レコードとして表示
連携設計のポイント
ポイント1: データの流れを図にする
設計段階で、アプリ間のデータの流れを図にしましょう。ER図のような形式で、どのアプリがどのアプリを参照するかを明確にします。
ポイント2: キーフィールドを統一する
複数アプリ間で共通のキー(顧客コード、案件番号など)を使い、データの紐付けを確実にします。
ポイント3: 更新の影響範囲を把握する
マスタの値を変更した場合、ルックアップ先のデータは自動更新されません。更新が必要な場合の運用ルールを決めておきましょう。
ポイント4: 権限設計を事前に行う
アプリごとに閲覧・編集権限を設定し、必要な人が必要なデータにだけアクセスできるようにします。
スペースの活用
関連するアプリをスペースにまとめることで、管理しやすくなります。
- 営業スペース:顧客マスタ、案件管理、見積管理
- 経理スペース:請求管理、入金管理
- 管理スペース:社員マスタ、勤怠管理
よくある課題と対策
課題: アプリが増えすぎて全体像が把握できない
対策: アプリの一覧表と関連図をドキュメントとして管理する
課題: ルックアップの更新漏れ
対策: 定期的にデータの整合性チェックを行うルーティンを設ける
課題: 連携が複雑になりすぎた
対策: 3段階以上の連携がある場合は設計の見直しを検討
まとめ
kintoneの複数アプリ連携は、適切に設計すれば中小企業の基幹システムに匹敵する業務環境を構築できます。COTSUBUでは、業務分析から連携設計、構築までトータルでサポートしています。